最終話 約束(脚本)
〇洋館の廊下
黒沼 晶「この洋館広すぎだろ・・・!!」
黒沼 晶「よし、誰も見てないな。 しばらくサボ──」
渋屋 杏「こら、そうやってすぐサボろうとするんじゃないわよ!」
黒沼 晶「いてーな! ってか、何日掃除してると思ってんだよ!」
黒沼 晶「ここに来て一週間だぞ!? まだ終わらないってどういうことだよ!」
渋屋 杏「まぁ確かに・・・ 三人で生活するにはちょっと広すぎるわよね・・・」
黒沼 晶「ちょっとキッチンに行って飲み物飲もーぜ。 流石に疲れた・・・」
渋屋 杏「もう、今回だけね。 いいわよ、行きましょうか」
〇大広間
日谷 紗枝「昔から・・・ここは変わりませんね、姉さん」
日谷 紗枝「・・・できることなら、姉さんと一緒に帰ってきたいと思っていました」
日谷 紗枝「・・・寂しい、です」
日谷 紗枝「叶うならば、また戻ってきて欲しい・・・」
日谷 紗枝「・・・」
渋屋 杏「前紗英枝さんに頼んだソーダ、あるかしら!!」
黒沼 晶「いやー、重労働の後はやっぱりソーダだよな!」
日谷 紗枝「・・・黒沼さん、渋屋さん、ここで何を?」
渋屋 杏「あ、紗枝さん!?」
黒沼 晶「あ、いやこれはちょっと違って、サボってるとかじゃ・・・」
「ご、ごめんなさい〜!!!」
日谷 紗枝「ふふっ、いいですよ。 今日だけ特別ですからね」
日谷 紗枝「今回のサボりは見逃します」
「やったーー!!」
日谷 紗枝「お二人が楽しそうでよかった」
日谷 紗枝「もしかしたら私も、彼らの元気さに救われているのかも」
日谷 紗枝「姉さん、私・・・姉さんの思いを胸に、これからも生き続けます」
日谷 紗枝「・・・そういえば」
日谷 紗枝「渋屋さんはともかく、黒沼さん二十歳超えてましたよね・・・?」
日谷 紗枝「それにしてはあまりにも子どもっぽい・・・」
日谷 紗枝「い、いえ。 深く考えないようにしましょう、ええ」
〇結婚式場のテラス
黒沼 晶「あーーー、最高だな!!」
渋屋 杏「ふふん。いいでしょ、この場所」
黒沼 晶「ああ。風通しも良くて、夏はもっと居心地が良さそうだ」
渋屋 杏「そ、そうね・・・流石に今はちょっと寒いわね」
黒沼 晶「・・・なんだか、今でも現実って感じがしねーな」
渋屋 杏「どういうこと?」
黒沼 晶「こんなに幸せで平和な日が来るなんて、思ってなかったんだよ」
黒沼 晶「正直、俺はギャラジーを滅ぼす前に死ぬもんだと思ってた」
黒沼 晶「まさか生きてるうちに、しかも自分の手でギャラジーを倒すことができるなんてな」
渋屋 杏「・・・そうね、私も不安なことばかりだった」
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