エピソード1 スパイス5(脚本)
〇桜並木
あい(わぁちょうど満開 来てよかった)
丸一日、休みが取れたから
近所の桜を見に来た
来てよかった
すごく綺麗
たいち「あれ!!相楽ちゃんじゃん!!」
あい「・・・店長!!」
たいち「よく会うね!! やっぱり運命かな」
あい「今、桜も見頃ですしね」
たいち「なんか雰囲気変わったよね 相楽ちゃん」
あい「そうですか?」
たいち「うん。 いい感じ」
あい「ありがとうございます」
たいち「1人?」
あい「はい」
たいち「よかったら一緒に歩かない?」
あい「はい。ぜひ」
桜並木が綺麗
風に揺れてそよぐ桜がまるでダンスしてるみたい
たいち「引っ越したんだっけ?」
あい「はい。好きだったカフェの近くに 気に入ったアパートがあったのでそこに住んでいます」
たいち「そっか。 もう慣れた?」
あい「はい。仕事も楽しいです」
たいち「うん。 見てて分かるよ」
とりとめのない会話だけどこうやって
2人で話をするのはいつぶりだろう
楽しい
ほら
やっぱり桜の花びらも楽しそうにダンスしてる
たいち「あのさ、いきなりこんな事言って 驚かせると思うんだけど・・・」
たいち「俺と付き合わない?」
あい「・・・え?」
ふと店長の顔を見た
たいち「あれ、おかしいな・・・ なんか照れてきた」
そう言って店長は火照った耳を隠した
いつも余裕そうに見えた店長なのに
あい「・・・えっ」
驚いて私まで耳まで熱くなる
たいち「いや、なんていうか、色々考えてさ 急な思いつきとかじゃないんだ」
たいち「ずっといつ言おうか考えてた」
あい「・・・私でいいんでしょうか 甘えてばかりで・・・」
あい「ずっと変わりたくて、私・・・」
たいち「俺も一緒だよ 不安にもなるし、悲しくなる時もある」
たいち「でも、これからも沢山の事を一緒に 乗り越えて、一緒に成長して行きたいって 思ったんだ あいちゃんと」
たいち「好きだよ いつからかは、分からないけど やっと言える」
たいち「俺と一緒にいて欲しい 大好きだ」
あい「・・・店長・・・」
そういうと店長はあいをぎゅっと
抱きしめた
人が見てますよ
構わないよ
耳元でそう言われた
あぁ やっぱり花びらも幸せそうに
ダンスしてる
暖かい腕の中でそう思いながら、
目を閉じた