〇華やかな広場
ラック「あれは!?」
天羽春乃「・・・何がどうなってるの？」
ラック「ディアナが浄化されて、今までの生贄の儀式がキャンセルされたんだ」
　　つづいて、地面の中から大きな球体が現れる。
ラック「〈魔法球〉だ。何かを閉じ込めておくための魔法だ」
女の子「・・・ここどこ？」
子供「おねえさんたち、だれ？」
子供「おなかすいた・・・」
　　〈魔法球〉の中から、次々と子供が出てくる。
天羽春乃「ラックちゃん、あの子たちって！」
ラック「ああ、生贄にされた十三人の子供たちが復活したんだ」
ラック「心身ともに問題ないようだな」
天羽春乃「よかった!!　みんな元気で!!」
天羽春乃「あ、朝だ♪」

〇養護施設の庭
天羽春乃「めでたし♪　めでたし♪」

〇教室
天羽春乃「──というわけで、困り事をババーンと解決したの！」
「・・・・・・・・・」
　　休み時間。いつものように春乃は、仲の良いクラスメイトの二人とおしゃべりをしていた。
天羽春乃「ね、すごいでしょ！」
紗弥(さや)「うん。すごく面白かったよ」
紗弥(さや)「春乃ちゃんはファンタジー小説家になればいいと思う」
美佳(みか)「いや、不謹慎でしょ！」
美佳(みか)「ヒマだからって、なんつう妄想話を作ってんの！」
美佳(みか)「怖い場面もいっぱい出てくるし！」
天羽春乃「え～ほんとだよ。ほんとにあたし、魔女の人と戦ったんだから」
天羽春乃「いっぱい危ない目にもあったし・・・」
美佳(みか)「犯人の女の人は、罪の意識に目覚めて自首したってニュースで言ってたよ」
　　写真週刊誌では、誘拐・監禁容疑で逮捕された山里せつ子（自称ディアナ・54歳）のＯL時代の写真が公開されていた。

〇オフィスのフロア
　　そこに写っていた彼女の姿は、まるで押し潰されたガマガエルのようだった。

〇教室
美佳(みか)「森の中にあった犯人の隠れ家も、小さな掘立小屋だって」
天羽春乃「ラックちゃんが言うには、結界が消滅したお屋敷は、魔女界の秘密を守るために魔女の人たちが片付けちゃったんだって」
美佳(みか)「ラックがそんなこというわけないでしょ。あの子、ふつうの白い猫じゃない」
ラック「ニャーニャー」
紗弥(さや)「それに岩崎さんは、妹さんが無事にもどってあんなに喜んでるけど──」
紗弥(さや)「春乃ちゃんのことは何も言ってないみたいだよ」
　　そのとき、春乃は弥生と目が合うも──
岩崎弥生「うん、もう家族みんな元気だよ」
「よかったね、弥生ちゃん」
　　あたりまえのようにスルーされてしまう
天羽春乃（弥生ちゃん、やっぱり事件の記憶はきれいになくなってるんだよね）
天羽春乃（怖い思いをいっぱいしたから、そのほうがいいんだけど・・・）
天羽春乃「でもこれからも魔法少女ハルノとして活動するから、二人とも、何か困り事があったら言ってね」
紗弥(さや)「じゃあ・・・部屋の模様替えとか手伝ってもらおうかな」
紗弥(さや)「魔法少女のハルノさんに・・・」
美佳(みか)「もう、そうやって春乃を甘やかしちゃダメよ」

〇可愛い部屋
天羽春乃「やっぱり二人とも信じてくれなかったよ、ラックちゃん」
ラック「仕方あるまい。そういうもんだ」
ラック「どんなに活躍しても、魔法少女の存在は絵空事だ。誰も褒めてはくれん」
ラック「それより、どうする？」
ラック「魔女との戦いで、おまえも疲れたろう。魔法少女活動はしばらく休むか？」
天羽春乃「ううん。あたし今、すっごく元気だもん！」
天羽春乃「これまでで一番やる気がみなぎってるよ！」
天羽春乃「やっぱり魔法少女になってよかった～!!」
ラック「じゃあ今日も、町内のパトロールに出かけるか？」
天羽春乃「うん、もっちろん!!」

〇ゆるやかな坂道
女子大生「どうしよう、大事なデートに遅刻しちゃう！」
女の子「買ってもらったばかりのお洋服を汚しちゃった・・・」
サラリーマン「ああ、また取引先に怒られる・・・」
「う～ん、困ったなあ・・・」
天羽春乃「愛の力は無限大！　魔法少女ハルノ、呼ばれて飛び出てシャラララーーンッ!!」
天羽春乃「うん、だいぶしっくりしてきた」
ラック（そうか？）
天羽春乃「ここは、まとめてまかせて!!」

〇花模様
天羽春乃「パーリル　マクテク　ポーナパルト♡」
天羽春乃「みんな笑顔になれー!!」

〇黒
　　おわり♡
　　長い間、応援ありがとう！