揺れ動く感情 3(脚本)
〇取調室
???「初めまして柳井幸助と言います」
???「初めまして斉川陸人です」
陸人「はい・・・」
俺はその言葉に重たい口調で返事を返す。
柳井「あなたと茜さんはご結婚されていたんですよね?」
柳井さんが確認をするようにそう聞いてくる。
陸人「はいそうです・・・」
俺は覇気のない口調でそう言葉を返す。
柳井「失礼ながらここ最近茜さんとなんかうまくいってないなーって思うこととかなかったですか?」
陸人「待ってください俺が茜を殺したんじゃないかって疑ってるんですか!」
陸人「何で俺がそんな事しなくちゃいけないんですか!」
陸人「だいたい誰がそんなことを言ったんですか!」
陸人「どこの誰が・・・」
気がつけば俺は椅子から立ち上がりそんな怒鳴り声を上げていた。
柳井「ちょっと落ち着いて落ち着いて誰もまだあなたが犯人だとは言っていませんよ」
柳井さんは俺を宥めるようにそう言って肩を優しくつかみ椅子に座らせる。
柳井「まだ結果が出ていないので何とも言えませんが、」
柳井「あなたの奥さんの死亡推定時刻が分かればそこからある程度犯人をもしかしたら見つけられるかもしれません」
陸人「本当ですか!」
柳井「ええ、これはあくまで可能性の話ですが少なからず犯人を探す糸口にはなるかもしれません」
柳井「なので斉川さんここで諦めず一緒に犯人を見つけ逮捕しましょう」
柳井「とりあえずあなたが茜さんの遺体を見た時の状況を教えてください」
俺はそう言われてその時のことをなるべくわかりやすく伝えようとしたがなかなかうまく言葉が出てこない。
陸人「とにかく私が会社から家に帰ってきた時にはもうすでに胸にナイフが刺さっていてそこから大量の血が出ていたんです」
柳井「その時に不自然なものを目にしたりはしませんでしたか?」
当然といえば当然なのだろうが柳井さんは俺の少し焦った口調とは違って冷静な言葉で訪ねてくる。
陸人「不自然なものですか・・・」
そう言われて俺は頭の中の記憶を探る。
陸人「そういえばいつも家の鍵の戸締りをしっかりしているはずの茜が昨日に限って閉め忘れていたみたいで鍵が開いてましたね」
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