読切(脚本)
〇地球
この星には、数多くのスターが居る
ニュースを見れば、アイドルキャスターが
スポーツを見ればスター選手が
洋画を見ればハリウッドスターが
スターは、多くの人々に笑顔と活力を与えている
〇怪しい研究所
博士「私はね、星木君」
博士「そんなスターたちが持つ、特別な力を研究しているのだ」
星木康隆「──なるほど、よくわかりました」
星木康隆「博士は心理学の研究をなさっているんですね」
博士「おいおい何を聞いてたんだね」
博士「私の専門はスター力学」
博士「つまり、物理学だよ」
星木康隆「ああ、トンデモ・・・」
星木康隆「いや、とんでもない発想ですね、本当に」
星木康隆「いやあ、すばらしいなあ」
博士「そうだろう、そうだろう」
博士「なんといっても、私の研究のおかげで世界が救えるわけだからな」
星木康隆「へえ、世界が」
博士「確か、キミをスカウトするときにも同じことを言ったはずだが」
星木康隆「あー」
星木康隆「すみません、日給百万円もらえるって聞いた衝撃で、他の情報が全て飛んでしまって」
博士「ふむ、突発的な記憶障害かな」
博士「これから少し覚えてもらうこともあるのだが、大丈夫かね」
星木康隆「頑張ります」
星木康隆「で、具体的には何をすれば」
博士「うむ、まずはこちらに来てくれたまえ」
〇研究所の中枢
星木康隆「うわ、なんですかこれ」
博士「今、巨大な彗星が地球に接近してるのは知っているね」
星木康隆「まあ、はい。ニュースで毎日やってますからね」
博士「これはその彗星を消滅させるための装置」
博士「その名もスターバスターだ!」
星木康隆「彗星を、消す・・・?」
星木康隆「そういうのはアメリカがロケットだかミサイルだかでやるって聞きましたけど」
博士「そんな方法では、破壊に成功したとしても破片による被害が出てしまうだろう」
博士「だがスターバスターなら!」
博士「人々の持つスターパワーを利用して、スターと彗星(スター)を対消滅させられるのだ!」
星木康隆「ちょっと何言ってるのかわからない・・・」
星木康隆「・・・ぐらい、すごいですね!」
博士「うむ、凄いのだ」
博士「そこで!」
博士「星野君、キミにはこのスターバスターの発射係をやってもらいたい」
星木康隆「はっしゃがかり?」
博士「砲手と呼んでもいいぞ」
星木康隆「いやそれはどっちでもいいんですけど」
星木康隆「発射係って、かなり大事な役割なんじゃ?」
星木康隆「なぜそんな大役を、わざわざ僕に?」
星木康隆「自分で言うのも悲しいですけど、僕はごく平凡な大学生ですよ?」
博士「スターパワーを持つ者は数多く居るが、その全員に共通する特徴が一つだけある」
博士「何かわかるかね?」
星木康隆「いえ・・・カリスマ性とかですか?」
博士「違う」
博士「──名前だよ」
星木康隆「はあ、なまえ」
博士「職業、呼び名、本名などに”星”や”スター”の文字が含まれていること」
博士「それが、それだけがスターの条件なのだ!」
星木康隆「いやそんなわけないでしょう」
博士「事実だ」
博士「何故そうなっているかは未解明だが、真に重要なのは名前だけなのだ!」
星木康隆「えー・・・」
博士「わかるね、『星』木ヤ『スター』カ君」
博士「キミの名前には星とスターの両方が入っている!」
博士「スターバスターの発射係として、キミ以上の適任は居ないのだよ!」
星木康隆「康隆です」
博士「うん?」
星木康隆「ヤスターカじゃなくて康隆です」
博士「・・・」
博士「まあ、細かいことはいいではないか」
星木康隆「名前だけが重要って言ったじゃないですか!」
博士「うむ、まあ、ぶっちゃけるとだな」
博士「本来の発射係が先日バイクで事故ってしまってな」
博士「慌てて代役を探した結果、キミにたどり着いたのだよ」
星木康隆「そんな適当な・・・」
博士「大丈夫だ、星木ヤスターカ君! キミにはスターの才能がある!」
星木康隆(ちょっと帰りたくなってきたな・・・)
星木康隆(でも百万円だからなあ・・・)
星木康隆「わかりました、いいですよ、やりましょう」
星木康隆「で、僕はどこのボタンを押せばいいんですか?」
博士「待て待て、彗星を消滅させるのに、キミのスターパワーだけでは流石に足らん」
博士「他のスターたちからスターパワーを分けてもらう必要がある」
星木康隆「そんなこともできるんですか」
博士「うむ、簡単に説明してあげよう」
〇白
博士「まず先ほども言ったように、世のスターは多くの人々に活力、すなわちスターパワーを与えている」
博士「ここまではよいね?」
星木康隆「全然よくないですが・・・」
星木康隆「いえ、大丈夫です、進めてください」
博士「うむ。今回は、スターバスターの機能でこれを逆転させる」
博士「つまり、一人に対して多くのスターがパワーを与えるわけだ」
博士「五人のスターが一人のスターにパワーを与え、」
博士「五人分のパワーを受け取ったスター五人が更に別の一人にパワーを与える」
博士「これを繰り返すことで、大量のスターパワーを一点に集中させるというわけだな」
博士「図にすると」
博士「こんなかんじだ」
星木康隆「なんかマルチ商法みたいな図ですね」
博士「人聞きが悪いな。元気玉みたいだと言ってくれ」
星木康隆「それはそれで怒られそうな・・・」
博士「とにかく、キミには今から、既に多くのスターパワーを受け取った五人のスターに会ってもらう」
博士「君が彼らを記憶し、彼らを強く想うことで、九千人分のスターパワーが一箇所に集まることになるというわけだ」
星木康隆「はあ、そうなんですか」
博士「もうすぐ、最適発射時刻になってしまう。あまり時間に余裕は無いぞ」
博士「早速スターたちとの面会を始めよう」
〇研究所の中枢
遠藤まもり「お待たせしました〜」
博士「おお遠藤君、キミが一番乗りだよ」
博士「星木君、彼女は遠藤まもりさん。お天気キャ『スター』だ」
遠藤まもり「どうも、はじめまして〜」
星木康隆「あっ、はじめまして!」
星木康隆「あの、よく天気予報見てます!」
遠藤まもり「ありがとうございます〜」
星木康隆「えっと、僕は星木康──」
博士「おっと星木君、キミは自己紹介しないでくれ」
博士「何かの拍子にスターパワーが逆流してしまうかもしれないのでな」
星木康隆「・・・はあ、そういうものなんですか」
遠藤まもり「最初から特に覚える気はないので、大丈夫ですよ〜」
星木康隆「・・・いや、まあ、それなら別に、いいんですけど」
博士「ま、既に知ってたのなら彼女との対話は不要かな」
博士「遠藤君、ありがとう。しばらくあちらの待機室で待っていてくれ」
遠藤まもり「もういいんですか〜?」
遠藤まもり「わかりました、それでは〜」
星木康隆(メチャクチャ辛辣だったな・・・)
星木康隆(しかし、まさかホンモノの有名人が来るとは・・・)
星木康隆(まあそうか、スターっていうくらいだもんな)
星木康隆(他の四人に会うのが、楽しみになってきたかも──)
???「では次は吾輩の番ですかな?」
星木康隆「えっ」
星木康隆「うわあ・・・」
博士「ああ尾津君、来ていたのか」
博士「星木君、彼は尾津ケイ」
博士「スペルキャ『スター』だ」
星木康隆「スペルキャスター」
尾津ケイ「当世風に言うのであれば、魔法使いですな」
星木康隆「・・・手品師?」
尾津ケイ「魔法使いですな」
星木康隆「はあ」
博士「彼はその筋では有名なスペルキャスターでな」
博士「スターバスターの設計にも関わってもらっている」
星木康隆「えっ」
星木康隆「この機械、魔法使いが設計してるんですか!?」
尾津ケイ「まあ、十分に発達した魔法は科学技術と見分けがつかない、とも言いますからな」
星木康隆「逆じゃないですか?」
博士「では尾津君、せっかくだから彼に何か魔法を見せてやってくれ」
尾津ケイ「──では、簡単な物質の生成をお見せしましょうかな」
博士「おお、何もないところから、大量のトランプが!」
尾津ケイ「──いかがですかな?」
星木康隆「手品師?」
尾津ケイ「まあ、十分に発達した魔法は手品と見分けがつかない、とも言いますからな」
星木康隆「それ持ちネタなんですか?」
???「なんか盛り上がってますね、だぜ」
博士「む?」
???「どうも、だぜ」
博士「やあピッグ君、少し待っててくれるかね」
博士「今はまだ・・・おや?」
博士「尾津君が消えた!」
???「ああ、黒マントの人なら、あっちに走って行きましたよ、だぜ」
博士「・・・」
博士「なら、尾津君はもういいか」
博士「星木君、こちらの彼は死んだピッグ」
博士「陰キャ『スター』だ」
星木康隆「急に世界観変わりました?」
死んだピッグ「死んだピッグはアカウント名、スクリーンネームだぜ」
博士「彼は、Twitterで日々、愉快なネタをつぶやき続ける職人なのだ」
星木康隆「ああ、そういう・・・」
星木康隆「・・・いや、陰キャスターなんて言葉は無いですよね!?」
博士「彼のようにTwitterでのみ輝いている者を、世の人々はそう呼ぶのだ」
博士「陰キャのスター、陰キャスターとな」
星木康隆「悪口じゃないですか」
死んだピッグ「言いたい奴には好きに言わせておけばいいんだぜ」
死んだピッグ「気にするだけ損だぜ」
星木康隆「おお、人格者・・・」
星木康隆「あの、ところでどうしてそんな名前を?」
死んだピッグ「え?」
死んだピッグ「あー・・・」
死んだピッグ「なんだかんだ言っても、結局は”死”が一番面白いから、だぜ?」
星木康隆「シリアルキラーみたいな台詞だ・・・」
死んだピッグ「人は殺したこと無いんだぜ?」
星木康隆「人”は”?」
死んだピッグ「自分の心はよく殺してるんだぜ」
星木康隆「やっぱり悪口に傷付いてるのでは・・・?」
死んだピッグ「この語尾も結構ツラいけど我慢してるんだぜ」
星木康隆「えっ?」
星木康隆「いや、確かに皆さん、独特な喋り方をされるな、とは思ってましたけど」
死んだピッグ「普段からこんな喋り方してる奴なんて居るわけないんだぜ」
星木康隆「それってつまり、誰かに語尾を強制されてるってことですか?」
星木康隆「いったい何の目的で、そんな──」
博士「ああ、それは私が頼んだのだ」
博士「一気に五人のプロフィールを覚えるのは大変だろうから、各々語尾でわかりやすいキャラ付けをしてあげてくれ、とな」
星木康隆「ノイズにしかなってないんですが」
死んだピッグ「もう終わって大丈夫ですかね、だぜ」
星木康隆「あ、はい。ありがとうございました」
〇研究所の中枢
星木康隆「あと二人か・・・」
???「お待たせですニャン」
博士「おお」
博士「星木君、彼女は桑田カレン」
博士「シ『スター』だ」
星木康隆「シスターもスター扱いなのか・・・」
桑田カレン「よろしくですニャン」
星木康隆「あ、よろしくお願いします」
星木康隆「えっと、もう語尾はスルーしますけど、桑田さんはどこのシスターさんなんですか?」
星木康隆「服装からすると、カトリックですかね?」
桑田カレン「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教ですニャン」
星木康隆「あっ博士、この方はもういいです」
星木康隆「名前は覚えたので、次の方を呼んでください」
桑田カレン「どうして会話を拒むですニャン!?」
星木康隆「やめてください、肩を掴まないでください」
博士「星木君、キミは何か、勘違いをしてるようだが」
星木康隆「はあ」
博士「いいかな。空飛ぶスパゲッティ・モンスター教はね──」
博士「──名前に『スター』が入ってるのだよ」
星木康隆「だからなんだ!」
星木康隆「・・・いや、あのですね」
星木康隆「スパモン教にシスターとか居ないんですよ」
星木康隆「あれパロディ宗教だから」
博士「えっ、そうなのかね・・・?」
桑田カレン「知らなかったですニャン・・・」
星木康隆「桑田さんが知らないのはおかしいでしょう」
桑田カレン「なら私はいったい何なのですニャン・・・?」
星木康隆「それは完全にこっちの台詞ですよね」
桑田カレン「あっ・・・!」
桑田カレン「その厳しいツッコミ・・・」
桑田カレン「・・・もしかして貴方は、私の生き別れのお兄ニャン・・・?」
星木康隆「急にわけわからん設定をぶち込むな!」
博士「なるほど!」
博士「実は修道女(シスター)ではなく、 妹(シスター)だった、というわけだな」
星木康隆「上手くないです」
桑田カレン「お兄ちゃん、私、待ってるから!」
桑田カレン「今度はちゃんと迎えに来てね! ニャン!」
星木康隆「・・・」
星木康隆「・・・博士、あの人、大丈夫なんですか?」
星木康隆「その、色々と」
博士「彼女がスターであることは確かだぞ」
星木康隆「うーん、なら、まあ、いいのか・・・?」
???「すみません、遅くなりました!」
博士「おお。星木君、彼はヤマダ」
博士「姓ではなく、ヤマダがフルネームだ」
星木康隆「ああ、またスクリーンネームですか?」
星木康隆「ならヤマダさんは・・・」
星木康隆「わかった、陽キャのスターで陽キャスターとかそういうのでしょう」
博士「いや、彼は陰キャスターだ」
星木康隆「陰キャスターが二人になってしまった・・・」
博士「被ったらいけないなんて決まりは無いぞ」
星木康隆「そうですけど、よりにもよってそれが被るんですか・・・?」
ヤマダ「えっと、何の話ですか?」
博士「おいヤマダ君、語尾、語尾!」
ヤマダ「ああ、忘れてた」
ヤマダ「ごめんなさいですな。で、何の話ですかな?」
星木康隆「語尾まで被った!」
博士「どんな語尾にするかは各自の裁量に任せたからな。そういうこともあるだろう」
星木康隆「この語尾システム、無駄に混乱するだけじゃないですか?」
ヤマダ「さっきからずっと何の話ですかな?」
博士「ああ、すまない、こっちの話だ」
博士「星木君、ヤマダ君はTwitterで日々、政治に関する見解などをつぶやくオピニオンリーダー的存在なのだよ」
星木康隆「ああ、ええと、すごいですね」
ヤマダ「リアクションが薄いですな」
博士「彼も少し疲れてしまったのかもしれんな」
ヤマダ「じゃあ、自分はもういいですかな?」
博士「うむ、ありがとうヤマダ君!」
博士「ようし、これで準備は整った!」
博士「いよいよだぞ、星木君!」
星木康隆「あ、はい」
〇地下実験室
博士「さて星木君、これからキミは世界を救うわけだが、心の準備はできたかな?」
星木康隆「全然そんなテンションじゃないですが、頑張ります」
博士「うむ、そうか。まあいい」
博士「では、先ほど顔合わせした五人をモニターに映すから」
博士「キミは彼らを全力で想ってくれ」
星木康隆「はあ」
星木康隆(正直よくわからないけど・・・)
星木康隆(お天気キャスターさん スペルキャスターさん)
星木康隆(陰キャスターさん シスター(仮)さん)
星木康隆(そして陰キャスター2さん 皆──)
星木康隆「オラにスターパワーを分けてくれ!」
博士「何か言ったか?」
星木康隆「いえ、何も!」
星木康隆(なんか、体が少し熱くなってきたような)
博士「む。星木君、しっかりやってくれてるかね?」
星木康隆「はい!」
博士「妙だな、出力が想定より低い」
???「博士、これを見てください!」
博士「これは・・・ヤマダ君のtweetか」
博士「どうやら、誰かの意見を晒してメチャクチャに罵倒しているようだが」
???「はい、この行為により現在彼を意識している人の数が急増、スターパワーがわずかに分散を!」
博士「さっき待機室に入ったばかりなのに、何をしているのだ彼は!」
星木康隆(原理が全然わからない・・・)
博士「まあ散ってしまったのはもう仕方ない。 幸い、予定出力まではあと少しだ」
博士「星木君、聞こえているね」
星木康隆「はい!」
博士「出力の不足分は、物で補う!」
星木康隆「物?」
博士「ああ、言ってなかったが」
博士「人以外の物にも、スターパワーはあるのだ!」
星木康隆「はあ?」
博士「とにかく、今からモニターに映すものを強く想ってくれ!」
博士「行くぞ!」
星木康隆「・・・ポスター!」
博士「次はこれだ!」
星木康隆「えっ、ふきん? あー・・・」
星木康隆「・・・あ、キッチンダスター!」
〇研究所の中枢
博士「次は、ううむ」
博士「あと少しなのだが、どこかに・・・」
???「任せてください!」
博士「むっ」
博士「おお、皆!」
〇小さい会議室
遠藤まもり「この椅子に、キャ『スター』がついてます〜」
〇諜報機関
尾津ケイ「この研究所の、マ『スター』キーですな!」
〇小さい会議室
死んだピッグ「カ『スター』ドたい焼きだぜ!」
〇教会の控室
桑田カレン「愛用のバ『スター』ドソードですニャン!」
〇小さい会議室
ヤマダ「ええと、たぶんこの肉に、ウ『スター』ソースが染み込んでます!」
〇地下実験室
星木康隆(ありがとう、皆さん──!)
???「出力、予定値に達しました!」
???「アジャスターによる微調整完了!」
???「ブースター点火します!」
博士「星木君、今だ!」
博士「目の前のボタンを押せ!」
星木康隆「うおおお!」
星木ヤスターカ「バスター!!!!!」
〇地球
〇研究所の中枢
助手「発射成功!」
助手「スターエネルギーの消滅を確認!」
助手「・・・やりました!」
助手「作戦成功です!」
星木康隆「えっ、と・・・?」
博士「おお、星木君、大丈夫かね」
星木康隆「はい、なんかちょっと体が熱いですけど」
博士「そうか。よくやってくれたな」
博士「君は正真正銘、ディザスターから地球(ほし)を救ったスターになったのだよ」
星木康隆「はあ、全然実感は無いですが」
博士「そんなものかね」
博士「まあとにかく、こちらに上がってきてくれ」
星木康隆「はい」
ガチャリ
博士「うおっ!?」
〇研究所の中枢
星木康隆「なんか、妙に明るくなってません?」
博士「ううむ、これは驚いた」
博士「大量のスターパワーを集中させた副作用か」
星木康隆「え?」
博士「まさか、星木君自身が文字通り光り輝くスターになってしまうとはな」
博士「スターパワーは本当に奥が深い・・・」
星木康隆「え、僕は今どうなってるんですか?」
星木康隆「自分じゃよくわからないんですけど」
博士「ううむ、本当にどうなってるんだろうね。ははは」
星木康隆「笑ってる場合じゃないだろ!」
???「すみませーん」
警官「近所の方から苦情が来てまして──」
警官「うわっ、なんだお前は!」
警官「両手をゆっくり上に上げなさい!」
星木康隆「いや、ち、違うんです、僕は決して怪しい者では」
警官「近寄るな!」
星木康隆「いや、悪いのはあっちの博士で──」
星木康隆「──あのジジイ逃げやがった!」
警官「何を言ってるんだ! お前、一体ここで何を──」
星木康隆「いや、だから──」
星木康隆「──僕は、犯人(ホシ)じゃないんです!」
〇地球
その後──
地球に接近していた彗星は、スターパワーが無くなっただけで物理的には無傷だったことが判明した。
しかし、当初の予定通りNASAの人達が彗星を破壊したので、地球(ほし)の平和は守られたのであった。
完
いつまでもスターたちの紹介でウダウダしているので、早くミッションをスタートしろよ、ってツッコんでしまった。この物語を読んだ後、しばらくは身近な「スター」探しに夢中になりそうで困ります。はっ、スターパワーのマルチ商法がまさか読者にまで・・・。
スターの星木君だけに最後【ホシ】で落ち着いて、捕まるって! 彼にしたらすごい災難だったけど、次から次にでてくる隠れスター語録が笑いの渦を巻きこんでくれました。
スターのダジャレづくしですね!スターという名前が付くものは沢山ありますね。博士の計画よりNASAの活躍が地球を救う結末がウケました。