泣き虫王子と戦う聖女

悠蒼

泣き虫王子と戦う聖女(脚本)

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〇謁見の間
国王「・・・・・・」
「・・・・・・」
国王「つまり」
国王「そなたは戦う聖女を辞めて、エスプレッソのカフェを経営したく──」
ベル聖女「はい!」
国王「お主は第一王子を辞めて、コメディアンになりたいと──」
タップ王子「はい!!」
タップ王子「うぅ!!父上相変わらず怖いっ!!」
国王「って!!なんでやねーーーん!!」
国王「えっ!?」
国王「儂もしかして夢でも見てる!?」
国王「思わず玉座から降りてきてしまったわい!!」
タップ王子「父上!!落ち着いて!!」
ベル聖女「国王様!!落ち着いてください!!」
国王「儂は周りから歴代最高の賢王と呼ばれているが、今は落ち着けぬ!!」
国王「回復魔法は使えないが、全属性の攻撃魔法が使える大聖女ベル!!」
ベル聖女「はい!!」
国王「泣き虫ではあるが先見の明があり国の危機を何度も救った第一王子のタップ!!」
タップ王子「はい!!」
国王「お主らは我が国に多大なる貢献をした」
国王「その褒美に何でも好きな願い事を叶えよう!!お主らは何を望──」
ベル聖女「聖女を辞めてエスプレッソのカフェ経営」
タップ王子「王子を辞めてコメディアン」
国王「だ・か・ら」
国王「なんでじゃーー!?」
王妃「あなた!!とりあえず玉座にお戻りになって」
国王「王妃よ・・・いつからそこに・・・」
国王「玉座に戻ろう」
王妃「あなたに見せたいものがあります」
王妃「10年前にタップとベルが書いた10年後の自分に対しての手紙ですわ」
  10年後のタップへ
  コメディアンになれてるかぃ?
国王「子供の頃からの夢だったのか・・・」
王妃「こっちがベルの手紙よ」
  10年後のベルへ
  エスプレッソのカフェ経営をしているかしら?
国王「子供の頃からなんでエスプレッソに拘ってるんだ・・・」
王妃「10年前からタップとベルは叶えたい夢があって──」
王妃「今も変わっていないというのは事実ですわ」
国王「王太子と王太子妃はどうする」
国王「王太子には第二王子であるシンがいるとしても、王太子妃になる人物は聖女であることが必須条件だ」
シン王子「父上、お呼びですか?」
ワン聖女「国王様!!王妃様!!初めまして!!」
ワン聖女「癒しの大聖女のワンです!!」
国王「シンが既に新しい聖女を見つけておった」
王妃「問題解決ですわね」
国王「・・・タップとベルは好きに生きるが良い」
国王「今までご苦労だった」
「ありがとうございます!!」
国王「よし!シンとワンよ!王太子と王太子妃になれる資質か見極めさせてもらう!」
国王「別室に儂らと行くぞ」
「はい!!」
ベル聖女「タップ!!」
タップ王子「ベル!!」
ベル聖女「上手くいったね!!」
タップ王子「ベルの入念な根回しと準備のおかげだよ!!」
ベル聖女「タップと一緒に自由を勝ち取るための戦いだったから頑張れたよ!!」
ベル聖女「世界も救ったし、これからは私たちがしたいように、自由に過ごそう!」
タップ王子「うん!!これからの人生すっごく楽しみだ!!」
ベル聖女「エスプレッソのカフェも楽しみだけど・・・」
ベル聖女「一番私がやりたいことは──」
ベル聖女「あなただけの戦う聖女でいることなの・・・」
タップ王子「ベル・・・」

コメント

  • 予想外のラストに驚きました!! まさか、2人が仕込んでいたことだったとは…!!!

    2人の夢も意外性がありつつ、らしい感じでいいですね!!! もし、2人が落ち着いてお店を出す時が来たら、賑やかなお店になりそうです^^

  • タップ王子がコメディアンになりたいという願いに対し、国王様の返事が関西弁になったのが、ノリとツッコミが効いていて面白かったです。
    長い間着々と根回ししてこれた二人なら、これからどんな困難が待ち受けていようとも愛の力で乗り越えられると思います。コメディアン(お笑い芸人)になったタップ王子を、エスプレッソカフェを営みながら支える元聖女妻ベルを想像してしまいました。

  • 世界の危機を救えても自分の夢を救えなければ生きている意味がないから正しい決断ですよね。いつかベルのカフェでタップがお笑いライブでも開催するんかな。

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