入れ替わりパーソナリティ~好きなあの子が恋してる相手は僕に恋してる!?

れこん

エピソード12(脚本)

入れ替わりパーソナリティ~好きなあの子が恋してる相手は僕に恋してる!?

れこん

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〇荒廃した市街地
  遡ること、時は第二次世界大戦末期

〇怪しい実験室
実験体「ウガアアっ──!!」
木村二等兵「ひ、ヒィィィ!!」
木村二等兵「うわああああ!! 来るなー!!」
実験体「──ウウ・・・」
木村二等兵「た、倒した・・・」
柊大尉「倒した──だと?」
柊大尉「たかが二等兵が放った拳銃の弾一発で死亡するとは・・・」
柊大尉「──これでは実験失敗ではないか!」
  当時若かったワシじゃ。
  第二次世界大戦中、ある計画を遂行するために日々実験を繰り返しておった。
柊大尉「くっ・・・、司令は戦局を打開する強力な生物兵器の開発を我々に要望している」
柊大尉「それに応える為になんとしてでも”人造人間製造計画”を成功させなければ・・・」
  人造人間製造計画。
  この計画は怪力で不死身の人造人間──フランケンシュタインの怪物を作る事じゃった
  そして、もしこの計画を成功させたあかつきには──
  最強の不死身の怪物軍団が出来上がって厳しい戦局を打開させる事ができるものじゃった
  しかしながら実験は何度も失敗しておって、ワシは随分と焦った。
木村二等兵(柊大尉には悪いけど実験が失敗しててホッとした)
木村二等兵(万が一成功したら俺が実験体に殺されるところだった)
木村二等兵(あ~あ、このまま実験が失敗し続けないかな)
木村二等兵「・・・あの人に相談しよう」

〇怪しい実験室
  月日は経過し、わしはついに念願の実験を成功さた。
柊大尉「くくく、数えきれない程の実験の結果──」
柊大尉「ついにありとあらゆる生物の身体を人間に取り付ける方法を開発したぞ!」
柊大尉「これで強力な人造人間の製造が可能だ!」
  実験体たちに動物の身体を移植することに成功。
  こうして実験体は動物の力を発揮する事ができ、強力な生物兵器へと変貌した。
柊大尉「これで帝国は戦争に勝利できる!」
???「なんなんじゃ!このおぞましい怪物どもは!」
伊良子中尉「いくら御国の為とはいえ非人道的じゃ! こんな事はやめろ!」
柊大尉「くっ・・・伊良子。(ま、マズイ)」
  伊良子正吉中尉。こやつは同じ部隊に所属しするワシの部下のじゃった。
  そして実は、ワシが人造人間の開発に成功した一番の理由はこの男が発見した『治癒細胞』を勝手に使ったからじゃ
  この『治癒細胞』がないと実験体は手術に耐えれないんじゃ。

〇怪しい実験室
「苦シイ・・・○シテ・・・○シテ」
伊良子中尉「くっ・・・可哀想に」
伊良子中尉(まさか、わしの発見したどんな怪我も治す『治癒細胞』がこんな形で悪用されるとは)
伊良子中尉(元々『治癒細胞』は戦場で傷ついた兵士を助けるために研究しとったんじゃ! それをこげなことに・・・許さん!)
伊良子中尉「今楽にしてやるけぇの!」
  アリ、ガトウ・・・
  脳を打ち抜き、実験体は機能を停止させた。
伊良子中尉「・・・すまん」
柊大尉「貴様! なんてことしてくれたんだ! せっかく実験が成功したのに!」
伊良子中尉「黙れ! 良くも俺の『治癒細胞』を勝手に使ったな。ただじゃおかんぞ!」
柊大尉「ええい煩い! 部下のものは上官である俺のものだ!」
柊大尉「邪魔をした貴様なんぞ、上官に対する反逆罪で軍法会議にしてやる!」

〇法廷
伊良子中尉「く・・・こんな事、間違っとる!」
  その後、伊良子正吉中尉は、『治癒細胞』発見の功績により、辛うじて死刑は免れた。しかし──
  部隊の移動を命じられて、激戦地へと派遣される事となった。

〇怪しい実験室
柊大尉「くそ! 誰がやつに実験の事を漏らしたんだ。おかげで実用化が大幅に遅れてしまったではないか!」
柊大尉「必ず探し出してそいつも実験体にしてやる!」
木村二等兵(やっべー! 俺が伊良子中尉にチクったのがバレたらマズイ)
柊大尉「な、なんだ!?」
  玉音放送。
  耐え難きを〜耐え──忍び難きを〜忍び──

〇豪華な社長室
柊院長「・・・くっ」
医者「・・・あ、あの?」
柊院長「・・・すまん。ついあの日の事を思い出しておった」
柊院長「終戦を迎えてしまって、ワシの開発した人造人間は闇に葬るほか無かった」
柊院長「けれどあの日、転機が訪れたんじゃ!」

〇海岸の岩場
父さん「爆発が起こったぞ!? 千陽、千陰、大丈夫か?」
母さん「あなた、あの子達は──」
父さん「く、来るな母さん──」

〇病院の廊下
柊院長「残念ですがお子さん二人は爆発により、身体の殆どがバラバラになっておりほぼ百パーセント助かりません」
父さん「そ、そんな・・・」
母さん「こんな事であの子達がいなくなるなんて嫌よ!」
柊院長「──ご両親。諦めるのはまだ早いですぞ。ほんの少しの可能性にかけて見ませんかな?」
柊院長「こちらの秘密事項にサインを頂けたら、お子さんを助けるための移植手術ができます」
母さん「あなた・・・」
父さん(くっ、背に腹は変えられない。この先生は怪しいが子供たちを助けるためなら──)
父さん(悪魔にでも魂をうってやる!)
父さん「お願い──します」

〇手術室
千陽(肉片)「・・・」
柊院長「おやおや、可哀想にのぉ。兄の方は妹を庇って即死しておる」
千蔭「・・・ぅ」
柊院長「妹も損傷は酷いがまだ辛うじて息があるのぉ」
柊院長「ならば妹の身体に兄の身体を移植して、足りない部分のパーツを補うとしようかのぉ」
  人造人間開発で培ったノウハウがあれば、バラバラになった人体を一つな纏めることなぞ──
  ワシとっては朝飯前のじゃった──。
柊院長「くくく、取り付け完了じゃ」
柊院長「あとは『治癒細胞』も移植して手術の回復を促すだけじゃ」
柊院長「思えば、意外に人間同士はやったことがないのぉ」
柊院長「どういう結果が出るのか楽しみじゃわい。アヒャヒャヒャ!!」

〇病室
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「お兄ちゃん・・・」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「ごめんなさい・・・」
  子供の頃のアレ(移植手術)以来、私の身体のほぼ半分はお兄ちゃんの身体で賄われてる。
  こうして無事一命は取り留めたけど、手術の”副作用”で、お兄ちゃんの細胞から”記憶”や”人格”が伝わり、
  私は人格が入れ替わる体質を得た。
  けれどその結果、知らなかった家族の秘密を知ったり、あの日の出来事の記憶がフラッシュバックして蘇る。
千陽「熱い! 痛い! 身体が千切れる!! 千陰、千陰えええ!!」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「あぁ・・・身体からお兄ちゃんが感じた痛みや感情が流れてくる」
  この毎晩来る苦しみから開放される為に夜に起きて何度も街に出掛けた。
  その度に家族(本物じゃない)と喧嘩して、益々自分が嫌になった。
来栖武司(くるす たけし)「千陰・・・」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「そうだ・・・来栖武司」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「とんでもない男子だけど、彼なら私をなんとかしてくれるかも・・・」
  不思議とそんな風に思えるオーラが武司にはあった。
藤堂千陰(とうどう ちかげ)(あいつって、なんであんなに眩しんだろ・・・)
  ずるいぞ、千陰・・・
千陽(肉片)「・・・ずるい。お前のせいで僕はこんな風になったのに」
千陽(肉片)「一人だけ幸せになるつもりなのか?」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「あっ・・・」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「私は幸せにはなれない。犯した罪が大きすぎる」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「わかってるよお兄ちゃん。だからもう・・・」
藤堂千陰(とうどう ちかげ)「お兄ちゃんにこの身体をあげるわ──」
  続く。

コメント

  • うわああ嗚呼!
    千陽と千蔭は、悪魔的合成人間(表現間違えてたらスミマセン)だったのか〜!
    しかも実は、ベースは千蔭?中身も女の身体なのかな?(ツギハギだから、どちらでもない?)だとしたら、武チャンにもチャンス有りかもですよね?

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