【没案】クリフハンガーより愛を込めて(脚本)
〇黒
※この話は続編の没案です。
かなり特殊な設定となっております。
※「糠星に聖なる願いを」は前話で完結しております。
こういう雰囲気の続編を作る可能性もあった、というお話です。
〇荒れた倉庫
???「ユーゴ! やっと、やっとか!」
アスタリスクとは別の異世界に、その少年はいた。
暗い部屋の中で破れたソファに座り、細く白い脚を組んでいる。
???「僕にもあの世界の映像がはっきりと見えた! ユーゴの影響力がアレに拮抗しつつあるようだ!」
少年は目を閉じて、瞼の裏にアスタリスクの、いや、見藤祐護を中心とした映像を浮かべていた。
???「ユーゴの精神に影響された流星群。やっぱり綺麗だ・・・・・・。 ・・・・・・っと、またこのガキか」
???「今世でも僕の邪魔をするんだな」
少年が舌打ちをして、目を開く。
???「ユーゴの自覚を待つべきか。 ・・・・・・いや、これ以上アレとあのガキにユーゴを好きにさせるわけにはいかない」
???「無理矢理にこじ開けてでも、今、行こう」
〇荒れた倉庫
少年は立ち上がり、右手を前にかざした。
空間が切り裂かれ、そこから赤い光が溢れる。
???「ユーゴ。かわいそうな来世の恋人」
???「僕は今世でも会いに行くよ」
赤い光に吸い込まれ、その異世界から少年の存在が消え去った。