騎士団長のためなら、なんだってします!

かえばりんこ

Episode10(脚本)

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かえばりんこ

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〇森の中
ニール「時よ──」
  真の未来へ辿り着こう──今度こそ

〇森の中
町人1「──!」
少女1「お父さん!!」

〇雪洞
フィン・クラーク「こ・・・・・・ここは?」
  ──懐かしい匂いがした。
シノ・イリヤ「ここは、僕らが行き着いた終わりだよ」
フィン・クラーク「シノ・・・・・・?」
フィン・クラーク「どうしてそんな格好を?!」
シノ・イリヤ「君もだよ、フィン・・・・・・」
フィン・クラーク「!?」
フィン・クラーク「何が起きたんだ・・・・・・」
  水面に映る自分の姿が歳を取っている。
シノ・イリヤ「これが、君が犯した罪の果て──」
フィン・クラーク「シノ、何を言っているのかさっぱり分からないよ・・・・・・」
シノ・イリヤ「思い出して・・・・・・」
シノ・イリヤ「フィン、君こそが元凶だったんだよ」
フィン・クラーク「うっ・・・頭が──」
  町が──
  ──国が
  燃えていた──・・・・・・
フィン・クラーク「僕は破壊したんだね、この国を──」
シノ・イリヤ「そう・・・・・・」
シノ・イリヤ「けど、それは遠い昔の過去の話だよ」
シノ・イリヤ「僕と出会う前のずっと昔のこと」
フィン・クラーク「・・・・・・」
シノ・イリヤ「フィンは、何度も取り戻そうとしてる」
フィン・クラーク「そう・・・・・・僕は何度もやり直したんだ」
シノ・イリヤ「君の手で罪なき人間が大勢、死んだ」
シノ・イリヤ「君と同族であった魔法師が追放された──」
フィン・クラーク「くっ・・・・・・」
シノ・イリヤ「すべては・・・・・・」
  シノを取り戻すために──
フィン・クラーク「・・・・・・」
シノ・イリヤ「もう、分かったよね」
フィン・クラーク「シノはここには居られない・・・・・・」
シノ・イリヤ「ああ──」
シノ・イリヤ「昔──いや、未来かもしれない・・・・・・」
シノ・イリヤ「僕も君と同じことをした──」
フィン・クラーク「え・・・・・・?」
シノ・イリヤ「復讐のために生きた」
フィン・クラーク「──けど、それは間違いだった」
「僕は変われた──」
「──君に出会ったから」
シノ・イリヤ「同じ気持ちだ」
フィン・クラーク「取り戻そう」
「それぞれの未来を──」
  ──さようなら

〇豪華な部屋
???「来週の魔法試験? そんなん余裕に決まってるじゃない」
「さすが! 由緒ただしき魔法師の家系のお嬢!」
???「もう、やめてよ〜」

〇謁見の間
キング・ボス「お前が戻ってからこの国は随分豊かになった」
ニール「はい、お父様──」
ニール(今回は、街の様子が豊かだわ・・・・・・)
  これで9回目のやり直し──
キング・ボス「その身を賭してでもこの国を護りなさい」
キング・ボス「お前を誇りに思うぞ、騎士団ちょ──」
フィン・クラーク「ちょっと待った!!」
キング・ボス「何者じゃ!」
ニール「──フィンなの!?」
フィン・クラーク「待たせた・・・・・・」
フィン・クラーク「私がこの国の新たな騎士団長となります」
キング・ボス「何を言うとる!?」
キング・ボス「突然現れた奴に騎士団を預けられる訳が──」
ニール「──預けます」
キング・ボス「ニール!? 何を言っとるんじゃ?」
ニール「彼は相応しいです」
フィン・クラーク「──かつての騎士団長の・・・・・・」
ニール「意志を継ぐものですから──」
キング・ボス「なんじゃ? 何の話じゃ?」
  僕は世界を変えた。
  皆が苦しまない世界を取り戻すために。

〇綺麗な港町
ニール「随分、この国も変わったわ」
フィン・クラーク「そうだね──」
ニール「なんて顔してるのよ?」
ニール「私たちのお披露目だったって言うのに!」
フィン・クラーク「・・・・・・」
フィン・クラーク「まるで僕の知らない世界だ」
ニール「それはそうよ・・・・・・」
ニール「私たちは過去を変えたんだもの」
ニール「国から魔法師が追放された記録も」
ニール「──シノ・イリヤが存在した過去も消えた」
フィン・クラーク「・・・・・・」
ニール「だ・か・ら!!」
ニール「そんな顔しないの!!」
フィン・クラーク「・・・・・・」
ニール「──仕方ないじゃない」
ニール「シノは元々この世界の住人じゃなかった」
ニール「──シノは元の世界で楽しくやってるわよ」
フィン・クラーク「だと、いいな・・・・・・」
ニール「ここでのことは何もかも忘れてしまったでしょうけど──」
ニール「けど、私たちが戻りたかった世界は・・・・」
フィン・クラーク「この世界だ」
ニール「元はといえば、あなたが起こした反乱の歪みが原因なのよ?」
フィン・クラーク「すまなかった・・・・・・」
ニール「けど、お礼を言うわ」
ニール「──ありがとう」
  シノに出会わせてくれて
ニール「心から感じる──」
ニール「シノのこと好きだったなって・・・」
  ニールの髪が風に乗ってそよそよと靡いた。
フィン・クラーク「僕もだ」
ニール「ここから始めましょう、新しい物語を」
フィン・クラーク「ああ」
シノ・イリヤ「うわ、びっくりした」
「えぇえええええ」

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