ショーパンヒーローと怪人

美神輝希

ショーパンヒーローと怪人(脚本)

ショーパンヒーローと怪人

美神輝希

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ショーパンヒーローと怪人
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〇テレビスタジオ
村上良夫「この度のことは秘書が勝手にやったことです。私も驚いております」

〇テレビスタジオ
村上良夫「私の責任において、秘書にはしかるべきペナルティを与えます!!」

〇血しぶき
秘書「くそー!!」
うらみん「うらららららあああああああ」

〇通学路
モブキャラA「やーい!嘘つき!」
村上すずか「あたしに言われても・・・」
輝希「ちょっと、何してんの!? 弱いものいじめしてるなら、スーパーヒーローの僕が許さないからね!!」
モブキャラA「違うって。悪者退治だ」
輝希「悪者って、この子が?」
モブキャラA「そうだぜ。こいつのじいちゃん嘘つきで、悪いことしてもみんな他人のせいにするんだ!」
輝希「それは酷っ! 蛙の子は蛙って言うし。 きっとこの子も・・・」
モブキャラA「ショーパンのお姉ちゃんも、そう思うだろ?」
輝希「被害者が出る前に、悪い芽は摘まないとね」
村上すずか「あの・・・たしかにあたしのおじいちゃんは悪名高き村上良夫だけど・・・あたしまで一緒にされても・・・」
輝希「エッ!?村上良夫って、あの次期総理大臣候補と言われている、政界の大物!?」
村上すずか「そうみたいだけど・・・」
輝希「こら、そこのグリーンボーイ!悪いのはお前の方だ!」
モブキャラA「な、なんだよ。それ・・・もういいよ」
輝希「よし、可愛い僕の活躍で平和は守られた」
村上すずか「は、はあ?」
輝希「僕は輝希。世界の平和を守るスーパーヒーロー。君は?」
村上すずか「あたしは野上すずか」
輝希「すずかちゃん、くれぐれもおじい様によろしく。君の窮地を救ったのは、僕だってこと、1日3回は話してね」
村上すずか「・・・お兄ちゃん、あざといね・・・」
輝希「エッ!?今僕のことお兄ちゃんって・・・ 僕が男の娘だって分かるの?」
村上すずか「うん、分かるよ。いくら見た目が女の子でも、あたしとはやっぱ違うし・・・」
輝希「そういうものなんだね・・・」

〇川沿いの公園
村上すずか「どこまでついてくるの?」
輝希「安心して。君は僕が守るから」
非モテ男「あの・・・」
輝希「わあっ!びっくりした」
非モテ男「こ、これ・・・」
輝希「ん?プレゼント?」
輝希「なんだ、安っぽい」
村上すずか「エッ!?捨てるの?」
輝希「毎日毎日見知らぬ相手から告られてさ・・・いちいち相手してらんないんだよね。ま、僕の可愛いさが罪なんだけど」
村上すずか「はあ・・・」
非モテ男「うう・・・・・・」

〇血しぶき
非モテ男「ぐぬぬぬぬぬ」

〇荒廃した街
「うらららららああああああああ」
輝希「な、なに・・・」
秘書「やっと見つけました。すずかお嬢様」
輝希「だ、誰!?」
村上すずか「あなた確か、おじいちゃんの秘書・・・」
秘書「そうです。あなたのおじい様に酷い目にあわされました秘書です。この恨み晴らさせて頂く所存です」
輝希「はあ?」
秘書「つきましてはおじい様にも私と同じ苦しみを味わって頂きます。可愛そうですが・・・」
秘書「お嬢様のお命頂戴いたします」
輝希「そんなの僕が許さない!!」
秘書「ショーパン娘には関係ないことゆえ、お口を挟まないで頂きたい所存」
うらみん「うらららららああああああああ」
輝希「み、醜い・・・」
輝希「考えてみれば、僕には関係なかったね。 じゃあ帰るから・・・」
村上すずか「あたしを守ってくれるんじゃなかったの?」
輝希「だって、こんなキモいのと戦ったら、僕の可愛さに傷がついちゃう・・・」
うらみん「うらああああああああああああああ!!」
輝希「うわあっ!! あぁ!! あっ・・・あっ・・・」
輝希「ふうん・・・」
村上すずか「て、輝希さん・・・失神しちゃった?」
うらみん「まだ何もしてませんが・・・」
村上すずか「弱すぎ・・・」
うらみん「まあこれで邪魔するものはいなくなりました。お嬢様、お覚悟!願います」
村上すずか「い、いやあ!」
デルジオーネ「やめろ!!」
うらみん「どちら様ですか?」
デルジオーネ「俺はデルジオーネ。 小娘に手を出すのは感心しないな」
うらみん「貴方様に何が分かるのでございますか?」
デルジオーネ「分かるさ。俺も恨みから生まれた怪人だからな」
うらみん「同じ怪人ですか。お世話になっております」
うらみん「ぐわあっ!!」
輝希「んん・・・」
輝希「あれ?僕どうしてたんだろう・・・」
輝希「あっ!!この醜い化け物死んでる・・・ さすが、僕。 可愛さで倒しちゃった」
村上すずか「突っ込む気力なくすなあ・・・」
輝希「あっ、すずかちゃん。怪物を倒したのは僕だからね。あの剣をもったやつじゃなくて」
村上すずか「失神したフリしてたんだ・・・ ますます最低・・・」

〇テレビスタジオ
村上良夫「輝希さん。孫を守ってくれてありがとう」
輝希「当然です。僕はスーパーヒーローですから」
村上すずか「収録だからって、なにその恰好・・・ あざとすぎ・・・」
村上良夫「少ないけどお礼です」
輝希「本当はこういうの駄目なんですけど、将来の首相に恥かかせられないですから、もらっときます」
村上すずか「もう・・・」

〇川沿いの公園
村上すずか「まだあたしに付いてくんの? また化け物でても知らないからね」
輝希「だって秘書は死んだじゃん」
「つららららららあああああああああああああ」
輝希「エッ!?何?」
秘書の姉「見ーつけた、すずかちゃん」
村上すずか「貴方、おじいちゃんの秘書のお姉さん」
輝希「はあ?」
秘書の姉「そう。弟がすずかちゃんのおじいさんにされた恨み。そして弟が殺された恨み。まとめて晴らす!!」
つらみん「つららららららああああああああああ」
輝希「ぼ、僕は無関係・・・」
つらみん「弟をやったのはショーパン娘、お前だろう!! 放送見てたぞ!!」
輝希「いや、僕は娘じゃあ・・・」
つらみん「つららららららあああああああああああ!」
輝希「エアッ・・・んふっ・・・」
輝希「すうっー」
村上すずか「ちょっと・・・また・・・」
つらみん「すずかちゃん、覚悟なさい」
輝希「・・・」
デルジオーネ「小娘に手を出すな!!」
村上すずか「かっこいい・・・」
つらみん「ふん、恨み倍増で強さも倍になった私に、そんな攻撃効かんわ!!」
デルジオーネ「くっ・・・」
デルジオーネ「ぐわあっ」
つらみん「つらあっ」
デルジオーネ「・・・」
つらみん「・・・」
村上すずか「エッ!?相打ち・・・」
つらみん「ふっ・・・私にはまだ98人きょうだいが、いる・・・」
輝希「はあ?両親どんだけ頑張ったの?」
村上すずか「起きた・・・っていうか、ずっと失神したフリしてたんだよね」
つらみん「フフ。私がやられた恨みで、さらに強さをました化け物になるぞ。覚悟しなさいよ」
つらみん「・・・」
村上すずか「あと98人・・・」
輝希「ど、どうしよう!?デルジオーネもやられちゃったし・・・」
輝希「ぴえん。世界一可愛い僕までやられちゃったら、全人類の損失だよ」
村上すずか「よく恥ずかしげもなく・・・」
村上すずか「化け物を倒したのは僕じゃありません、って白状して、金一封も返したら?」
輝希「そんなことしたら、僕の評判がた落ちだよお」
村上すずか「元々評判なんてあったの?」
村上すずか「じゃあさ、おじいちゃんに頼んでどっかにかくまってもらう?」
輝希「おじいちゃん・・・ それだ!」

〇テレビスタジオ
輝希「すずかちゃんを襲った化け物を倒したのは、僕の弟子です。弟子が勝手にやりました」
輝希「だから恨むなら僕の弟子を恨んでね。 もちろん、弟子の手柄は僕の手柄だけどね」
村上すずか「都合良すぎなんだけど・・・」

〇荒廃した街
輝希「よし、これで僕の名誉は守られた」
村上すずか「何それ・・・またプレゼント?」
輝希「そ、センス無さすぎでウケる」
村上すずか「で、またこれみよがしに捨てるんだね・・・」
輝希「じゃあ、すずかちゃんともお別れだね。そうすれば僕はもう狙われない」
村上すずか「マジ最低。あたしこそ二度と会いたくない」
輝希「さーて、これで一安心」
「ねたたたたたあああああああああ」
輝希「エッ!?」
ねたみん「みつけたぞ!ショーパン娘!」
輝希「な、なに、最強に強そうなんだけど」
ねたみん「めんどうだから、残りのきょうだい98人全部合体した。だから恨みも強さも98の2乗だ!覚悟しろ!!」
輝希「いやだから、僕は何の関係も・・・」
ねたみん「ねたたたたたあああああああああ!」
輝希「うわあっ!!」
デルジオーネ「小娘に手を出すな!!」
輝希「あれ?死んだはずじゃあ? それに小娘って、すずかちゃんいないけど?」
ねたみん「ふふ、分からんのか?こいつが小娘と言ってたのは、ショーパン娘、お前だ」
輝希「はい?」
ねたみん「つまり、こいつが守っていたのはショーパン娘、お前なのだ」
輝希「どゆこと」
デルジオーネ「ショーパン娘、いや、輝希。俺はお前にフラれたものたちの恨みで出来た怪人」
デルジオーネ「だからお前が誰かをフレば、何度でも蘇る」
輝希「だったら、なんで僕を守るのさ?」
デルジオーネ「さあな・・・」
ねたみん「ねたあ。何度蘇っても、お前の力じゃ俺には勝てん」
デルジオーネ「どうかな」
輝希「輝希、逃げろ!!」
ねたみん「まさか貴様、自爆する気か?」
デルジオーネ「そのまさかだ」
輝希「わあっ!ちょっと!!」
ねたみん「ぐわあっ!!」
デルジオーネ「てる・・・き・・・ どんなに・・・ひどいフラれかたしても・・・」
デルジオーネ「俺は・・・お前を守れて・・・幸せだ・・・」
輝希「・・・」
輝希「・・・」

〇センター街
村上すずか「で、その剣だけが残ったんだ。 大事な形見だね」
村上すずか「エッ!?なんで捨てるの?」
輝希「だってさ、さっき鑑定してもらったら、買取価格0円だって。だからいらない」
村上すずか「武器にすればいいのに・・・」
輝希「僕の武器は可愛さだよ。他にいらない」
村上すずか「ああ、そうですか・・・」
輝希「あっ・・・今日も僕の可愛さのおかげで、平和だなあ」

コメント

  • ヒーロー不在のヒーロー物語で不思議な感じでした。うらみん、つらみんの後にねたみん、そねみん、ひがみん、いやみんとか続々登場するかと思ったら一体にまとまって出てきてちょっと残念。輝希は今まで捨てられたプレゼントの怨念が一つになった怪人にいつか襲われちゃうかもですね。

  • テンポのいいカオス展開に笑ってしまいました。ねたみんが、98人が合体して98の2乗の強さ、考えるとじわじわ楽しくなってくるフレーズですねw

  • デルズイオーネ、すずかちゃんはどれだけ輝希に落胆させられたでしょうね。イタリア在住なので、お話にイタリア語が入っていたのがとても嬉しかったです!輝希がいいとか悪いとかより、彼のように自分の武器はなんなのかがよくわかっている人間って強いなあと思いました。

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