青春は朱夏の踏み台

敵当人間

香水(脚本)

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〇商業ビル
九鼎 好恵(近くに来ただけで分かる、 圧倒的な香り・・・)
九鼎 好恵(今回の企画、気に入ってくれると良いなぁ)

〇おしゃれな受付
九鼎 好恵「お世話になっております」
九鼎 好恵「●●広告代理店の九鼎です」
受付嬢「九鼎様、ようこそお越しくださいました」
受付嬢「本日11時より箕曽眞との打ち合わせでお間違えないでしょうか?」
九鼎 好恵「はい」
受付嬢「当方の会議室へとご案内いたします」
受付嬢「こちらへどうぞ」

〇綺麗な会議室
受付嬢「こちらで少々お待ちください」
九鼎 好恵「ありがとうございます」
受付嬢「お茶をお持ちいたしますね」
九鼎 好恵(何もない部屋なのに良い匂い・・・)
九鼎 好恵(高級そうなのに嫌味がない・・・)
受付嬢「お待たせいたしました」
九鼎 好恵「お心遣い、ありがとうございます」
受付嬢「宜しければ、当店のパンフレットを お読みになってお待ちくださいね」
九鼎 好恵「ありがとうございます」
受付嬢「では、失礼いたします」
九鼎 好恵(えぇっ!? パリでわざわざ撮影してる!!)
九鼎 好恵(やっぱり、大手は違うなぁ・・・)
クライアント「あら?」
九鼎 好恵「箕曽眞さん、お世話になっております」
クライアント「付けてるのはCHANEL? それともパチモノ?」
九鼎 好恵「し・・・シャネルです・・・」
クライアント「やっぱりそうなのぉ〜!」
九鼎 好恵「は、はい」
九鼎 好恵(出来る女性に吟味されるのはきついな)
九鼎 好恵「では、早速ですが、今回の企画内容と いたしまして・・・」
クライアント「必要ないわ」
九鼎 好恵「何か不備がありましたでしょうか?」
クライアント「まさか!」
クライアント「キュウちゃんとの企画って失敗したこと ないじゃない」
クライアント「”そこ”は信用してるのよ?」
九鼎 好恵「ありがとうございます」
クライアント「問題は・・・」
クライアント「その化粧!!」
九鼎 好恵「や、ヤバいですか?」
クライアント「もーヤバいってもんじゃないわよ!」
クライアント「キュウちゃん」
九鼎 好恵「はい!!」
クライアント「もしも私が突然席を立って 貴方にキスをしたらどうする?」
九鼎 好恵「キ・・・キス、ですか?」
クライアント「そうよ」
クライアント「長年の付き合いがある顧客・・・」
クライアント「そして、大金を使うやり取りをする相手」
クライアント「たかが”キス”ごときで契約を破棄して良い 相手じゃないわよね?」
九鼎 好恵「う・・・まぁ、そうですね・・・」
クライアント「じゃあ次は、胸を触って来たら?」
九鼎 好恵「・・・」
クライアント「髪の毛を左に流して、貴方の右のうなじに キスをしたら?」
九鼎 好恵「・・・」
クライアント「あるいは後ろから内腿の間に手を入れて 少しずつ大事な所に近づいて来たら・・・」
九鼎 好恵「箕曽眞さん!!」
九鼎 好恵「冗談ですよね・・・?」
クライアント「冗談なんかじゃないわ」
クライアント「同じ女として、私が成り上がる為に 男達からされた事よ」
クライアント「キュウちゃん」
クライアント「貴方の化粧には覚悟って物が足りない」
クライアント「セクハラをされる覚悟・・・ パワハラを受ける覚悟・・・」
九鼎 好恵「ハラスメントに対して、覚悟ですか?」
クライアント「キュウちゃん、その化粧・・・ 男にしてもらったんじゃないかしら?」
九鼎 好恵「そ、そうです・・・」
クライアント「しかも、貴方を抱いた事がある男ね・・・」
九鼎 好恵「な、なんで分かるんですか?」
クライアント「貴方を美しく・・・特に性的な意味での 魅せ方を知っているわ・・・」
クライアント「そういうメイクよ」
九鼎 好恵「せ、性的・・・」
クライアント「最近の若い子ってね、自分を美しくみせたい じゃない?」
クライアント「だから、メイクでとにかく美しさを 演出するの」
クライアント「それで相手がムラムラして、声をかけたら それはセクハラですって怒るの」
九鼎 好恵「なるほど・・・」
クライアント「あるいは美しさに嫉妬した上司に仕事を 押し付けられたら怒るの」
九鼎 好恵「・・・」
クライアント「もちろん、ハラスメントっていうのは 誉められた行為じゃないわ」
クライアント「なくなれば良い方が良いのは事実・・・」
クライアント「でも、貴方のその化粧や態度が、 ハラスメントを助長している可能性は」
クライアント「ないかしら?ってことなの」
クライアント「特にCHANELなんて、職場に付けてくる リップではないしね」
九鼎 好恵「そ、その通り過ぎて・・・ ぐぅの音も出ません・・・」
クライアント「キュウちゃん・・・ 同じ女として最高のアドバイスをするわ」
九鼎 好恵「はい・・・」
クライアント「”私に近付くと損するわよ?”」
クライアント「そう相手に思わせる事が、 ハラスメントから逃げるコツよ・・・」
九鼎 好恵「・・・」

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コメント

  • 嗅覚に訴えかけるんですね。
    カッコいい調香師の女性がくれた香水、どんな香りなのかなぁと想像しています。
    毎回、なにかと勉強になります!✨
    ありがとうございます😊

  • 勉強になる内容でした!面白いです!☺️
    『香り』は武器にもなるし、鎧にもなるし、毒にもなる……。🐶等も縄張り主張する為に使う手ですし、原始的な生存戦略の延長なのかなぁ、と感じました🙏
    自分も今後加齢臭出てきたら武器になっちゃうのかなと思いました。代謝落とさない様に頑張ろうと思います🤤

  • クライアント先の女性はキュウの事を恋愛的な意味で好きなんですかね
    心の内にその想いを秘めつつも、でも完全には諦めきれずにいる様子がラストのシーンから感じられて、切なく思いました

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