ファンタスティック女子高校生

ウゴ鈴木

エピソード5 悪魔カルカンのミッション(脚本)

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ウゴ鈴木

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〇テレビスタジオ
  前回までの
  ファンタスティック──
ノストラダムス君「今回、紹介する商品はコイツ・・・」
ノストラダムス君「“誰でも簡単に魔法を発動できる”アイテム、その名も・・・」
ノストラダムス君「“マジックウォッチ”!!」

〇黒

〇シックなリビング
珠美(たまみ)「ドーンドーンうるさい・・・」
珠美(たまみ)「だが買う・・・!」

〇秘密のアジト
  タマちゃんから“マジックウォッチ”を譲り受けた優子は、超エキサイティング!
優子(ゆうこ)「マジックウォッチ楽しい〜」
綾(あや)「地獄の方がマシだー!」

〇建物の裏手
  その様子を目撃するカルカン
  (現在、犬の姿)
モカ(悪魔カルカン憑依中)「あんなチートアイテム使われたら、ワシひとたまりもねーぞ!」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「隙を見て・・・」
  奪わなければ!
  カルカンによる
  “マジックウォッチ”奪取作戦が
  今、始まる!

〇秘密のアジト
優子(ゆうこ)「武器も用意したし、そろそろ魔界へと出発しない?」
珠美(たまみ)「そうだね・・・」
モカ(悪魔カルカン憑依中)(ダメ━━━ッ!)
モカ(悪魔カルカン憑依中)「ワンワン!」
珠美(たまみ)「何、吠えてるのモカ・・・」
珠美(たまみ)「もしかして散歩、行きたい・・・?」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「ワン!」
優子(ゆうこ)「そうみたいだね」
優子(ゆうこ)「どうする? しばらくの間、こっちに戻って来られないかもしれないし・・・」
珠美(たまみ)「モカにストレス溜まっちゃうか・・・」
珠美(たまみ)「よし・・・! 散歩行くよ、モカ・・・」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「ワン!」
モカ(悪魔カルカン憑依中)(ククク、時間稼ぎに成功だ・・・)
モカ(悪魔カルカン憑依中)(マジックウォッチ、絶対に奪ってやる!)

〇けもの道
珠美(たまみ)「エッホ、エッホ・・・」
優子(ゆうこ)「ヘリで来たから気づかなかったけど、ずいぶんと山の中に住んでるんだねー」

〇洞窟の入口(看板無し)
珠美(たまみ)「エッホ、エッホ・・・」
優子(ゆうこ)「エッ、洞窟通るの? 怖いな〜・・・」

〇らせん階段
珠美(たまみ)「エッホ、エッホ・・・」
優子(ゆうこ)「らせん階段、目が回る〜・・・」

〇岩穴の出口
「ハア、ハア・・・」

〇郊外の道路
優子(ゆうこ)「かれこれ1時間、やっと見慣れた景色の場所に出られた・・・」
優子(ゆうこ)「タマちゃん、いつもこんな道を通ってるの?」
珠美(たまみ)「まあね・・・」
珠美(たまみ)「モカ・・・! 遅れてるよ・・・」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「ハヒィ・・・ハヒィ・・・」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「・・・・・・」

〇不気味
  しんどすぎるだろーッ!
  遅いだって? こっちは慣れない四足歩行で山道、歩かされてんだぞ
  ヤバい・・・
  意識がもうろうとしてきた・・・
モカ(悪魔カルカン憑依中)「み・・・水・・・・・・」

〇郊外の道路
優子(ゆうこ)「そうだね、わたしも喉がカラカラだよ」
優子(ゆうこ)「あれ? 今の声・・・」
優子(ゆうこ)「タマちゃんとは別人の声だったけど、誰の声?」
珠美(たまみ)「他に誰もいないけど・・・ 気のせいじゃない・・・?」
優子(ゆうこ)「そっか・・・」
モカ(悪魔カルカン憑依中)(っぶねー・・・)
優子(ゆうこ)「ちょうどお昼時だし、コンビニ寄って公園で休憩しない?」
珠美(たまみ)「いいよ・・・」

〇公園のベンチ
優子(ゆうこ)「おいしかった〜」
珠美(たまみ)「ごちそうさまでした・・・」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「モグモグ・・・」
モカ(悪魔カルカン憑依中)(ウ・・・ウマいじゃないか、この・・・)
モカ(悪魔カルカン憑依中)(“ドッグフード”とやら!)

〇空

〇公園のベンチ
優子(ゆうこ)「ポカポカと気持ちいいね〜 眠くなってきたよ・・・」
珠美(たまみ)「お昼寝日和・・・だね・・・」
モカ(悪魔カルカン憑依中)(寝た・・・のか? ちびっ子、目が開いてるけど・・・)
  ※タマちゃんは寝ている間も、目が開くタイプ
モカ(悪魔カルカン憑依中)(疲れたし、ワシも寝るかな・・・)
モカ(悪魔カルカン憑依中)(って寝てる場合じゃねーッ!)

〇モヤモヤ
  マジックウォッチを奪うチャンスじゃねーか!
モカ(悪魔カルカン憑依中)(起こさないように、 そーっと、そ━━っと・・・)
  やった・・・! 外せた!
モカ(悪魔カルカン憑依中)(あとは穴を掘って、埋めて隠してしまえば・・・)
  ミッション、コンプリート!

〇木の上

〇公園のベンチ
優子(ゆうこ)「ふあ〜、よく寝た・・・」
優子(ゆうこ)「この寝起きの気だるさも、気持ちいいね」
優子(ゆうこ)「そろそろ帰る?」
珠美(たまみ)「うん・・・」

〇オフィスビル前の道
優子(ゆうこ)「ウワッ!?」
優子(ゆうこ)「何あのトラック!? 信号無視してったよ!」
珠美(たまみ)「なんだかフラついていない・・・? もしかして居眠り運転・・・」
優子(ゆうこ)「エェッ!?」
優子(ゆうこ)「もしそうだとして、トラックの進む先にあるのは・・・」

〇アーケード商店街
  商店街!!
優子(ゆうこ)「このままじゃ大惨事に! なんとかして止めないと・・・」
珠美(たまみ)「わたしに任せて・・・」

〇血しぶき
珠美(たまみ)「運転手を射殺して、トラックを止める・・・!」
優子(ゆうこ)「ストップストップ!! 射殺はダメーッ!」

〇オフィスビル前の道
珠美(たまみ)「買い物客が数十人より、運転手ひとりの犠牲の方がマシじゃない・・・?」
優子(ゆうこ)「いやいや、誰も犠牲にならない方法を探ろうよ・・・」
優子(ゆうこ)「そうだ! マジックウォッチを使って、うまいこと・・・」
優子(ゆうこ)「あれ、マジックウォッチが無い!?」
珠美(たまみ)「え〜、落としちゃったの・・・」
優子(ゆうこ)「ゴメン、そうみたい・・・」
優子(ゆうこ)「どうしよう、もうトラックを止める手段が・・・」
珠美(たまみ)「銃も射程圏外だよ・・・ こうなったら・・・」

〇壁
モカ(悪魔カルカン憑依中)「・・・・・・ワ」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「ワフ?」
珠美(たまみ)「「ワフ?」じゃ、 な い ん だ よ・・・」
珠美(たまみ)「そんなヘタクソな演技で、飼い主の目をごまかせる訳ないだろ・・・」
珠美(たまみ)「よくもモカの体を乗っ取ったな・・・ “1キル”決定ね・・・」
珠美(たまみ)「それとマジックウォッチ、どこかに隠したよね・・・ “2キル”確定です・・・」
  ヒエエッ! 全部バレてらっしゃる!
珠美(たまみ)「んで悪魔さん・・・」
珠美(たまみ)「い つ ま で、モカで居続けるつもりかな・・・?」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「あっあっあっあの・・・」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「戻り方を確認しないまま、操ってしまっております・・・」
珠美(たまみ)「ねじ切る・・・」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「違う“キル”!? ねじ切らないでください!」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「どっどっどっどうしたら、許して頂けますか━━━ッ!」
珠美(たまみ)「あのトラックを止めることができたら、検討しよう・・・」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「ぜ・・・ぜひやらせて下さい!」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「でも、どうやってトラックまで移動したら・・・」
珠美(たまみ)「わたしに任せて・・・」
珠美(たまみ)「〜〜〜〜〜・・・ッ!」

〇オフィスビル前の道
優子(ゆうこ)「ワッ! タマちゃんから、もの凄い圧が!」
モカ(悪魔カルカン憑依中)(掴まれた! ちびっ子、ワシに何をするき・・・)
珠美(たまみ)「いくよ・・・」

〇市街地の交差点
  ア゛ア゛アアアアァァァァ──・・・
優子(ゆうこ)「ちょっ、モカちゃん投げちゃったの!?」
珠美(たまみ)「※モカは特殊な訓練を受けています・・・ 読者はマネをしないで下さい・・・」
優子(ゆうこ)「何、そのバラエティー番組で見かけるような注意喚起は・・・」

〇おしゃれな住宅街
モカ(悪魔カルカン憑依中)「クッ・・・ 新たに課されたこのミッション」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「是が非でも成功させなければッ!」
  マ・・・マズいッ!!

〇黒
モカ(悪魔カルカン憑依中)「失速している!」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「ダメだ・・・」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「たどり着けない・・・」
  ・・・・・・
  いや・・・──
  まだ手はある!

〇トラックのシート
モカ(悪魔カルカン憑依中)「・・・ついてる! 窓ガラスがオープンだ」
モカ(悪魔カルカン憑依中)「ンショ、ンショ・・・」
  スウゥ・・・
モカ(悪魔カルカン憑依中)「起きろオ゛オ゛オ゛━━━ッ!!」
ドライバー「ウワア━━━━━ッ!?」

〇アーケード商店街
  キキ〜〜〜・・・──

〇オフィスビル前の道
優子(ゆうこ)「モカちゃんの活躍のおかげで、事故を防げてよかったね」
珠美(たまみ)「だね・・・」
モカ(悪魔カルカン憑依中)(疲れた・・・)

〇洞窟の入口(看板無し)
優子(ゆうこ)「あ〜そっかぁ・・・ 帰るにはまた、この険しい道を通らないといけないのか・・・」
珠美(たまみ)「体力残ってない・・・? だったら・・・」

〇エレベーターの中
珠美(たまみ)「帰りはエレベーターを使おう・・・」
優子(ゆうこ)「洞窟の横に設置してあるって、先に言ってよ・・・ 行きもこれがよかった・・・」

〇秘密のアジト
  ・・・・・・
綾(あや)「ハッ! 気を失ってた・・・」
綾(あや)「なんでわたし、気を失ってたんだっけ? よく思い出せない・・・」
綾(あや)「そういえば、ふたりの姿が見えないな・・・」
綾(あや)「もう、行ったんだね・・・」
綾(あや)「魔界へと出発する姿を見送りたかったよ・・・」
綾(あや)「よろしくね・・・ ふたりとも・・・」
珠美(たまみ)「ただいま・・・」
優子(ゆうこ)「長い散歩になっちゃったね」
綾(あや)「ってオイ! まだ行ってなかったんかい!」
優子(ゆうこ)「あのさ、タマちゃん・・・」
珠美(たまみ)「ん、何・・・?」
優子(ゆうこ)「ゴメン! マジックウォッチ無くしちゃって・・・」
優子(ゆうこ)「帰り道、探しながら歩いてたけど、結局見つけられなかった・・・」
モカ(悪魔カルカン憑依中)(そうそう、マジックウォッチ・・・)
モカ(悪魔カルカン憑依中)(えらい目にあったけど、一番の目的は果たせたから良しとしよう)
珠美(たまみ)「別に気にしなくていいよ・・・」
優子(ゆうこ)「許してくれるの? ありがと、タマちゃん」
珠美(たまみ)「いや、そういうんじゃなくて・・・」
珠美(たまみ)「あれ、セット商品だったから、同じのもう1個あるの・・・」
優子(ゆうこ)「へぇ〜、それはお得だったね!」
モカ(悪魔カルカン憑依中)(ウ・・・ウソだろー!?)
  ワシの苦労が・・・
  水の泡じゃねーか!

次のエピソード:エピソード6 出発前夜

コメント

  • 綾へのオーバーキルが終わったと思ったら、次回も含めて放置プレイ! 今回も笑わせてもらいました^^
    それにしてもカルカンより、たまちゃんの方がよっぽど悪魔…笑

  • 長編コンが終わったこの時期になっての連続更新…
    まさかウゴ鈴木氏が、『覚醒』を始めている…だと!?
    Oh ! ファンタスティック!!

    次回は待望のBBQ回…ワクワクが止まらないぜ!!

  • 通販あるある もう一個おつけします!

    カルカン不憫すぎて笑う。絶対投げられだろうなぁとは思いましたが、一応見た目はモカなのに容赦なさすぎぃ😂

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