二人の絆

そよかぜフィリップ

読切(脚本)

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〇黒

〇幻想2

〇公園のベンチ
のん子「ねえマキコ!聞いて、事件よ!」
マキコ「のん子、どうしたのよ?」
のん子「昨日、夢に凄い人が出てきたの!」
マキコ「え?誰?」
のん子「当ててみて! 超大物よ!」

〇幻想2

〇公園のベンチ
マキコ「判った!」
マキコ「堀之内九一郎でしょ!」
のん子「誰よ、それ!」
マキコ「じゃあ、高橋がなり!」
のん子「知らないわよ!」
のん子「ヒントは歴史上の人物よ!」
マキコ「歴代上の人物?」
マキコ「あ、判った!」
マキコ「キタケイ・ハラヒトだ!」
のん子「誰なのよ?」
マキコ「漢字で書くと北京原人ね」
のん子「それ『ペキンゲンジン』って読むのよ! 原始人でしょうが!」

〇幻想2

〇公園のベンチ
マキコ「ちょっと!いきなり嵐よ!」
のん子「おかしいわね? 石原悪純が今日は晴れるって言ってたのに」
マキコ「移動しましょうよ!」
のん子「そうね!」

〇通学路
のん子「・・・」
マキコ「その帽子いいわね」
のん子「そうでしょ?」
のん子「こんな豪雨でも全然濡れないのよ!」
マキコ「へえ! スゴイわね!」

〇開けた交差点
マキコ「なんか憂鬱な気持ちになるBGMね」
のん子「これ、タイトルが『残酷な結末』らしいわよ」
マキコ「どんよりしてくるわ・・」
のん子「ホントね」

〇幻想2

〇けもの道
マキコ「そういえばアナタ、創作活動の方はどうなってるの?」
のん子「最近、タップノベルにハマってるわ」
マキコ「タップノベル? 知らないわね」
のん子「結構面白いのよ!」
のん子「でもこの前、怪人コンテストに応募したら」
のん子「『余計な説明ばっかりしやがって』って言われて傷付いたわ」
マキコ「そう・・ アナタ、結構気にする方だもんね」
のん子「そうなの・・」
のん子「もっとタフにならないとダメね」

〇幻想2

〇枯れ井戸
マキコ「わ!古井戸だわ!」
のん子「ホントね・・ 古井戸って不吉よね」
マキコ「そういえば、なんかクイズ出してなかった?」
のん子「あ、そうよ!」
のん子「昨日の私の夢に出てきた人よ!」
のん子「あれ?」
マキコ「どうしたの?」
のん子「歴史上の人物の他に、 オジサンも出てきた気がするわ」
マキコ「オジサン?」

〇幻想2

〇枯れ井戸
のん子「なんか・・ 凄く悲しそうだったわ」

〇幻想2

〇枯れ井戸
のん子「いや、そうでもなかったかな? 笑ってた気もする」

〇幻想2

〇枯れ井戸
のん子「確か・・ 顔から木が生えてきた後、ピカピカ光ってた」
マキコ「不気味ね」
マキコ「そんな、訳の判らないオジサンの事なんか、ほっとけばいいのよ」
のん子「そうね!」
マキコ「もしかしてタップノベル運営してる会社の社長だったりしてね!」
のん子「そうかもね!」

〇枯れ井戸
マキコ「あ!晴れてきたわ!」
のん子「ホントね!」
マキコ「石原悪純の言った通りだわ!」
のん子「さすが石原悪純ね!」
のん子「でもさぁ・・ 創作活動も結果が出ないと辛いわ」
マキコ「気持ち判るわ」
マキコ「私もファッションデザイナー志望だけど、誰も認めてくれないのよ!」
のん子「ちょっとデザインが斬新すぎるんじゃない?」
のん子「あと、シャツだけで外出するって、まだ時代が追い付いてないんじゃないの?」
のん子「下も履いた方がいいわよ」
マキコ「そうなのかなぁ・・ 前衛的すぎるのかな・・」
のん子「でも、そのうち時代がアナタについてくるわ!」
のん子「だから、お互いに諦めないで粘りましょ!」
マキコ「うーん・・」
マキコ「でも、このまま光が見えなかったら、私どうなっちゃうんだろう」
のん子「大丈夫よ!」
のん子「『やまない雨はない』って言うじゃない?」
のん子「今みたいにね!」
マキコ「ステキな言葉ね!」
マキコ「雨がやまなかったら、困る人いっぱいいるもんね!」
マキコ「例えば、プロ野球選手とかさ」
のん子「え?プロ選手選手はドーム球場だから大丈夫じゃないの?」
マキコ「あ、そうか!アッハッハッハッ!」
のん子「アッハッハッハッ!」
マキコ「アッハッハッハッ!」

〇幻想2

〇枯れ井戸
のん子「そろそろ戻らない?」
マキコ「そうね」
マキコ「考えてみたら、私達、何でこんな所に来たのかしらね?」
のん子「言われてみればそうね・・」

〇公園のベンチ
マキコ「やっぱり、ここが一番落ち着くわね!」
のん子「ホントね!」

〇幻想2

〇公園のベンチ
マキコ「そうだ!」
のん子「なに?」
マキコ「アナタの夢に出てきた人って卑弥呼じゃない?」
のん子「ええ~! 何で判ったのよ!」
マキコ「そりゃ、判るわよ!」
マキコ「だって私達、親友じゃない!」
のん子「・・・そうね」
のん子「間違いなく親友だわ」
のん子「アナタがいてくれてホントに良かった・・」
のん子「どうもありがとう」
マキコ「な、なによ、急に・・ 恥ずかしいじゃないの」
のん子「いや、私・・」
のん子「長い付き合いだけど、 感謝の気持ちを伝えた事なかったから」
マキコ「・・・言わなくてもいいのよ」
マキコ「それが親友ってもんじゃない」
マキコ「おい!作者!」
マキコ「いい加減、辛気臭いBGMやめなさいよ!」
マキコ「今の私達の心情に合わせてよ!」
マキコ「他にあるでしょ?」
マキコ「・・・」
マキコ「そうそう、コレコレ!ってバカヤロウ!」
マキコ「これは『怪奇現象』じゃないの!」
マキコ「もっと適切なBGMがあるでしょうが!」
マキコ「ホント、センス疑うわ」
マキコ「頼むわよ!」
マキコ「・・・」
マキコ「そう!これよ!これ! 『死闘』よ!」
のん子「なんかコレも違う気がするんだけど・・」
マキコ「え、そう?」
マキコ「これから人生に戦いを挑む私達にピッタリじゃないの!」
のん子「そう言われればそうね!」
マキコ「そうでしょ?アッハッハッハッ!」
のん子「アッハッハッハッ!」
マキコ「アッハッハッハッ!」
のん子「・・え?」
マキコ「どうかしたの?」
のん子「今、卑弥呼様からメッセージを受け取ったわ!」

〇幻想2
謎の美女「このまま、自分達が思う道を進みなさい!」
謎の美女「おのずと希望の光が見えてきます」
謎の美女「アーメン!」

〇公園のベンチ
マキコ「卑弥呼様、なんて言ってた?!」
のん子「なんか、アーメンって・・」
マキコ「それ、卑弥呼じゃないわよ」
のん子「・・・じゃあ誰なの?」
マキコ「知らないわよ」
マキコ「まあ、誰だっていいじゃない」
マキコ「アナタの事を見守ってくれてる守護霊みたいなのじゃない?」
のん子「そうか・・心強いわね!」

〇幻想2

〇公園のベンチ
のん子「あ!オジサンからもメッセージが届いたわ!」
マキコ「え?なんだって?」
のん子「君達の友情にカンパイ、って!」
マキコ「へえ!」
マキコ「・・・ふふっ」
マキコ「判ってるじゃないのよ、オジサン!」
マキコ「じゃあハッピーエンドにふさわしいBGM、 ヨロシク!」
マキコ「カモン!」
マキコ「・・・」
マキコ「ちょっと!」
マキコ「なんでここで『敗北』なのよ!」
マキコ「ホンット、この作者、センス無いんだから!」
のん子「ホントよね!アッハッハッハッ!」
マキコ「アッハッハッハッ!」
のん子「アッハッハッハッ!」
マキコ「アッハッハッハッ!」

〇幻想2
オジサン「ぐええええ!」
オジサン「ぐええええ!」
オジサン「ぐええええ!」
オジサン「ぐええええ!」
オジサン「ぐええええ!」
オジサン「ぐええええ!」
オジサン「お!」
オジサン「わ!」
オジサン「り!」
  劇終
  
  二人の絆.製作委員会
  2022

コメント

  • 普通の会話と思いきや、こじらせ女子のひねくれ根性がボロボロとこぼれ落ちてくるような二人のセリフの応酬に笑ってしまいました。悪純てw。BGMのタイトルも知らなかったので色々勉強になりました。

  • 終始ぶっ飛んでいるにも関わらず、ストーリーの独自性からか、次にどんな台詞がくるのだろう期待してしまい、最後まで楽しめました😆
    読者を離さない演出パターン、すごいです✨

  • 絵柄にピッタリのシュールなお話でした。
    のん子とマキ子の話見ながら、確かにオンナってどうでもいいこと長々話すんだよね…と思いました。
    ヒミコがアーメンがツボでした。

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