第二十一話『瀬田彩人Ⅱ』(脚本)
〇おしゃれなリビングダイニング
瀬田彩名の兄と母親が、どれくらい事件に関わっていたのか。それを調べるために、彩名の様子を鏡で確認していた冴子だったが。
奥田冴子「どうやら、天は私に味方しているようね」
『アヤトお兄ちゃん。ね、いいでしょー?』
『そうだな、可愛い妹のことは、兄貴が守ってやらないとな!』
アヤト。
瀬田彩名の名前からして、アヤ=彩だろう。
だとすれば名前の漢字は、瀬田彩斗か、彩人か、彩翔のあたりか。
奥田冴子(そこまで絞れてれば大丈夫でしょう。・・・・・・試してあげるわ)
自分をこの男が殺しに来るというのなら。
まずはこいつから、始末してやるまでのことだ。
奥田冴子(死ねばいいわ。大好きな妹の目の前でね!)
〇モヤモヤ
第二十一話
『瀬田彩人Ⅱ』
〇公園の砂場
彩人も、人を殺すまでのことはやったことがない。その一歩手前、瀕死の重傷まで相手を追い込んだことはあるが。
だが、そもそも倫理観なんてものはどこかに置き忘れてきたような人間だという自負がある。
可愛い妹のためなら、ババア一人殺すくらいなんだというのだろう?
瀬田彩人「マジで殺すとなると、結構面倒なことにはなるんだよな。死体の始末とか」
瀬田彩人「あと、流石に殺人罪でムショ入りはタルいなあ。一人ぶっ殺したくらいじゃ、死刑にはならないだろうけど」
瀬田彩名「それなら、半殺しでもいいわ。ようは、私に何かしようって気にならなくなればいいし」
瀬田彩名「再起不能で一生ベッドから起き上がれなくなれば、私を殺すことだってできなくなるでしょ。多分だけど」
瀬田彩人「おう、そうかそうか。じゃあ心を折るようなことやってやればいいか?顔と潰すとかレイプするとかかあ?」
瀬田彩名「お兄ちゃんのお友達に、そういうの得意な人いっぱいいるんでしょ?奥田奏音にやったみたいにさ」
瀬田彩人「でもなあ。あいつらロリコンとショタコンばっかだから、おばさんに食指が動くかねえ・・・・・・」
そんな会話をしていた、まさにその時だった。
『子供を自殺に追いやっただけでは飽き足らず、まだ人を殺す相談か』
瀬田彩人「んあ!?」
彩人の頭に響き渡ったのは、ノイズがかった女の声だった。
瀬田彩人「だ、誰だ誰だ!?何処にいやがる!?」
瀬田彩名「彩人お兄ちゃん?」
瀬田彩人「彩名、お前には聞こえないのか?」
不思議そうに首を傾げている彩名。どうやら、妹にはこの声は聞こえてないらしい。
瀬田彩人「頭の中に女の声が聞こえてくるんだ。まさか、マジで超能力なのか?お、おい!お前、奥田のガキの母親なのか?そうなのかあ!?」
呼びかけるも。声は応えない。
瀬田彩人「おい、返事しろよ!遠くからこそこそ狙って、ふざけてんじゃねえぞ!」
『・・・お前は、奥田奏音に何をした?奥田彩名が全ての黒幕なのか。そいつに命じられて、奥田奏音に酷いことをしたのか?』
瀬田彩人「ああ!?」
会話のキャッチボールができていない。苛々と眉を跳ね上げる彩人。
瀬田彩人「だったらなんだってんだ、ああ!?」
『仲間の変態たちに、暴力をふるわせたと。子供を相手に、良心が痛まなかったのか』
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これまでの復讐対象者には、自己保身や自己正当化(=自己の過ちを認識していても認めたくない)の様子が見られ、多少なりとも同情の余地がありましたが、彩人については全くのアレですね。。。考えうる限りの最悪の人物描写に脱帽ですw