4話:渚の告白(脚本)
〇学校脇の道
田中 渚「奈子の学校、もっと見たかったのに」
山本 奈子「やだよ、なんか目立ってたし」
田中 渚「けど、他校って興味あるじゃん」
田中 渚「俺、部活やめたからさ。 他校に行くことねーし」
山本 奈子「まあ、それは・・・」
山本 奈子(渚と言葉を交わすの、 やっぱり楽しい)
〇川に架かる橋
田中 渚「・・・奈子。 今日、時間ある?」
山本 奈子「うん。大丈夫だけど・・・」
田中 渚「公園、寄っていい?」
山本 奈子「え、結局、公園なの?」
田中 渚「だって、二人きりで話せるのって 公園くらいしかねえし」
山本 奈子「話って、今度はなに?」
田中 渚「内緒。 でも、割と、まじめな話」
山本 奈子(渚が、こんなことを言うなんて珍しい)
山本 奈子(何かあるんだろうな・・・)
山本 奈子「わかった。いいよ」
田中 渚「サンキュ。入ろうぜ」
〇公園のベンチ
山本 奈子「それで、話って、なに?」
田中 渚「うん・・・」
田中 渚「あのさ、奈子」
山本 奈子「うん」
田中 渚「前言ってた、好きなヤツ、いないって話。 マジ、だよな?」
〇黒
一瞬、正美先輩のことが頭によぎる。
〇公園のベンチ
山本 奈子(でも、先輩は好きというか憧れって 感じだもの・・・)
山本 奈子「う、うん、いない、よ・・・」
田中 渚「そっか」
田中 渚「ならさ、その・・・」
田中 渚「・・・・・・」
山本 奈子(なんでだろう。 すごく、ドキドキする)
田中 渚「その、さ」
田中 渚「俺とか、どう?」
山本 奈子「えっ・・・?」
田中 渚「彼氏」
田中 渚「俺と、付き合わない?」
田中 渚「ていうか、付き合ってほしい。 俺と」
田中 渚「前から、奈子のこと、好きだった」
田中 渚「・・・澪のことの前から」
山本 奈子「・・・!」
田中 渚「けど、高校、別だし、 なかなか会えないし、」
田中 渚「・・・好きなヤツができないか心配だし」
田中 渚「他の男に言い寄られないかも、心配だし」
田中 渚「奈子、好きなヤツいないんだろ?」
田中 渚「だったら、俺と付き合って」
田中 渚「好きなヤツいないんだろ? なら、オレでいいじゃん」
山本 奈子「それは・・・そうだけど・・・」
山本 奈子(確かに、好きな人はいない)
山本 奈子(正美先輩は、あくまで私が一方的に 憧れているだけ)
でも、渚のことは幼馴染としか
思ってなくて
山本 奈子(渚と付き合う・・・? うそ・・・)
田中 渚「・・・・・・」
田中 渚「あー、わかった」
田中 渚「いきなりだったし、びっくりしたよな。 ごめん」
山本 奈子「うん・・・」
山本 奈子「あの、ちょっとすぐには・・・ 返事できない」
田中 渚「うん」
山本 奈子「渚のことは嫌いじゃないよ? でも、幼馴染だと思ってて」
田中 渚「オレの気持ちに、ぜんっぜん 気づいてなかったよな?」
山本 奈子「うん・・・ごめん」
田中 渚「いや、オレこそ悪ぃ。 どうしても言いたくなってさ」
田中 渚「けど、オレ、本気だから。 奈子のこと」
田中 渚「・・・んじゃ、この話は、終わり! 帰ろうぜ」
山本 奈子「うん・・・」
〇住宅街
山本 奈子「へー、これ、渚が作ったの?」
田中 渚「まだ作ってる途中だけどな」
山本 奈子「ペンギン?」
田中 渚「ペンギン!」
渚は、パソコンプログラムが趣味で
ちょっとしたゲームアプリを作っている
田中 渚「もうちょっとペンギン増やして 動きも付けてさー」
山本 奈子(渚の話聞くの、楽しいんだよね)
田中 渚「奈子は、相変わらず本?」
山本 奈子「う、うん。 学校の人とね、貸し借りしてる」
田中 渚「へー。オレでも読めそうなのある?」
山本 奈子「んー。この間読んだミステリーとか 渚でも楽しめるかも?」
山本 奈子(昔から知ってるし、 なんでも気楽に話せて、楽しくて)
山本 奈子(けど、彼氏・・・ 付き合う・・・)
田中 渚「なんだよ?」
山本 奈子「う、ううん、渚は変わってないなーって」
田中 渚「奈子も、変わってねーじゃん」
山本 奈子(渚のことは普通に好きだけど、 彼氏になんて、考えたこと、ないし・・・)
山本 奈子(これまでどおりじゃ、 ダメなのかなあ・・・)
渚くんの告白とキュンキュンする奈子ちゃん、二人を見ていると、可愛い〜とニコニコしてしまいました!!
これから、どうなっていくのか楽しみです!