高校教師・陽子

ヒロ

来たる2学期中間テスト(脚本)

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〇教室
  キーンコーンカーンコーン
佐藤陽子「はい、皆お疲れ様〜。今日の授業はここまでです」

〇散らかった職員室
  職員室に戻って、携帯電話を見ると案の定、俊からメッセージが届いていた。
  先生、今日も待ってるよ。
佐藤陽子「はぁ──。俊と連絡先交換しちゃったんだよな、私」
  行きます。
  とだけ返信する。

〇シックなリビング
  夏休み最後の夜。
梶原 明(俊の父)「先生、俊に連絡先を教えてやってもらえませんか?」
佐藤陽子「あ、はあ・・・」
梶原 明(俊の父)「もう私を介さなくても、家庭教師の日取りについては二人で決めてもらえれば・・・」

〇住宅街
佐藤陽子「まあ確かにお父さん経由より、俊に直接連絡の方がやりやすいっちゃやりやすいけど」
梶原俊(かじわらしゅん)「やあ先生。迎えに来たよ」
佐藤陽子「あら。迎えに来てくれてありがとう」
梶原俊(かじわらしゅん)「淋しかった?」
佐藤陽子「ううん、全然」
梶原俊(かじわらしゅん)「またまたぁ」
佐藤陽子「俊、気持ちはありがたいけど、あまり外で会わないようにしましょ。妙な噂を立てられると面倒だし」
梶原俊(かじわらしゅん)「妙な噂って?」
佐藤陽子「だから、そのぉ・・・アナタと私が付き合っているんじゃないか、とか」
梶原俊(かじわらしゅん)「いいじゃん。付き合っているって言えば」
梶原俊(かじわらしゅん)「いいじゃん。別にテストが終わったらハグする仲だし」
佐藤陽子「ちょ、ちょっと。点数が良かったら、でしょ。もう100点満点取れなかったらハグしません」
梶原俊(かじわらしゅん)「えー、先生80点って言ったじゃ・・・・・・」
佐藤陽子「はいはい、家着いたわよ。勉強、勉強!」

〇シックなリビング
佐藤陽子「さぁ、今日はこの辺にしときますか。よく頑張ったわね、俊」
梶原俊(かじわらしゅん)「ホント、偉いな、俺」
佐藤陽子「はいはい。偉い偉い」
梶原俊(かじわらしゅん)「それにしても先生と連絡先交換出来て良かったなぁ。オヤジのおかげだよ、嫌いだけど」
佐藤陽子「お父さんのこと嫌い?」
梶原俊(かじわらしゅん)「大嫌いだね、アイツ」
梶原俊(かじわらしゅん)「母さんが海外に行っているからって、会社の女と好き勝手しやがって」
佐藤陽子「え、俊のお母さんいらっしゃるの?」
梶原俊(かじわらしゅん)「うん、今海外出張中」
佐藤陽子「そう。淋しいね・・・」
梶原俊(かじわらしゅん)「ううん、先生がいればいいや」
梶原俊(かじわらしゅん)「それに母さんとはちょくちょく連絡取ってるんだよね」
佐藤陽子「私、アナタのお母さんに挨拶しなくて大丈夫かしら?」
梶原俊(かじわらしゅん)「ああ、母さんね。先生のこと知ってるよ。俺が色々と喋っているから。先生と付き合っているって言ったら驚いてたけど」
佐藤陽子「ちょっと。変なこと言わないで」
梶原俊(かじわらしゅん)「ハハハ。冗談だよ冗談。そうやってムキになるところかわいいよ、先生!」
佐藤陽子「んもう。帰ります!」
梶原俊(かじわらしゅん)「先生、明日も待っているよ」
佐藤陽子「知〜らない」
  翌日も・・・・・・
  結局来てしまう。
  そして遂に数学の中間テスト前夜
佐藤陽子「よ〜し。お疲れ」
梶原俊(かじわらしゅん)「お疲れっす。先生ありがとう」
佐藤陽子「いよいよ明日だねー。楽しみだね」
梶原俊(かじわらしゅん)「ウッス。ご期待に応えて、先生をハグ出来るように頑張る所存でございます」
佐藤陽子「・・・・・・」
佐藤陽子「うん、ギュッと抱きしめてね・・・・・・ってバカ!」

〇教室
佐藤陽子「はい、では皆さん。試験を開始して下さい」
  運命を決する試験が始まった。
  俊頑張りなさい。私を抱きしめたいんでしょ。

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