社長になってイケメンと交際するのが理想なの

ルーデンス

第九話 社長の座は私のものよ(脚本)

社長になってイケメンと交際するのが理想なの

ルーデンス

今すぐ読む

社長になってイケメンと交際するのが理想なの
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇豪華なベッドルーム
川尻未歩「あなた達、いったいいつまでここにいるつもり?」
ピエール「すみません未歩さんのダブルベッドを使わせて頂いて」
川尻未歩「そうよ、何で家主の私が居間のソファで寝て居候のピエールと芙美が私のダブルベッドをつかってるの?」
佐藤芙美「そんなに怒らなくてもいいじゃない・・・離婚が成立したから出てゆくわ」
川尻未歩「離婚っても、あなた達の浮気が原因でしょ?上手くは行かないんじゃないの?」
佐藤芙美「大丈夫!!今までの旦那の浮気の記録は探偵からの報告書で残してあるしね」
川尻未歩「ところで、何で浮気を?芙美は良妻賢母で義母とも上手くやってたじゃない?」
佐藤芙美「私の人生の優先順位は、私を愛してくれる人と暮らして仕事をバリバリとこなす事なの・・・愛してくれない人とは、もうウンザリ」
川尻未歩「で、これからどこへ?」
ピエール「フランスへ帰り二人でデザイン会社をやろうと思ってます」
川尻未歩「待って・・・うちの会社との契約は?」
佐藤芙美「今度はフランスでのデザイン会社との契約とする事をお父様に了解してもらったわ」
ピエール「色々お世話になりました」
佐藤芙美「未歩もフランスに来る事があれば泊まらせてあげるわね・・・それじゃぁお元気で」
川尻未歩「なぁんだ私と同じだった訳か、優先順位」

〇病室のベッド
吉田翔子(龍平はまだ幼いから母親である私が必要なのに、私が死んだら、あの子どうなるかしら?・・・寛がもし再婚したら母親に虐められる)
吉田龍平「ママー、未歩おばちゃんに絵本買ってもらったよ」
吉田翔子「あら、良かったわね・・・未歩さん、悪いわね気を使わせて」
川尻未歩「いいのよ、これくらい。それよりもお加減は?」
吉田龍平「病院の遊戯室に行って来るねママ」
吉田翔子「気をつけるのよ」
吉田翔子「龍平は未歩さんを大分気に入ってるみたいね」
川尻未歩「そうかしら?」
吉田翔子(そうだ、未歩さんなら、龍平も懐いているし、頼んで見ようかしら)
吉田翔子「今度、手術するの私」
川尻未歩「大変ね・・・でも頑張って、龍平ちゃんの為にも」
吉田翔子「そうね、ねぇ未歩さん・・・お願いがあるんだけど」
川尻未歩「なぁに?」
吉田翔子「万が一、万が一よ・・・手術が上手く行かなくて龍平と寛だけになった時・・・未歩さんが龍平の母親になってくれる?」
川尻未歩「そんな弱気ではダメダメ・・・何が何でも生きると思わないと」
吉田翔子「だから万が一よ・・・お願い」
川尻未歩(後添えはムリだろうな・・・寛がウンといわないだろうし)
川尻未歩「だから何弱気になってるの・・・そんな心配より治療に専念すべきよ、龍平ちゃんや寛の為にも」
吉田翔子「今、私の人生の優先順位はね息子の龍平がちゃんと育ってくれる事なの・・・だからお願い」
川尻未歩「分かったわ貴女の気持ちに沿うように努力するから」
吉田翔子「ありがとう・・・これで安心して手術に臨めるわ」

〇病院の診察室
川尻未歩「えっ?」
佐藤医師「な、何の御用なの?」
川尻未歩「今の・・・久保常務じゃない?」
佐藤医師「チョットね、それよりも何の御用?」
川尻未歩「やるじゃない義母さんも」
佐藤医師「そ、そんなんじゃ・・・」
川尻未歩「ハイ、これ芙美ねぇの離婚届・・・お金は要らないそうよ・・・お互いに浮気をしてるから」
佐藤医師「分かったわ、それだけ?」
川尻未歩「翔子さんの手術の事だけど・・・成功するんでしょ」
佐藤医師「正直に言って・・・難しいわね、場所が膵臓だし、発見も遅れてるから」
川尻未歩「えっ?助からないと・・・」
佐藤医師「寛さんにも伝えてあるわ・・・覚悟するように」
川尻未歩「可哀想に・・・だから私にあんな依頼をするのね」

〇屋敷の書斎
川尻未歩「あのテレビでの表明はどういう事なの ?社長」
吉田寛「ビックリしました、まだ引退する歳でもないですよ」
川尻悟朗「いや、驚かして悪かった・・・でも以前から決めていた事だから」
吉田寛「以前から?」
川尻悟朗「そう、社長職は弟に譲る決まりだったからね」
川尻未歩「どうして?」
川尻悟朗「私には、娘しか居なかったから、親族との取り決めで」
吉田寛「でも、その弟さんは亡くなっていますよ」
川尻悟朗「だから私は弟の子供を探して、吉田君、君を見つけたんだ」
川尻未歩「分かったわ・・・で、後継者はどうするの?」
川尻悟朗「次期社長には吉田君になってもらうつもりだ」
川尻未歩「冗談じゃないわ、じゃぁ何で私を副社長にしたの?」
川尻悟朗「わかってくれないか・・・副社長までなら儂の裁量でいいが、社長は株主とりわけ親族の意向に縛られてしまうんだ」
川尻未歩「納得ゆかないわ・・・つまり実績より血筋ということ?」
川尻悟朗「それが大株主達、親族の意向だからね」
川尻未歩「馬鹿馬鹿しい・・・帰る」
川尻悟朗「あいつにも困ったものだ・・・」

〇病院の診察室
佐藤医師「ハイ、」
佐藤医師「あら、未歩さん・・・何の御用かしら?」
川尻未歩「先生、吉田君の遺伝子検査・・・本物?」
佐藤医師「な、何を今更」
川尻未歩「どうなの?・・・久保常務といい仲なのは知ってるのよ」
10代の佐藤「奨君・・・」
10代の久保「佐藤・・・好きだよ」
佐藤医師「奨は高校時代の元カレ・・・事情があって一緒になれなかったけど」
川尻未歩「それで、元カレから嘘の遺伝子検査を頼まれたって訳ね・・・でもなぜ」
佐藤医師「何でも、社長の弟の子供を探していたんだけど娘さんだったので身代わりの男に遺伝子検査をすり替えて欲しいって頼まれて」
川尻未歩「それが吉田専務だった訳か・・・それじゃぁ吉田専務の本当の検査結果を出しなさい」
川尻未歩「預かっておくわ」

〇綺麗な会議室
吉田寛「何ですか?いきなり呼び出して」
川尻未歩「これを読んでくれる?」
川尻未歩「そう、この検査報告書には、検体の遺伝子情報と一致しないとあるわ」
吉田寛「どういう意味なんだこれは、」
川尻未歩「つまり、吉田専務は遺伝子上、川尻家の人間ではない事を示しているの」
吉田寛「しかし、久保常務は私が亡くなった弟さんの婚外子だと・・・」
吉田寛「どういう事なんだ、久保常務」
久保奨「こんなに早くバレてしまうとは・・・」
吉田寛「それじゃぁ、嘘の検査報告書をでっち上げたのか・・・直ぐ社長に報告して、後継者指名を取り消してもらわなければ」
久保奨「もう遅い・・・既に正式な文書で廻っている」
川尻未歩「そうね・・・ところで、弟の娘さんはだれなの?」
久保奨「翔子さんです・・・吉田専務の奥さんの」
吉田寛「えぇっ・・・翔子が」
川尻未歩「兎に角、社長就任の席で辞退することね、吉田専務」

〇手術室
吉田翔子「今日まで寛と一緒になって楽しかったわ、ありがとう・・・ねぇ、お願いがあるんだけど」
吉田寛「何だい?」
吉田翔子「私に万が一の事があった時は未歩さんを後添えにしてくれる?」
吉田寛「そんな弱気でどうする・・・龍平の事があるんだぞ、気をしっかり持って・・・これからも二人で龍平を育てなきゃ」
吉田翔子「その龍平の為にも龍平と仲良しの未歩さんに母親に・・・」
吉田寛「うるさい!万が一の時は俺一人で龍平を育てて・・・」
吉田翔子「現実に貴方一人で龍平を立派に育て上げられるの?・・・無理に決まってるじゃない」
吉田寛「分かった、その事は検討してみるよ」
吉田翔子「ありがとう貴方・・・龍平を頼みますね」

〇病院の廊下
吉田寛「先生、手術・・・どうでした?」
佐藤医師「手は尽くしたんですが・・・残念です」
吉田寛「そ、そんなぁ」

〇葬儀場
吉田龍平「ねぇパパ、外で遊びたいな」
吉田寛「ダメだ、お葬式なんだから静かにママを見送ろうな」
吉田龍平「え~え、つまんない」
川尻未歩「じゃぁ、少し外におばさんと行こうか?」
吉田龍平「ウン」
吉田寛「車に気を付けてね」
吉田寛「あっ、久保常務」
久保奨「この度はご愁傷様です」
吉田寛「少し、話しませんか?」
久保奨「ウンそうだね聞きたい事があるんだろう?」
吉田寛「ハイ、何故私を息子と偽ったんですか?」
久保奨「弟の子供が娘さん・・・翔子さんと分かった時点で私が、翔子さんが好きだった君を息子に仕立て上げたんだ」
久保奨「協力してくれたと言えば佐藤女医も色々とね・・・未歩さんを妊娠した事にして偽の薬を飲ませたし、君の遺伝子検査も」
吉田寛「それじゃぁ、未歩さんの奇病も嘘?」
久保奨「それは本当さ、パリで病院に入る所を見たろう」
川尻未歩「龍平ちゃんが、車にぶつかって」
吉田寛「なんだってー!」

次のエピソード:第十話 ハッピーな選択

成分キーワード

ページTOPへ