最終話 未来(脚本)
〇明るいリビング
小石川哀史「なんでおじいちゃんのおじいちゃん・・・」
小石川喜一「そんな口から出まかせを」
「まあ・・・。 おじいちゃんのおじいちゃんは、言霊を信じていたからな」
小石川哀史「言霊?」
「ああ。 口に出して言ったことが現実になる・・・ってな」
〇広い公園
小石川糸「えっ!? それで恭子ちゃん、大事なお母さんのネックレス、あげちゃったの?」
恭子「・・・うん」
小石川糸「ヤダな~、恭子ちゃん! いいんだよ、私のこと、憎んでも、嫌いになっても」
恭子「でも・・・」
小石川糸「大切なものを対価にして、感情を変えるなんて・・・。その人、探そう!」
恭子「探すの?」
小石川糸「うん! 探して、返してもらおう! ネックレスも感情も!」
〇渋谷駅前
小石川噴気「あなたはどうしても奥さんに帰ってきてもらいたい、と?」
平社員「はい! 私には妻が必要なんです。いなくなってみて初めて気づきました」
平社員「妻さえ戻ってくれれば! どんなにひどい上司の嫌がらせだって、耐えられます!」
課長「私も気づきました! 嫌がらせを受けるのが、どんなにつらいことか!」
課長「元に戻っても、二度と、社員をイジメないと誓いますから~」
小石川楽哉「言い分はよくわかるんだけどさ」
小石川噴気「そうだな。とにかくその悪魔だか、天使だかの女の子を探さなきゃだな」
小石川楽哉「でもさ、運よくその子、探し出させたとしても説得できるかな、ぼくたちに」
小石川噴気「う~ん、話の通じる相手ならいいが・・・。ダメなら力ずくでってことも考えなきゃな」
平社員「あっ! あそこ!! あそこにいるのが、彼女です。望みを叶えてくれた!」
小石川噴気「よし、後をつけるか」
小石川楽哉「喜一にぃと哀史にぃにも連絡しよう!」
小石川噴気「そうだな。 一応、糸も呼んでおくか」
〇新橋駅前
「What do you want? (それでなにが望みだ?)」
和夢「あなたの一番大切にしているものを私にください。この国のトップを失脚させる・・・その代わりに」
「Hahahaha!! I want you to be free. (はははは。私はあなたに、自由を与えてあげたい)」
和夢「自由・・・?」
「ソウデス。モウダレノノゾミヲ カナエナクテイイ ソンナジユウヲ ホシクハアリマセンカ?」
和夢「誰の言うことも聞かなくていい、道具じゃない自分。本当の自由・・・」
和夢「わかりました。あなたの望みを叶えて差し上げます」
小石川噴気「待て!」
和夢「イヤ! 待って! まだ話は終わってない!」
小石川楽哉「行っちゃったよ」
和夢「そんな・・・」
小石川噴気「悪いが、あの外国人に、日本を売り渡させるわけにはいかない」
和夢「邪魔しないでよ!」
和夢「急級如律令! がんちゅうこしん、はいくうはつき、ごようごしん・・・」
小石川楽哉「やべっ!」
小石川噴気「オン キリキャラ ハラハラフタラン パンツ ソワカ」
小石川噴気「ダメだ、解除できない!」
「和夢ちゃん!」
和夢「えっ?」
和夢「喜一・・・さん?」
小石川噴気「・・・兄貴の知り合い?」
小石川哀史「いや、おじいちゃんのおじいちゃん・・・。話すと長くなるから、あとで!」
和夢「言ったじゃない! 二百年後は、こんな思いをしなくていい、素敵な世界になっているって!」
和夢「あなたがそう言ったから、私・・・」
小石川喜一「ごめん! 本当に悪かった!」
小石川糸「喜一にぃ、ごめん!!」
小石川糸「おんあぴらうんけんそわか ぎゃていぎゃてい はらぎゃていはらそうぎゃていほじそわか~」
小石川喜一「えっ?」
和夢「あ・・・」
小石川喜一「和夢ちゃん・・・」
和夢「喜一さん!」
小石川楽哉「すげーや! 喜一にぃと和夢さんの薬指と薬指! 楽しさの青い糸で結びついてる!」
小石川噴気「こっちもだ! 怒りを司る白い糸でも結ばれてる!」
小石川哀史「病める時も、健やかなる時も・・・か。 悲しみの糸ももやい結びだ」
小石川糸「やっぱりそうなんだね。 本当に運命の赤い糸で結びついた二人は、その他の四本の指も結ばれるって・・・」
小石川糸「前にお母さんから聞いていたけど」
小石川喜一「和夢ちゃん・・・。 これからゆっくり考えていかないか? ぼくたちに、なにができるのか」
和夢「なにをしなければならないのか」
小石川喜一「二人で」
和夢「ええ。みんなで」
こうして私たちの戦いは、ひとまず終わった
人の欲望にはキリがない。
いつまた私たち糸師を利用しようとする者が現れるかもしれない
小石川糸「それでも私たちは信じたいんです。 すべての人たちが仲良く暮らすそんな世の中に、いつかなると」
お
わ
り
恭子ちゃんが糸に慰められて感情を取り戻したいと思うようになったのが良かったと思いました。これで二人はまた親友に戻れるかな。
謎の外人は和夢と取引しようとしたけれど「自由をあげる」なんて、優しいようでいて実は「和夢が力を無くせば、後は外人の一人勝ち」とも思えるようなシーンですね(間違ってたらすみません)
ご先祖さまの喜一さんとは違う喜一にぃだけど良かったんですよね😆未来を切り開いて行くんですもんね
ハッピーエンドで終わって良かったです。
でも、まさかの200年前の登場人物に美味しいとこ持っていかれた感じですね(笑)
面白かったです。
お疲れ様でした。