好きバレしてたらよかったのか?

るか

10 別れは突然(脚本)

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〇フェンスに囲われた屋上
セナ「おかみくとランチしなくてよかったのか?」
力丸「美紅に邪魔だって言われた」
セナ「なんだ・・・意外と気がきくヤツじゃん」
セナ「見直した」
力丸「それに・・・俺も・・・」
セナ「ん? 力丸?」
力丸「俺も・・・ 少しでも長く一緒にいたい」
セナ「もっとこっち来いよ」
力丸「いいって!!」
セナ「そんな告白してんのに いまさら照れるなってば!!」
セナ「ほら・・・」
  ぐいっと力強く引っ張られて
  鷹野の胸の中へなだれ込んだ──
力丸「あ・・・鼓動・・・スゴい」
セナ「オレの腕の中に力丸がいるからです」
力丸「フフフ」
セナ「こういう時にさ フレーズがすげぇ浮かぶんだよな・・・」
力丸「さすが俺のセナ」
セナ「力丸だけのセナだぜ?」
力丸「幸せだな・・・」
  鷹野があと数日でドイツに行ってしまう──
  鷹野が優しく頭をなでるから
  涙があふれそうになった──

〇ジャズバー
  数日後──
  日本でのセナの最後のコンサート
力丸「忙しいそうだな?」
おかみく「すごい人なのよ!! 猫の手も借りたいくらいよ」
力丸「手伝えばよかったな?」
おかみく「何言ってるの!? あんたにとって一緒にいる時間が1番貴重でしょ?」
力丸「そうだな・・・ すまない・・・」
おかみく「こういう時は ありがとうでしょ?」
力丸「美紅、ありがとう」
伊乃里「美紅、ごめん ちょっと来てもらえる?」
伊乃里「ここのスペースなんだけど、もう少し広くできないかしら?」
おかみく「了解です オーナーに確認とってきますね」
伊乃里「おめでとう ホントに付き合うことになったみたいね」
力丸「ありがとうございます 色々とご迷惑ばかりかけてすみません」
伊乃里「全然!!! それより、セナの方があなたに迷惑かけてないかしら?」
力丸「いえ、全然── 今は幸せすぎて怖いです」
伊乃里「わかるわ・・・その気持ち 何事にも永遠なんて無いものね」
力丸「そうですよね・・・」
伊乃里「でも不安になることはないわ セナは何があってもあなたを一生離さない」
力丸「どうしてわかるんですか?」
伊乃里「あら? ピアノを始めたきっかけもあなたなのよ?」
力丸「俺?」
伊乃里「ええ・・・ 本が大好きなのも、ピアノを弾くのも」
伊乃里「全部あなたの影響よ?」
力丸「俺、ピアノは弾けませんよ?」
伊乃里「フフフ・・・ 理由は本人に聞くといいわ じゃあ、またね」
ファン「どうも!!」
力丸「どうも 今日も相変わらず元気ですね」
ファン「最近のセナさん、ごきげんですから マネしてみました!!」
力丸「はははっ いいですね」
ファン「今日くらいはセイラさんになればよかったんじゃないですか?」
力丸「いや、俺を見て欲しくて・・・」
ファン「言いますね!! ノロケはお腹いっぱいなのでこれ以上聞きませんよ」
力丸「わかりました!!」
力丸「そうだ、ワンちゃんのセナは元気ですか?」
ファン「元気ですよ よかったら、犬カフェ来てくださいね」
ファン「セナの写真もたくさんあります ちょっとセクシーなのも」
力丸「セクシー!?」
ファン「あ、勘違いしてるみたいだから訂正します ワンちゃんのセナくんの話ですよ」
力丸(なんだ・・・ムダにドキドキしたじゃないか・・・)
ファン「あ、はじまりますね!!」

〇ジャズバー
セナ「今日は来てくださってありがとう!!」
セナ「いつもとは違う雰囲気も楽しんでください!!」
セナ「しばらくは日本を離れますが・・・ 必ず戻ってきますのでそれまで待ってて下さい!!」

〇幻想空間
  コンサートは大盛況
  アンコールもいつもより多めだった──

〇見晴らしのいい公園
力丸「いい風が吹いてる・・・」
セナ「力丸!! ごめん・・・遅れた」
力丸「大丈夫 みんな鷹野と離れたくないんだよ」
セナ「オレは力丸と離れたくない」
セナ「結局デートもできねぇとか・・・」
力丸「今してる」
セナ「こんな所でよかったのか?」
力丸「ああ、鷹野と一緒に花火見たところだから」
セナ(オレは・・・自分の家がよかったんだけどな)
力丸「なあ鷹野・・・ いや・・・セナ」
セナ「ん?」
力丸「俺はもっと勉強してドイツの大学に留学に行けたらと思ってる・・・」
セナ「!!!!」
セナ「マジでいってる?」
力丸「もともと絵本に興味があるし ドイツの文学も好きだ」
力丸「その研究をしたい」
セナ「わかった・・・オレもピアノ頑張る ドイツで一緒に住もう」
力丸「!!!!!!」
セナ「イヤか?」
力丸「嬉しい プロポーズみたいだな」
セナ「プロポーズだよ オレは誰が何と言おうと力丸を離さない」
力丸「ありがとう・・・セナ」
  俺はセナの額にキスをした──

〇空港のロビー
  セナがドイツに旅立つ日が来てしまった──
セナ「バタバタしてゆっくり眠れなかったな・・・」
力丸「向こうに着いたらしっかり休めよ?」
セナ「ああ・・・そうする」
セナ「なあ、一緒に来てくれよ・・・」
力丸「来年な」
セナ「ああ!! 行きたくねぇ!!!!」
力丸「駄々こねるのか?」
セナ「連れて行きたい!! 力丸と離れるの無理!!」
力丸「でもピアノ始めたきっかけは俺なんだろ?」
セナ「そうそう!! お前さ、ピアノが弾けるロングの女の子の事好きだったみたいなんだよ!!」
力丸「知らないよ、そんな子」
セナ「だからソイツに勝ってやろうと ピアノ始めた ハハッ」
力丸「俺は美紅に殴られた記憶しかない ま、美紅じゃなくてセナだったみたいだけど」
セナ「マジで!? あの女の子覚えてない?」
力丸「セナの方がその子のこと好きだったんじゃないのか?」
セナ「お? お? お? 嫉妬してくれてんの?」
力丸「そうだよ!! 俺が覚えてない子のことばっかりしゃべるから!!」
セナ「オレは力丸一筋って言ってるだろ?」
力丸「わかってる・・・ でも寂しいんだ・・・」
おかみく「寂しくなんてさせないよーだ!!」
セナ「お前!! 今日は力丸と2人きりにさせてくれるって言ってただろ?」
おかみく「何? 邪魔者あつかい?」
セナ「ふんっ!!」
おかみく「力丸のことは・・・ あたしに任せなさい!!」
セナ「わかった・・・ じゃあ行ってくる!!」
力丸「気をつけて」
おかみく「いってら!!」
力丸「・・・行ったな」
おかみく「ほらほらもう・・・泣きそうじゃない」
セナ「ワリィ・・・忘れもんした」
  急に力強く抱きしめられ──
  キスをした・・・
  長い長いキス・・・
セナ「じゃあ、いってくる 力丸愛してるぜ💕」
力丸「お、お、俺も愛してる!! セナ!!」
セナ「ハハッ 恥ずかしいって言ってたくせに」
セナ「じゃあな」
力丸「セナ・・・」
  セナの背中が見えなくなるまで見送った

〇男の子の一人部屋
  数ヶ月後──
  電話は毎日している
力丸「セナ!!」
セナ「元気か?」
力丸「ん・・・元気 セナは?」
セナ「今日も先生に特訓されて疲れた」
力丸「そっか・・・ セナ大好きっていったら元気になるか?」
セナ「お前、それ反則ワザ」
力丸「母さん?」
セナ「オレ!!」
力丸「何で!?」
セナ「ビックリさせたくてさ 1日休みもらったから飛んで帰ってきた」
力丸「セナ・・・」
セナ「力丸くん 今日はオレとデートしてくれませんか?」
力丸「するに決まってるだろ!!」
  終

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