サイのツノメイドは仕えない

サイノツノメイド(脚本)

サイのツノメイドは仕えない

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〇暖炉のある小屋
  昔むかし
  あるところに
  犀の角が生えた
  メイドがいました
  彼女はメイドの家系に
  生まれたので
  メイドになるべきと
  親に言われ続けました
サイノツノメイド「しかたなくメイドになったけど 絶対わたしに向いてない」
サイノツノメイド「やめていい?」
サイノツノメイド「旅に出ようかな」

〇美しい草原
サイノツノメイド「メイドやめてきた」
サイノツノメイド「晴れて自由の身だ どこに行こう」
サイノツノメイド「自由すぎると逆に戸惑ってしまう 不自由に慣れすぎてるのかしら」
サイノツノメイド「自由ってなに」
サイノツノメイド「犀の角のようにただ独り歩め」
サイノツノメイド「・・・・・・この歩まねばならない感じ、 歩まされてる感じが嫌」
サイノツノメイド「なんですぐ退屈になるのかしら」
サイノツノメイド「どこにも行きたくない めんどうだわ」

〇木の上
サイノツノメイド「もういいや 樹の下で寝よう」
サイノツノメイド「おやすみ 寝てる間に 悟り開けないかな」

〇木の上
サイノツノメイド「・・・よく寝た」
サイノツノメイド「神秘的な夢も見なかったし 悟りも開けなかった がっかり」
サイノツノメイド「樹の下で寝るんじゃなくて ブッダみたいに樹の下で 座って瞑想しないと 悟れないのだろうか?」
サイノツノメイド「ポーズも場所も 関係ない気もするけど・・・」
サイノツノメイド「うーん・・・」

〇木の上
サイノツノメイド「あんまり答えを急ぐのも ストレスになるかも」
サイノツノメイド「やーめた」
サイノツノメイド「天気がいいから 海にでも行こう」
サイノツノメイド「ケセラセラ さようなら 私の樹」

〇海辺
サイノツノメイド「みてみて この貝の裏 きらきらしてる」
サイノツノメイド「自分で自分に見せてるの」
サイノツノメイド「一人でビーチコーミングするのも たのしいよ」
サイノツノメイド「きれいなシーグラスがあったら 教えて アクセサリーを作るから」
サイノツノメイド「これも自分で自分に 言ってるの」
サイノツノメイド「人と関わりたくなくても 自分は常に 一緒にいてくれるからね」

〇海辺
サイノツノメイド「飽きた どこに行こう」
サイノツノメイド「次は山にしようかな」
サイノツノメイド「ケセラセラ さようなら 海のともだち」

コメント

  • 仕えることが向いてないなら経営者になるのはどうでしょう。冥土喫茶「犀の河原」を開店してほしい。店内BGMはもちろん「ケセラセラ」で。そんな喫茶店があったら常連客になりたいなあ。

  • 私も暇になると何しようとなってしまいます。
    自由ってとても魅力的に感じますが、目的がないと結構辛いのでは無いでしょうか。仕事も与えられる方が楽ですしね。

  • ケセラセラ…悩んでもしょうがないことにぐったりしている今日。このお話を見つけました。飽きたから、別の場所へ…と言えたら楽なんですよね

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