狂愛リフレイン

gaia

9話 大好きなお兄ちゃん❷(脚本)

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〇家の廊下
まつり「みこちゃんったら、もうあの年で恋愛相談、だなんて」
まつり「しかも相手は【お兄ちゃん】の雄太かぁ」
まつり「さっきは、ちょっとびっくりしたけど」
まつり「ずっとお兄ちゃんしか頼れなかったんだから、雄太しか男の人知らないよね」
まつり「他に好きな人ができるまで、協力してあげよう」
まつり「お姉ちゃんだもん!」

〇黒
  兄妹で本気で相手のことを恋愛対象として好きになることは
  特にまだみこちゃんは小さいし、あり得ることだよね
  でも、大人になっていくうちに気づくよね
  ちゃんと、気づくよね

〇家の廊下
みこ「まつりお姉ちゃん」
まつり「どうしたの?みこちゃん」
みこ「れんあいそうだん、乗って」
まつり「.....」
まつり「うん、いいよ!」
みこ「みこ、お兄ちゃんとみこの兄妹の関係やだ」
みこ「どうしたらいい?まつりお姉ちゃん」
  この関係が嫌だ......か、可愛いなみこちゃん
  れんあいそうだん、乗るっていったからにはちゃんと『付き合って』あげないと
まつり「そうだなぁ......」
まつり「お兄ちゃんじゃなくて、名前で呼んでみたら?」
まつり「「お兄ちゃん」だと、いつもの関係のまま相手も意識してくれないと思うの」
みこ「......」
みこ「わかった」
みこ「やってみる」

〇家の廊下
みこ「雄太」
雄太「ど、どうしたみこ」
雄太「不良になったのか?」
みこ「みこ、お兄ちゃんにもっと女の子としてみてもらいたい」
雄太「みこは女の子だろ?」
雄太「何かあったのか?」
みこ「......なんでもない」

〇ダイニング
みこ「お兄ちゃん、困ってるだけで意識してくれなかった」
まつり「そっかぁ......」
まつり「あ、そうだ」
まつり「今クラスで話題になってる縁結びの神社があるんだよ」
みこ「えんむすび?」
まつり「うん」
  ふふ、みこちゃん目をキラキラさせて、可愛いなぁ。

〇古びた神社
  番幅神社だよ
  噂なんだけどね
  あそこで毎日恋が叶うまでお祈りすれば恋が叶うらしいの
  毎日は無理だろうけど、一度行ってみるのもいいんじゃないかな?

〇ダイニング
みこ「今から行ってくる」
まつり「今から?」
みこ「うん......」
まつり「明日にしたら?もう日が暮れるし」
みこ「ううん、今行く」
  こういうとみこちゃん聞かないからなぁ......
まつり「よし、じゃあお姉さんも行く!」
みこ「え?」
まつり「危ないし、場所もわからないでしょ?」
みこ「う......うん」
まつり「じゃあ、今から行こっか」

〇古びた神社
まつり「ふぅ、ついたね」
  長い階段の先に、番幅神社は聳え立っていた。
まつり「階段長かったけど大丈夫?」
みこ「平気」
  汗一つかいてないみこは、古ぼけた神社を真っ直ぐ見つめた。
みこ「お兄ちゃんと......雄太と結婚できますように雄太と恋人になれますように雄太とずっと一緒にいられますように」
  雄太と......雄太と......繰り返すみこに、まつりはなんだか背中が寒くなった。
  まつりは、自分の雄太への気持ちに少し自覚があった。
  しかし、みこがここまで真剣にお願いしているのをみてなんだかみこが可哀想になってきたのだ。
  ここまで真剣に、想っているなんて.....まつりは、目をキッと見開いて目を閉じているみこの隣で手を合わせた。

〇黒
  そして願った。
  『みこちゃんが、ちゃんと雄太を諦めて好きな人と結ばれることがでいますように』
  このままみこちゃんが、雄太を好きでい続けても辛い結果になるだけ。
  だって【兄妹】なんだもん。
  私が雄太を好きになりかけてるのは関係なくみこちゃんが辛くならないように、幸せな恋ができますように。
  みこちゃんが、ちゃんと雄太を諦めてちゃんとした恋ができますように。
  まつりが願っている間もみこは、「雄太と......」と目を固く閉じて願い続けた。

〇黒
  幸せな恋の結末を迎えることができますように。
  幸せな結末を迎えることができますように。
  幸せな恋の結末を......

次のエピソード:10話 大好きなお兄ちゃん❸

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