〇海辺
ナツ「きゃっほー！　泳ぐぜー！」
トシ「おーい、ナツー！ マンガ描いたから読んでくれー！」
ナツ「なにゆえ!?」
トシ「夏と言えばホラー！ てなワケでホラーマンガだ！」
ナツ「泳ごうよ・・・」
トシ「ながら読みでも構わないぜ？」
ナツ「濡れるよ!?」

〇病院の廊下
　　ホスピタル☆ナス見たる
ナツ「ホラーだよね？」
トシ「ああ！」
トシ「『ナス』ってのはナースのことな！」
ナツ「知らんがな」
トシ「やっぱタイトルは意味のあるものがいいな！」
ナツ「語感しか良くないけど・・・」

〇病院の廊下
ハナ「・・・ふぅ、異常なし」
ハナ「早く帰って眠りたいわ」
ハナ「何ッ!?」
ハナ「404号室から聞こえたわね・・・」
ハナ「・・・・・・」
ハナ「・・・ま、いっか！　かーえろっ！」
ナツ「帰るんかい」
トシ「残業手当は出ないからな」
ナツ「世知辛い・・・」
トシ「それにハナはアル中だからな」
トシ「早く家に帰らないと禁断症状を起こして しまうんだ」
ナツ「その設定いる？」
トシ「『鬼ころし』が生きがいなんだよ！」
ナツ「その設定いる!?」

〇病院の廊下
　　その後、ハナの行方を知る者はいなかった
ナツ「終わっちゃったよ」
トシ「いや、ここからが始まりなんだ」

〇病院の廊下
ハナブサ「まさかハナがいなくなるなんて・・・」
ナツ「じゃあオマエ誰だよ？」
トシ「ハナブサ。ハナの双子の姉さ」
トシ「失踪した妹の代わりに病院で働くことに なったんだ」
ナツ「潜入捜査とかじゃなくて？」
トシ「生活費のためだ」
トシ「ハナブサは無職でハナに養ってもらって いたからな」
ナツ「裏設定多くね？」
トシ「一応捜査もする」
トシ「趣味で探偵やってるから」
ナツ「ついでかよ」
ナツ「・・・・・・」
ナツ「いや、趣味探偵って・・・」

〇綺麗な病室
ハナブサ（えーっと、この部屋は誰だったかしら？）
アヤナ「わぁ〜、美人さんだぁ〜」
アヤナ「何かご用ですかぁ？」
ハナブサ（アヤナさん、か）
ハナブサ（名簿には載ってなかったような・・・）
ハナブサ「アヤナさんはいつから入院しているの？」
アヤナ「わかんな〜い！」
ハナブサ「わからないほど長いってこと？」
アヤナ「わかんな〜い！」
ハナブサ「ご両親はいるの？」
アヤナ「わかんな〜い！」
ハナブサ（何を聞いても『わからない』の 一点張り・・・）
ハナブサ（シロ、か）
ナツ「なんで？」
トシ「これがプロとアマの違いだ」
トシ「アマチュア探偵にこの件は重すぎたんだ」
ナツ「そりゃ趣味だし」

〇病院の廊下
ハナブサ（あれは、院長先生）
ハナブサ（ハナが何かと噛みつかれると言っていたわね）
ハナブサ（別人だってバレないようにしないと）
ツトム「ハナくん、こんなところで何をぼーっと しているんだ」
ツトム「さっさと仕事に戻りなさい」
ハナブサ「はぁ〜い、わかりましたぁ〜！」
ハナブサ「ハナ、がんばっちゃいますぅ〜！」
ツトム「・・・ぽっ///」
ハナブサ（うふふ、ハニートラップにかかるといいわ！）
ハナブサ「そう言えばぁ、院長先生ってぇ、 人とか殺したことありますぅ〜？」
ツトム「ないよ〜！」
ハナブサ「わかりましたぁ〜！」
ハナブサ「ありがとうございますぅ〜！」
ハナブサ（シロ、か）
ナツ「無能〜！」
トシ「気難しい院長から怪しまれずに聞き出すとはハナブサもだんだんとサマになってきたな！」
ナツ「アホの部分出ちゃってるけどね」
トシ「ハナブサは潜入捜査に向いてるのかもな！」
ナツ「聞いてた？」

〇病院の廊下
ハナブサ「え？　『ナースコール』って何ですか？」
ナツ「こりゃバレたわ」
トシ「大丈夫だ！ ハナブサはそれくらい想定している！」
ハナブサ「あぁ！　『ナス見たる』のことですね！」
ハナブサ「うちの地方だと『ナス見たる』って 言うんですよ〜！」
ハナブサ「『お呼びの際はナス見たるぅ〜↑』 って」
ハナブサ「え？　この間まで普通に使っていたって？」
ハナブサ「疲れ過ぎて、昨日までの記憶 飛んじゃったんです。ごめんなさい〜」
トシ「・・・ふぅ」
ナツ「『なんとか切り抜けたぜ』じゃねぇんだわ」
トシ「ッ!?」
ナツ「『なんで考えが読まれてるんだ』 じゃねぇんだって！」
トシ「タイトル回収してやったぜ♪」
ナツ「『回収』ってか生み出したよね？」
ナツ「造語つくったよね？」
トシ「お呼びの際はナス見たるぅ〜↑」
ナツ「やめろ！　頭にこびりつく！」

〇病院の廊下
ハナブサ「謎は解けました」
アヤナ「何ですかぁ〜？　いきなり呼び出してぇ〜」
ツトム「ハナくん！　職務中だよ！ いきなりコスプレして、何のつもりだい!?」
ツトム「減給じゃ済まないぞ!?」
ハナブサ「給料据え置きで働かせなさい！」
ツトム「ぐっ・・・！」
ハナブサ「ハナは・・・ワタシの妹は殺されたのです」
ハナブサ「そう！　アナタの手によって！」
ナツ「もうちょっと何とかならなかった？」
トシ「トーン高かったなぁ・・・」
ナツ「聞いてねぇや」

〇病院の廊下