社長になってイケメンと交際するのが理想なの

ルーデンス

第三話 見合い相手の禄でなし野郎共(脚本)

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〇シックなリビング
川尻悟朗「なんて事をしてくれたんだ未歩」
川尻未歩(えぇ、どこから情報が漏れたのかしら?)
川尻未歩「そ、そんな週刊誌の記事なんて、無視すればいいでしょ。お父様」
川尻悟朗「いいか! お前はもう副社長なんだぞ・・・会社の体面を考えろ、」
川尻未歩「そ、そんな事言ったって・・・もう3年も前の話よ、今さら」
川尻悟朗「我が社は、アパレルメーカーだと言うことをまだ理解していないようだな未歩は」
川尻未歩「佐藤さんの病院しか知らない事だから、情報漏洩した佐藤医師の責任でしょ・・・私は無関係だわ」
佐藤医師「私の病院では数多くの職員が働いてますので、漏えいを完全に防ぐのは不可能です」
川尻悟朗「兎に角、お前の社長後継発表は中止だ」
川尻未歩「えぇ~っ、そ、そんなぁ、じゃぁ誰が社長に・・・お父様」
川尻悟朗「入りたまえ吉田君」
吉田寛「失礼します」
川尻未歩「ひ、寛」
川尻悟朗「吉田君は亡くなった弟の婚外子でね、儂が行方を探していたんだが・・・灯台下暗しとはこの事だな・・・彼には役員になってもらう」
川尻未歩「じょ、冗談でしょ・・・第一川尻家の血筋が入っている証拠はあるの?お父様」
川尻悟朗「それは、佐藤女医による遺伝子解析で証明済みだ」
川尻未歩「実績はどうなのよ」
川尻悟朗「久保常務の報告によると3年間で業績を2.5倍に増やしたそうだ」
川尻未歩「わ、分かったけど、肝心な社長後継問題はどうするの?」
川尻悟朗「当面、吉田君と未歩が社長候補とし儂のメガネにかなった方を社長後継として指名する」
川尻未歩「嘘でしょ・・・だって彼、吉田君は関連会社の役員にすぎなかったのよ、お父様」
川尻悟朗「残念だったな未歩、中絶せずに吉田君と結婚していれば、今頃未歩が社長だったのに」
川尻未歩「そ、そんな事今頃言われたって、お父様」
川尻悟朗「これからは儂が勧めるお見合い話に前向きになるんだね・・・そうだ、今度の「パリコレ」の担当を吉田君にするからね」
川尻未歩「えぇ、私がこれまで心血を注いで、ようやくパリコレに出展できるようになったのよお父様」
川尻悟朗「未歩、これからは人前でお父様ではなく社長と呼びなさい・・・未歩も単に専務に降格されただけで社長候補の一人だよ」
吉田寛「私の役職は・・・」
川尻悟朗「おぉ、そうだったな。取りあえず未歩と同格の専務と言う事だ」
吉田寛「分かりました・・・よろしくお願いします川尻専務」
川尻未歩「し、知らないわよ」
川尻悟朗「やれやれ」

〇事務所
デザイナー「副社長、今夜飲みに行きませんか?」
川尻未歩「悪いわね、もう副社長でなく専務よ」
デザイナー「降格されたんですか?それじゃぁ降格祝いと言うことで飲みに行きましょう」
川尻未歩「誰が降格を祝えるのよ」
デザイナー「いやまぁ・・・理由はともあれ飲みに」
川尻未歩「お断りします・・・イラつかせないで頂戴」
デザイナー「残念、折角告ろうと思ってたのに」
川尻未歩「止めてよ、お断りします。男に不自由してないわ」
デザイナー「年齢的には丁度いいですよ僕」
川尻未歩「消えなさい・・・今すぐ」
川尻未歩「全く、お見合い・・・しようかしら?」

〇古めかしい和室
川尻未歩「あら?遅かったかしら私」
見合い相手a「イヤイヤ、私が早すぎたんです・・・川尻未歩さんですよね」
川尻未歩「ハイ」
見合い相手a「私は父が四つ葉銀行の頭取を務めてまして・・・」
川尻未歩(ウゼェ、第一声がこれかよ・・・しゃぁない飯食って帰ろう)
見合い相手a「ところで、御社の業績を調べたんですが、余りよくないですよ」
川尻未歩(テメェ、人の会社の評価を見合いの席でいうんじゃぁねぇ豚野郎)
見合い相手a「僕は37ですけど、ちなみに川尻さんは確か」
川尻未歩(適当に答えてやれ)
川尻未歩「一つ下の35歳ですわ」
川尻未歩(見合い相手の女性の口から歳を言わせるんかいアホ)
見合い相手a「そっかぁ、互いにおじちゃん、おばちゃんって感じですかね」
川尻未歩(な、何だとおばちゃんだって、くそ豚)
見合い相手a「僕はもうちょっと年下の24歳をとの見合いを希望してたんですが親から窘められまして・・・ハハハ」
川尻未歩「ご馳走様、用事がありますので私・・・失礼します」
見合い相手a「じゃぁ、これ全部で14000円ですから未歩さんは7000円・・・いやいや税金は私が払いますよ・・・ところでお茶でも」
川尻未歩「釣りはいらねぇよ豚」

〇旅館の和室
見合い相手b「おぉ、夜遅く、すまんの・・・まっ、寛いで下されや」
川尻未歩「有難うございます」
見合い相手b「儂みたいな年寄りに嫁いで来てくれる奇特なお嬢さんじゃのう」
川尻未歩「はぁ・・・」
見合い相手b「儂の子供は5人で孫が10人皆良い子で優しい、直ぐに仲良くなれるぞ」
川尻未歩「でもそのお歳で再婚なんてお元気ですわね」
川尻未歩(えぇ・・・何にじり寄ってきて・・・イヤダ私の手を握りしめて)
見合い相手b「儂は若いもんに負けんぞ・・・ほれ」
川尻未歩「あ、あの失礼します」

〇古風な和室(小物無し)
見合い相手c「初めまして未歩さん」
川尻未歩(あら、いい男ね・・・今度はまとも見たいね)
川尻未歩「今日はお招きにあずかり有難うございます・・・釣り書きには芸術家ってありましたけど・・・」
見合い相手c「書画、小説、陶芸等芸術全般を嗜んでおります・・・未歩さんもお好きですか?」
川尻未歩「えぇ、勿論・・・特に値段が上がる投資用のものに」
見合い相手c「それは、良い趣味をお持ちでらっしゃる。今度一緒に展示会を見に行きませんか?」
川尻未歩「是非に」

〇ダイニング(食事なし)
川尻未歩「えっ、こんな夜更けに誰?」
見合い相手c「今晩は・・・居てもたってもいられなかったので来てしまいました」
川尻未歩(何なのよこの人・・・まだ一回しか会ってないのに)
川尻未歩「ど、どうされたんですか?」
見合い相手c「一緒に住みましょう未歩さん」
川尻未歩(えぇ・・・何この展開)
川尻未歩「でも、ご自宅は?」
見合い相手c「あぁ、あれは、前の彼女の家でして」
川尻未歩「えっ、居候されてたんですか?」
見合い相手c「ハイ、彼女がどうしてもと言うものですから」
見合い相手c「ところで私の部屋は?」
ピエール「この人誰ですか?」
見合い相手c「初めまして芸術家です」
ピエール「部屋なんてもうありませんよ未歩さん」
見合い相手c「お構いなく私は未歩さんと一緒のベッドで寝ますから」
川尻未歩「ちょ、チョット冗談はよして・・・ピエールと一緒に寝てね」

〇ダイニング(食事なし)
川尻未歩「何よ、朝食どうなってるのよ」
見合い相手c「おはようございます未歩さん・・・朝食はどうなってるんですか?」
川尻未歩「家事全般は男がやるものよ」
見合い相手c「それは間違えですね、古来より女性が家事全般を行い男が外で仕事をするのがノーマルです」
ピエール「おはよう・・・あれ朝食は?」
見合い相手c「どうも未歩が作ってないようだな・・・しかたないここは男と言うものを分からせるか」
川尻未歩「キャ、何するのよ」
ピエール「イヤイヤ、食事は一番下のものがやるものでしょ・・・つまり新入りのアンタが」
見合い相手c「私は男だ・・・誰が家を支えてると思ってるんだ」
川尻未歩「だったら、お金、家に出してくれる?」
見合い相手c「ま、まだ収入はない・・・そ、そうだ小説が売れたら印税が入るから」
川尻未歩「何ですって・・・つまり居候を決め込むつもりなのアンタ」
見合い相手c「い、居候とは何だ芸術家の私に向かって失礼だろう」
ピエール「そう居候じゃなくてヒモだよな芸術家」
川尻未歩「どっちでもいいけど、家事はアンタよ、お金を出すまでは」
見合い相手c「な、何だってこの芸術家であり男性のこの俺をバカにするのか」
川尻未歩「でてけ・・・このろくでなし」
ピエール「しょうがない・・・朝食は外で食べますか・・・ハンバーガーでいいかな未歩」
川尻未歩「そうね」

〇事務所
久保奨「え~皆聞いてくれ、この度この部署を任された吉田専務だ」
吉田寛「吉田寛です若輩者ですがよろしくお願いします」
デザイナー「この部署は未歩専務の部署だ・・・俺は未歩専務の言うこと以外聞かない」
久保奨「お前何年会社員をやってんだよ・・・会社の方針に逆らおうってか」
吉田寛「まぁまぁ、取りあえず今度のパリコレ用のデザイン画を下さい」
吉田寛「えっ、何もなし?」
久保奨「そうだ、吉田専務・・・この機会に株主を回られてはいかがですか?・・・例えば佐藤家とか」
吉田寛「そうだな挨拶廻りをしとくか」

次のエピソード:第四話 匂わせメール

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