第4話 和葉と双葉(脚本)
〇綺麗なダイニング
──翌日──
双葉「ただいまー!!」
騒がしい音と共に、双葉が合宿から帰って来た。
和葉(健)「お・・・おかえり・・・」
双葉「いやー、楽しい合宿だったよー」
双葉「私、お腹すいちゃった。 今日の晩御飯なに?」
双葉「わー、肉じゃがだー! 私、お母さんの肉じゃが大好きなんだよねー♪」
双葉の怒涛のトークに、俺はたじろぐ。
和葉(健)「さ、先に荷物を片付けてきちゃいなさい・・・!」
双葉「はーい♪」
和葉(健)「・・・はぁ・・・」
和葉(健)「この調子なら、なんとか誤魔化せるかな・・・?」
そんなことを呟いた矢先。
和葉(健)「・・・っ!!!」
和葉(健)「お、おいっ双葉!! なんて格好してるんだよっ!!」
双葉「お腹も空いたけど、先にお風呂入ろうと思ってさー」
双葉「いいじゃん、お父さんもいないんだし」
双葉「というか、お母さん、今なんか喋り方変じゃなかった?」
和葉(健)「そ、そんなことねぇ・・・ないわよ?」
双葉「ふーん。 ま、いいや」
双葉「じゃあ、私、お風呂入ってくるねー♪」
和葉(健)「・・・ったく、双葉のやつ・・・。 なんて無防備なんだ・・・」
和葉(健)(まだ、心臓がドキドキしてる・・・)
俺は自分の胸を触りかけたが、今は和葉さんの身体だということを思い出し、慌てて手を引っ込めた。
本来なら、母親が娘に欲情することなどあり得ない。
だが、今この身体を動かしているのは、健全な男子高校生の精神。
『片山健』としての男の精神が、和葉さんの肉体を興奮させてしまっていたのだった。
和葉(健)「落ち着け、俺・・・」
和葉(健)「俺は今、あいつの母親なんだ・・・」
あえて口に出して自分自身に言い聞かせる。
和葉さんの声で言い聞かせることで、自分の立場を再確認することができた。
和葉(健)「・・・よし」
落ち着きを取り戻した俺だったが・・・。
風呂上がりの双葉にまたドキドキしてしまったのは、別のお話・・・。
〇綺麗なダイニング
──翌朝──
双葉と朝食をとっていると。
和葉(健)「?」
和葉(健)「は、はーい」
〇シックな玄関
健(和葉)「おはようございます」
和葉(健)「!!」
和葉(健)「か、和葉さ・・・」
健(和葉)「おはようございます、『和葉さん』?」
和葉(健)「お、おはよう」
和葉(健)「・・・『健くん』」
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