騎士団長のためなら、なんだってします!

かえばりんこ

Episode9(脚本)

騎士団長のためなら、なんだってします!

かえばりんこ

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〇森の中
フィン・クラーク「シノ・・・・・・」
シノ・イリヤ「来るなと言ったはずだ」
フィン・クラーク「ごめんなさい──」
フィン・クラーク「でも、シノの役に立ちたくて・・・・・・」
ニール「シノ、来てしまったものは仕方ないじゃない」
シノ・イリヤ「フィン、よく聞け」
フィン・クラーク「は、はい・・・・・・」
シノ・イリヤ「僕はお前の能力を知っている」
シノ・イリヤ「最古の魔法師一族の末裔──」
シノ・イリヤ「知っていて、お前を団に誘い入れた」
フィン・クラーク「そうだったんですね・・・・・・」
シノ・イリヤ「だから、」
シノ・イリヤ「いま、フィンの正体を 王国に知られる訳にはいかない」
シノ・イリヤ(僕らの役割を果たすために・・・・・・)
フィン・クラーク「──シノ」
フィン・クラーク「それは、僕も同じだよ」
シノ・イリヤ「なんだと?」
ニール「どういうこと?」

〇雪洞
  数年前のこと──
  誰かが倒れていた。
フィン・クラーク「大丈夫ですか?」
  意識が朦朧としているが、脈はある。
フィン・クラーク(王国騎士か・・・・・・)
フィン・クラーク「ちょうどいい」
フィン・クラーク「魔法師から──」
フィン・クラーク「居場所を」
フィン・クラーク「仲間を」
フィン・クラーク「家族を奪った」
フィン・クラーク「王国の犬め──」
フィン・クラーク「絶対に生きて帰さない」
フィン・クラーク「王国は、俺が必ず滅ぼす」
  振り上げたナイフを、男が止めた。
シノ・イリヤ「──殺すのか?」
フィン・クラーク(この状態で!? なんて力だ・・・・・・)
フィン・クラーク「殺します」
シノ・イリヤ「そうか」
シノ・イリヤ「なら、殺せばいい──」
  男はそう言うと、腕の力を緩めた。
フィン・クラーク「えっ・・・・・・」
フィン・クラーク「・・・・・・どうして」
シノ・イリヤ「僕には」
シノ・イリヤ「君の気持ちが・・・・・・」
シノ・イリヤ「分かる・・・気がする・・・・・・」
シノ・イリヤ「から──・・・・・・」
  男は意識を失った──。

〇暖炉のある小屋
シノ・イリヤ(ここは──?)
  シノは、暖炉の灯る小さなハウスのベッドで横になっていた。
フィン・クラーク「目が覚めましたか」
フィン・クラーク「僕は、フィン・クラーク」
シノ・イリヤ(クラークだと・・・・・・?)
  木剣を素振りしていたフィンは動きを止めた。
  暖炉で煮込んでいたスープを皿に装い、
  テーブルに差し出す。
フィン・クラーク「どうぞ、毒は入ってないですから」
シノ・イリヤ「いただきます──」
シノ・イリヤ(うまい・・・・・・)
フィン・クラーク「びっくりしましたよ、 雪山で倒れているんですもん」
シノ・イリヤ「助けてくれたのか?」
フィン・クラーク「当たり前じゃないですか?」
フィン・クラーク「倒れている人がいれば助けるのが常識です」
シノ・イリヤ(よく言うな──)
フィン・クラーク「ここには僕一人で住んでいます」
フィン・クラーク「みんな国の内乱で死にました」
シノ・イリヤ「そうか・・・・・・」
シノ・イリヤ「僕も家族を皆、モンスターに殺された」
フィン・クラーク「そうですか──」
フィン・クラーク「それで、軍人になられたんですか?」
シノ・イリヤ「──ああ」
シノ・イリヤ「初めはそうだった・・・・・・」
フィン・クラーク「初めは?」
シノ・イリヤ「全てのモンスターを討伐するために選んだ道だった──」
シノ・イリヤ「切っても、切っても・・・・・・」
シノ・イリヤ「情勢は良くならなかった」
シノ・イリヤ「そして、気づいた──」
シノ・イリヤ「変えるべきなのは、」
シノ・イリヤ「国だと」
フィン・クラーク「・・・・・・」
シノ・イリヤ「フィン、君は筋が良さそうだ」
  フィンの掌には努力の痕が刻まれている。
シノ・イリヤ「よほど、稽古したんだね」
フィン・クラーク「あ、いやこれは──」
フィン・クラーク「見よう見まねで・・・・・・」
シノ・イリヤ「──どうだい?」
シノ・イリヤ「僕の野望を共に実現しないかい?」
フィン・クラーク「──変えられるでしょうか?」
フィン・クラーク「僕、なんかでも」
シノ・イリヤ「ああ──」
シノ・イリヤ「変えてやろう」
シノ・イリヤ「この国の未来を」

〇森の中
フィン・クラーク「僕は全魔法師、最後の剣(つるぎ)として」
フィン・クラーク「この国に報復しようと、」
フィン・クラーク「息を潜めて、その時を待ち望んでいた──」
フィン・クラーク「君のことを、殺そうとだってした」
フィン・クラーク「でも、シノの決意に──」
フィン・クラーク「野望に、心から賛同したんだ」
フィン・クラーク「変えるべきなのは、」
「この国だと──」
フィン・クラーク「だから、今ここで僕の素性が王国に知られようと」
フィン・クラーク「王国に僕が追放されようと──」
フィン・クラーク「僕は必ず、」
フィン・クラーク「戻ってきます!」
フィン・クラーク「親愛なる騎士団長の元へ」
ニール「フィン・・・・・・」
シノ・イリヤ「ありがとう、フィン──」
シノ・イリヤ「君の覚悟が聞けて良かった」
シノ・イリヤ「けど、君は僕の大事な”剣”だからね」
フィン・クラーク「シノ?」
シノ・イリヤ「ニール──」
ニール「はいはい」
ニール「フィン、ここはお姉様に任せなさい──」
フィン・クラーク「ニ、ニールが魔法師!?」

次のエピソード:Episode10

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