ぷるぷるんぜんぜんまん・深紅の死神(脚本)
〇屋敷の書斎
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「来る日も来る日も 人間の素行記録を読んで よい・ふつう・わるいの スタンプ押して押して押しまくる!!」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「こんな仕事やめてやるー!!!」
死神先輩「させねーよ!」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「うわ でた! 死神パイセン!」
死神先輩「いいのか?」
死神先輩「ここでやめたら ベルトコンベアに流れてくる 天国行きの魂に まずいのが混ざってないか」
死神先輩「監視する単純作業を またやるはめになるぞ」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「いやだ・・・ あの極たまに流れてくる赤い魂を 選り分けるやつ・・・ 気が狂ってしまう」
死神先輩「じゃあ、つべこべ言わず スタンプ押して通信簿を作れ 新米!」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「いやだー!! 死んだ人間のランク分けとか 閻魔大王の仕事でしょう?? ペーペーの死神には荷が重すぎる!」
死神先輩「閻魔大王は忙しいので 人間に構っとられんのだ」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「ええ・・・・・・ 人間見放された・・・?」
死神先輩「残念ながら」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「冥界も働き方改革なんですね」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「それはそうと 私はこんなメンタルやられる 仕事はいやですよ」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「私は深紅の死神 ドイツ語でぷるぷるんぜんぜんまん。 メンタルぷるぷるの 繊細さんなんです」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「人の生き死にを評価して 通信簿作るとか苦行ですよ」
死神先輩「新米なら誰でも通る道だ 心を殺す訓練さ」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「通信簿作りとか 重要そうなこと 新米に任せていいんですか 適当だなあ 冥界って」
死神先輩「新米は黙っとれ 古いのが偉い」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「ひえー年功序列 地上はもう令和なのに」
死神先輩「ツベコベ言わず 今日の分残業してでも 終わらせるんだな」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「パワハラ〜!」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「そもそもおかしいよ 人の生き様は その人間だけの 責任ではない」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「誰が悪いとか なにもないのに・・・」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「なぜ 通信簿をつけて 魂を天国行きか地獄行きか 振り分けなければ ならないのか」
死神先輩「フン」
死神先輩「定まったところに 振り分けて 因果応報がないと 身勝手な人間が のさばるぞ」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「ひどい 一体誰が そんな仕組みに したんだ?!」
死神先輩「ほう お前、新米のくせに 神にたてつくのか」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「新米ですけど 私も死神です! 神にも上下 あるんですか?」
死神先輩「ここでは お前は俺の部下だ!」
死神先輩「俺の上司神が 人間には 因果応報せよと言うから そういうものなのだ」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「ええ・・・ おかしいと 思わないんですか」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「因果なんて理由なんて 脳の捏造ばっかりで 本当かどうか わかりませんよ」
死神先輩「俺は人間に 興味がない どうなろうが 知ったことではない」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「ええ・・・ それでも、あなた 元人間ですか」
死神先輩「俺は ずっと死神だからな 知らないな」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「えっ もしかして 私だけですか 元人間だった死神は」
死神先輩「そうだな なぜか上司神の お遊びで お前は人間に転生せず 深紅の死神 ぷるぷるんぜんぜんまんになった」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「ということは 上司神は 改革を望んでいるのでは?」
死神先輩「仕事は仕事だ 疑問を持つな」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「疑問を持たなかったら 人間よりアフォに なりますよ」
死神先輩「上司をアフォ呼ばわりするか!」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「事実でしょう」
死神先輩「これだから 最近の小賢しい 若者は」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「魂の行末は それぞれの魂の意思に 任せるべきです」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「そっちのほうが 私たち死神も 楽できますよ! 働き方改革!!」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「人間の評価よりも 死神の本来の仕事、 生物の死の質を上げる ことに専念するべきです」
死神先輩「そんなに言うなら 上司神に直接 嘆願すればいい」
死神先輩「どうなるかしらんぞ」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「わかりました 私は死神 死にません 上司神なんて 怖くありませんよ」
〇神殿の広間
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「こんにちは 深紅の死神です 働き方改革の 提案に来ました!」
上司神「聞きましょう」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「はい、 人間の魂の選別作業、 人間の通信簿を作る作業を廃止して」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「死神本来の仕事、 クオリティオブデスを上げる仕事に 皆で取り組んだ方がいいと思います」
上司神「いいでしょう」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「やった!」
上司神「ですがその提案を実行すると あなたがたと私は消滅します それでもいいですか?」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「えっ」
上司神「私達は 選り分ける神なのです」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「そんな・・・」
上司神「これは宇宙の進化において 決まっていたことです」
上司神「あなたが深紅の死神として 冥界に転生したことも」
上司神「さあ選びなさい」
上司神「その働き方改革を実行するかどうか」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「消滅したら・・・どうなるんですか?」
上司神「おや? 神だから死なないと 怖くないと 言っていたではないですか」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「・・・・・・」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「・・・・・・ああ、最後だと思うと この冥界のくそ職場のことも 愛しく思えてきた・・・・・・」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「・・・・・・」
深紅の死神ぷるぷるんぜんぜんまん「改革を実行、頼みます」
上司神「はい ぷるぷるんぜんぜんまん」
上司神「・・・さようなら」
〇渋谷のスクランブル交差点
ぷるぷるんぜんぜんまん「・・・、ここはどこだ?」
ぷるぷるんぜんぜんまん「何に転生したんだ? また人間に戻ってしまったのか」
ぷるぷるんぜんぜんまん「死神の世界はどうなってしまったのか 今の僕には知る由もない・・・・・・」
いつもながらスチルが素敵です。イギリスからクリムゾン・リーパーがやってきてドイツのプルプルンゼンゼンマンに「だっせ」とか言いそう。「お前なんかぜんぜんゼンゼンマンじゃねーじゃん」(キムタク風)とか言われそう。人間界に転生しても赤いコートが似合ってるなあ。
ぷるんぷるんぜんまいという言葉が脳内から離れなくなりました笑
働き方改革は少し前から人間界でも行われていますが、死と隣り合わせの改革ならやりたくないかもです笑
安らかにねむった先で、通信簿つけられてたとしたら…私の人生は?ふりかえるきっかけになりました。つべこべ言わず、精一杯いきなくては。