壊れた日常 1(脚本)
〇L字キッチン
???「嘘・・・だろう!」
俺は目の前に広がっているあまりにも信じられない光景を目にして手に持っていた鞄を落としてしまう。
???「嘘だ!」
信じられないことに俺の妻である斎川茜は俺の目の前で死んでいた。
〇L字キッチン
胸にナイフが突き刺さった状態で死んでいた。
鮮やかな赤い血がナイフが突き刺さっている胸の部分から大量に地面に向かって落ちて行っている。
茜が横たわっているキッチンの上に視線を向けてみると途中まで切られた玉ねぎがそこに置かれている。
どうやら茜は俺が帰ってくる前ご飯の支度をしている最中に何者かに殺されたらしい。
俺は何が起こったのか全く理解できずしばらくそこに立ち尽くしていた。
???「嘘だ!」
???「嘘だ!」
???「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!」
だって今日の朝まで 。
今日の朝はあんなに元気に!
いってらっしゃい
明るい笑顔で俺を送り出してくれたじゃないか!
溢れんばかりの絶望と悲しみの感情が落ち着いてきたところでふと我に返る。
???「待てよずっとこの場所にいたら俺が茜を殺した犯人にされちゃうんじゃないのか!」
そう思った俺は家の中に上がろうと途中まで脱いでいた靴を履き直し家の外に出た。
〇市街地の交差点
ある程度走ったところで息が切れてしまう。
???「はぁはぁ」
息を切らしながらふと横の方に視線を向けてみると公園のベンチが目にとまった。
特に行く当てもなかった俺はそこのベンチに座りひとまず休憩をすることにした。
〇公園のベンチ
しばらくすると再び血を流して横たわっている光景が蘇ってくる。
???「あんなの嘘だ!」
???「あんなの何かの間違いだ!」
自分に言い聞かせるように強くその言葉を口にする。
そうすればするほど茜との楽しい思い出が心の底から蘇ってくる。
10年前。
〇総合病院
小さい頃から幼馴染だった俺と茜は 大学も一緒に入学することになった。
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