怪人の選択

ヒロ

エピソード1(脚本)

怪人の選択

ヒロ

今すぐ読む

怪人の選択
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇校長室
山下 優(やました すぐる)「さぁ、今日も仕事を頑張るかぁ」
山下 優(やました すぐる)「女性が10時と14時に当社に面接に来る。それまでに一仕事終わらすか」
  10時になり一人の女性が現れる。
山下 優(やました すぐる)「初めまして。山下です。本日はよろしくお願いします」
佐々木 忍(ささき しのぶ)「佐々木と申します。よろしくお願いします」
  自己紹介、志望動機から始まり、面接は滞りなく行われた。
  合否の連絡は2、3日以内にする旨伝えて、俺は佐々木を見送った。
  14時になると今度はもう一人がやって来た。
秋山 恵(あきやま めぐみ)「秋山と申します。 本日はよろしくお願いします」
  秋山にも同様に面接が実施された。
  秋山が帰った後・・・
  二人ともいいなぁ。
  採用するのは一人だけだと思っていたけど、二人とも採用しよう。
  俺は二人に採用の連絡をした。週末だったので翌週から働きに来ることになった。
  実は・・・
  俺には人には言えない大きな秘密がある。
ギャオス「フゥー、やっぱ人間の姿は疲れるぜ」
  俺はM69星からやってきた。
  地球では、怪人と言った方が通りはいいか。
  俺は将来相方になってくれる日本人女性を探している。
  事務所のスタッフ募集というのは名目。本当は俺のパートナーを探している。
  今まで応募してきたヤツらはロクなもんじゃなかったが・・・。今回はマシな二人だ。
  ITとかっていうヤツもお手のもんだから、事務所の業績も上がっている。当社面接希望者はワンサカいて、こと欠かねえ。
  ただ相方はたった一人なんだよな。どちらを持ち帰ろうか。どっちが俺の女としてふさわしいか。
  そして翌週。
佐々木 忍(ささき しのぶ)「山下所長、おはようございます。この度は採用していただきありがとうございます。今後ともよろしくお願いします」
山下 優(やました すぐる)「佐々木さん、おはようございます。こちらこそよろしくお願いします」
秋山 恵(あきやま めぐみ)「山下所長、どうぞよろしくお願いします」
佐々木 忍(ささき しのぶ)「秋山さん、その前に「おはようございます。」でしょ?」
秋山 恵(あきやま めぐみ)「あ、あ、ごめんなさい。おはようございます」
山下 優(やました すぐる)「あ、大丈夫ですよ。おはようございます」
  佐々木さん、しっかりしているな。さすがは名門K大学卒業というだけあるな。
  佐々木は仕事をそつなくこなしていく。秋山はけっこうミスが目立ち、佐々木がフォローする。
  二人が入社して半年程経ったある日、俺は佐々木から相談したいことがある、と言われた。

〇レトロ喫茶
佐々木 忍(ささき しのぶ)「所長、お疲れ様です」
山下 優(やました すぐる)「お疲れ様です。 相談したいことって何かな」
佐々木 忍(ささき しのぶ)「秋山さんのことなんですけど・・・ちょっとミスが多いっていうか・・・」
佐々木 忍(ささき しのぶ)「出来れば、その、改善したいっていうか・・・」
山下 優(やました すぐる)「はぁ。どうやって改善します?」
佐々木 忍(ささき しのぶ)「そうですね。秋山さんがいない方が仕事が捗る、というか・・・秋山さんには悪いんですけど」
山下 優(やました すぐる)「要は秋山さんをクビにしろ、と?」
佐々木 忍(ささき しのぶ)「・・・」
山下 優(やました すぐる)「一緒に働いている仲間なのに?」
佐々木 忍(ささき しのぶ)「・・・・・・」
山下 優(やました すぐる)「もし本気でキミがそう思うなら、キミの方こそ俺はいらないよ」
佐々木 忍(ささき しのぶ)「・・・・・・」
佐々木 忍(ささき しのぶ)「そうですか。分かりました。所長今までありがとうございました。お世話になりました」

〇男の子の一人部屋
  帰宅後・・・
ギャオス「何なんだ。あの女は忌々しい」
ギャオス「よくも秋山さんのことを! クソ!許さんぞ!」

〇校長室
秋山 恵(あきやま めぐみ)「所長、大変です。佐々木さんが・・・佐々木さんが・・・」
  翌朝、秋山が血相を変えて会社に飛び込んできた。
山下 優(やました すぐる)「佐々木さんの家、、放火魔が・・・やったらしい。一家全員が・・・」
秋山 恵(あきやま めぐみ)「佐々木さんの家、私の家の近くなんです。近所なんです。 私、怖い・・・」
  秋山が山下に泣きながら抱きつく。
秋山 恵(あきやま めぐみ)「所長ごめんなさい。怖いの・・・」
  山下が更にきつく抱きしめようとした途端に秋山は振り払う。
秋山 恵(あきやま めぐみ)「所長、今日は気分が優れません。帰ってもよろしいでしょうか?」
山下 優(やました すぐる)「あ、ああ。そうだな。今日は帰ってください」
  しかし1時間も経たないうちに、秋山は戻ってきた。
秋山 恵(あきやま めぐみ)「所長、帰ったら私の家の窓ガラスが割られていて・・・・私もうどうしていいか分かりません」
山下 優(やました すぐる)「分かった。キミさえ良ければ、僕の家に来ないか。部屋はいくつかあるから。キミのことは僕が守るよ」
秋山 恵(あきやま めぐみ)「ほ、本当ですか。私もうあの家に帰りたくないので助かります。ありがとうございます」
ギャオス「フフフフフフ!ハハハハハハハハ!」
ギャオス「恵はもう俺のものだ。心も肉体も全て・・・」
ギャオス「完全に俺の女にして、必ずや我が惑星にさらっていく」

〇明るいリビング
秋山 恵(あきやま めぐみ)「私の名前は秋山恵。友人の佐々木さんとは同じ大学の同期だ」
秋山 恵(あきやま めぐみ)「私には人には言えない大きな秘密がある。私の正体は・・・M96星からやってきた怪人デュオン」
デュオン(秋山恵)「佐々木のことは嫌いだが、学生の頃あいつから馴れ馴れしく私に近寄ってきた。ペットには良いかもしれない」
佐々木 忍(ささき しのぶ)「ねぇ恵。私さ、ある事務所の面接に行こうと思っているんだけど・・・」
佐々木 忍(ささき しのぶ)「一緒に受けて一緒に働こうよ」
デュオン(秋山恵)「なんでこいつと・・・と思ったが」
デュオン(秋山恵)「一緒に働くうち、所長の正体が分かって良かった。佐々木も所長を狙ってたんでしょ?フフフ」
デュオン(秋山恵)「山下・・・面白いヤツだよ。怪人のくせに金儲けがうまいんだよな」
デュオン(秋山恵)「佐々木も山下の玉の輿に乗りたかっただろう。まぁ、私が許さないけどね」
デュオン(秋山恵)「山下所長、いやギャオス。本当に一人でやって来たの?M69から?本当、いい度胸してるよね」
デュオン(秋山恵)「アンタ一応次期国王候補なんだろ?アンタを一人で地球に来させるなんて、アンタの部下はバカだねぇ」
デュオン(秋山恵)「アタシャこれまでアンタの好みの女を演じてやったさ。わざとミスをするのも大変だったけど」
デュオン(秋山恵)「それにアンタに毎日出してやったコーヒー、ちょっとした魔法を仕掛けといた」
デュオン(秋山恵)「私のことをめちゃくちゃ好きになったろう。そしてあのバカ女のことをめちゃくちゃ嫌いになったろう」
デュオン(秋山恵)「でもあのバカ女を所長が殺してくれるとはねえ」
デュオン(秋山恵)「まぁ、バカ女の家に火をつけて、一家皆殺しにしたのは私なんだけどね」
デュオン(秋山恵)「ヤンチャしすぎて自分の家まで破壊しちゃったよ」
デュオン(秋山恵)「良かったろ?これで私とずっと一緒だ」
  アンタもM69も全て私のもの。
  アンタ、いい奴隷になれるよ、私の・・・
  ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ

コメント

  • この後、殺されたふりをしていた佐々木が「この二人をくっつけて丸ごと始末しようとしていたからうまくいった。二人が暮らし始めたら家に火をつけてまとめて始末してやるわ、フフフフフハハハハハハハ」とはなりませんよね。それにしても女の人って怖いですね。

  • 正直想像つきませんでした。
    完全に所長の女になるものとばかり…。
    いかがわしいことやらなんやらさせるのか!とも思っていたら想像の斜め上でした笑

  • すごい展開・・怪人の世界も女が一枚上手ですね!山下さん、絶対にきづかないだろうなあ。秋山さんに身も心もボロボロにされそうで、なんだかわくわくします。

成分キーワード

ページTOPへ