GOSSIP BOX(ゴシップボックス)- アナザーエンディング -

根本聡一郎

エピソード6(脚本)

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〇ゴシップボックス_ゴシップボックス・内(ライティング白)
田中あい「・・・六億円?」
室井秀明「嘘だろ」
青木谷さち「うん、嘘だよ嘘。絶対六億持ってる人の見た目じゃないもん」
薬師寺透「・・・ありがとうございます」
青木谷さち「え、なに急に」
薬師寺透「僕、ここしばらく、絶対『六億当たった人』に見えないように気を付けてたんです」
薬師寺透「だから、そういってもらえて嬉しくて」
青木谷さち「・・・何言ってんの?」
室井秀明「六億当たったのは本当なのか」
薬師寺透「はい・・・」
田中あい「でも、六億円も当たったなら、どうして普通に働いてるんですか?」
田中あい「一生遊んで暮らせそうなのに」
薬師寺透「それが・・・僕、しばらく当たったお金のことは本当に忘れて、今まで通り暮らすことにしようって決めてたんです」
薬師寺透「宝くじ当たると急に親戚が増えるって聞いてたし、突然羽振りがよくなったら怪しまれるだろうし」
薬師寺透「六億もあるって知られたら、怪しい人にも狙われるかもしれないですし・・・」
室井秀明「じゃあ・・・当たった六億は、使ってないのか?」
薬師寺透「そうですね・・・見るのも怖かったので・・・別の口座に入れて、まだ一円も使ってないです」
田中あい「なんだか、もったいないですね」
青木谷さち「まさに宝の持ち腐れってやつね」
薬師寺透「そ、そんなこと言ったって持ち腐れますよ!」
薬師寺透「だって、今のご時世、出る杭めちゃくちゃ打たれるじゃないですか!」
薬師寺透「ちょっと目立つことやっただけで、すぐネットニュースになって・・・」
薬師寺透「コメント覧でよくわかんない奴らにめちゃめちゃ上から目線で叩かれるじゃないですか!」
薬師寺透「・・・だ、だから僕も、宝くじ当たっても調子乗らないように、とにかく目立たないようにしようって思ったんです」
薬師寺透「平日はちょっと残業して、夕飯はコンビニで済ませて、夜はユーチューブの動画見て寝て・・・」
薬師寺透「とにかくみんなに睨まれないように、目立たないように、平々凡々に暮らそうって決めたんです」
薬師寺透「・・・でも、そうやって人の目ばっかり気にしてたら、当たったお金も、どうやって使ったらいいか、全然わからなくなっちゃって」
室井秀明「・・・持つ覚悟がないやつに突然大金が入るってのも考えもんだな」
青木谷さち「少し怖がりすぎな気もするけどね」
青木谷さち「お金なんてあるところにはあるんだし、もっと気楽に生きたら?」
薬師寺透「さちさん・・・」
青木谷さち「?」
薬師寺透「そうやって優しくして、僕の六億円を狙ってるんですね・・・」

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