家出少女と入れ替わり

oriha

第6話 和馬と咲希(脚本)

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〇立派な洋館
  ──翌日──
紫苑「本当にお一人で大丈夫ですか、お嬢様?」
咲希(和馬)「うん。 あちこち見て考え事してれば、何か思い出すかもしれないし・・・」
紫苑「ですが・・・」
咲希(和馬)「大丈夫」
咲希(和馬)「もう勝手にいなくなったりしないよ」
咲希(和馬)「紫苑さんとの約束があるからね!」
紫苑「お嬢様・・・」
紫苑「お気をつけて、いってらっしゃいませ」
咲希(和馬)「うん、行ってきます」

〇総合病院
咲希(和馬)「まずはここだな・・・」

〇病院の待合室
看護師「あら、咲希ちゃんじゃない。 どうしたの?」
咲希(和馬)「昨日の看護師さん!」
咲希(和馬)「その節はありがとうございました」
看護師「いいのよ」
看護師「それで今日は? 次の検診はまだ先だったと思うけど・・・?」
咲希(和馬)「はい、実はちょっとお尋ねしたいことが・・・」

〇総合病院
咲希(和馬)「ありがとうございました」
看護師「えぇ、またね、咲希ちゃん」
  看護師さんの話によると・・・
  あのバス事故で入院していた患者は、1人を除き全員退院しているらしい。
  運転手の男性だけは今も意識不明だそうだが、それ以外の乗客は俺のように記憶に障害があった人もいたが、
  目立った外傷は無く、各々自宅療養になったらしい。
  そして『斉藤和馬』も、今日退院して自宅に戻ったという。
咲希(和馬)「・・・行ってみるか・・・」

〇二階建てアパート
咲希(和馬)「俺の、アパート・・・」
  俺は覚悟を決めて、インターホンを押す。
咲希(和馬)「・・・・・・」
咲希(和馬)「・・・いないのかな」
  改めようとしたその時。
和馬(咲希)「やっぱり来たね、私」
咲希(和馬)「お、俺・・・」
和馬(咲希)「・・・取り敢えず入って」
咲希(和馬)「お、おう・・・」

〇整頓された部屋
和馬(咲希)「えっと・・・ 斉藤和馬さん・・・だよね?」
咲希(和馬)「あ、あぁ・・・。 そういう君は・・・」
和馬(咲希)「うん、園崎咲希」
和馬(咲希)「まさか、本当に身体が入れ替わってるとはね・・・」
咲希(和馬)「ごめん・・・。 本当はもっと早く君に連絡を取るべきだったんだけど・・・」
和馬(咲希)「ううん。 あの事故で携帯は壊れちゃったし、直接会うにしても周りがね・・・」
和馬(咲希)「・・・紫苑、すごく心配してたでしょ」
咲希(和馬)「それは、もう」
和馬(咲希)「・・・紫苑には悪い事しちゃったな」
咲希(和馬)「・・・家出のことか?」
和馬(咲希)「・・・聞いたんだね」
咲希(和馬)「・・・ごめん」
和馬(咲希)「ううん。 こうなっちゃった以上、すぐにわかることだもん」
和馬(咲希)「・・・ねぇ、斉藤さん」
和馬(咲希)「私達、これからどうしたらいいのかな・・・?」
和馬(咲希)「私はあの家にいたくなかっただけなのに・・・」
和馬(咲希)「どうして、こんなことに・・・」
咲希(和馬)「・・・・・・」
咲希(和馬)「・・・とにかく、元に戻る方法が分からない以上、お互いのフリをして生活するしかない」
和馬(咲希)「そう・・・だよね・・・」
咲希(和馬)「大丈夫」
咲希(和馬)「元の身体に戻った時に自分で将来を選べるよう、君の生活は俺が必ず守るよ」
和馬(咲希)「斉藤さん・・・」
和馬(咲希)「・・・斉藤さんって、いい人なんだね」
咲希(和馬)「な、なんだよ、急に・・・」
和馬(咲希)「だって、斉藤さんだって自分の人生があるはずなのに、ここに来てから私のことしか話してないもん」
咲希(和馬)「俺みたいなおじさんの人生より、君みたいな若くて将来のある子の人生の方が大事だ!」
和馬(咲希)「おじさんって・・・」
和馬(咲希)「今は私がそのおじさんなんだけど?」
咲希(和馬)「あっ、いや、それは・・・」
和馬(咲希)「・・・あははっ!」
和馬(咲希)「やっぱり斉藤さんってお人好しだ」
和馬(咲希)「私も、そんなお人好しの斉藤さんの身体が悪い女に引っかからないよう、斉藤さんの人生を守るからね」
咲希(和馬)「こら。 女子高生が大人をからかうんじゃない」
和馬(咲希)「ごめんなさーい」
和馬(咲希)「それよりほら、もっと教えてよ、斉藤さんのこと!」
咲希(和馬)「まったく・・・」

〇整頓された部屋
  俺達はいろんなことを話し合った。
  家族のこと、仕事のこと、学校のこと・・・。
  お互いとして生活するのに必要な情報は大体共有した。
咲希(和馬)「・・・さて」
咲希(和馬)「そろそろ戻らないと、紫苑さんがまた心配するな」
和馬(咲希)「そうだね」
咲希(和馬)「・・・なぁ、お前とお母さんのこと・・・」
和馬(咲希)「・・・ごめんね」

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