社長になってイケメンと交際するのが理想なの

ルーデンス

第一話 妊娠(脚本)

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〇豪華なベッドルーム
  日曜の朝、いつものように寛と未歩は未歩のベッドで目覚めた。今日は未歩が35歳になる誕生日だった
吉田寛「おはよう未歩・・・今日の朝食は俺が作るね」
川尻未歩「おはようダーリン・・・有難うお願いするわ」
  寛は未歩に熱いキッスをし彼女の衣服を脱がし始めた
川尻未歩「ウゥン、ダメだって今日はゴミの日だから直ぐに出さないと・・・」
吉田寛「いいじゃないか・・・まだ時間はあるよ・・・それに俺まだ余裕が」
川尻未歩「ば、バカ・・・知らない」
川尻未歩「ねぇゴミ出し、お願いだから・・・」
吉田寛「しょうがない」
吉田寛「行ってくる未歩」

〇ダイニング(食事なし)
吉田寛「食事出来たよ未歩」
川尻未歩「ハイ、口を開けてダーリン」
  そう言うと未歩はサラダをフォークにさして寛の口元まで運んできた
川尻未歩「どう、美味しい?・・」
吉田寛「ウン、美味い・・・サラダを作ったらお店顔負けだね未歩」
川尻未歩「そうでしょう・・・私サラダだけは自信があるわ」
川尻未歩「さっ、食事が済んだら今度の重要なプレゼンの資料を一緒に作成しましょ吉田企画課長」
吉田寛「分かってるよ未歩」
川尻未歩「ダメ、何度言ったら分かるの仕事の時は川尻専務って呼びなさい・・・会社の皆にバレちゃうじゃない」
吉田寛「ウウン・・・でもさ、何時になったら俺達結婚するの?未歩は今日で35歳だよね」
川尻未歩「もう・・・今は仕事優先よ」
吉田寛「でも俺達付き合いだしてからもう3年になるし・・・それに高齢出産って大変らしいよ」
川尻未歩「今は、こうしてダーリンと一緒にいるだけで幸せよ」

〇商店街の飲食店
  プレゼンの資料作成も終わり、寛と未歩は外に出てカフェに入った
吉田寛「ねぇねぇ見て・・・あの女の子可愛い」
川尻未歩「そう?私は仕事を優先したいの・・・分かってくれるわよね寛」
吉田寛「でもさ、子供ほしいな俺」
川尻未歩「私が社長になったらね」
川尻未歩「ウっ、」
吉田寛「だ、大丈夫?」

〇病院の診察室
佐藤医師「おめでとう、妊娠です」
吉田寛「ほ、本当ですか先生」
川尻未歩「う、嘘でしょ・・・大事なプレゼンの前なのよ」
吉田寛「それより出産が大事でしょ・・・そうですよね先生」
佐藤医師「まぁ、無理をしなければ」
川尻未歩「冗談じゃない・・・大事な私の出世がかかっているのよ・・・そうだ中絶するわ」
佐藤医師「中絶は、母体に悪影響を及ぼしかねませんしお勧めしません」
吉田寛「何考えてるんだ未歩・・・僕の子供を産んで下さい・・・婚姻届けは至急書くから結婚しよう」
川尻未歩「ダメ、今は出来ないわ・・・だから中絶同意書にサインして、これは業務命令よ」
吉田寛「分かりました専務殿」
佐藤医師「それでは、来週お越しください」

〇シックなバー
  寛はバーで一人酔いつぶれる日々が続いたそして、その日もバーのカウンターで酔い潰れていた
篠懸翔子「まぁ、吉田企画課長・・・体に悪いですわこんなに深酒を召し上がっては」
吉田寛「ウルサイ、ほっといてくれ・・・自分の子供を殺すことに同意した酷い人間なんだ俺は」
篠懸翔子「まぁ、よろしければお話を聞かせてくださいませんか?」
吉田寛「中絶同意書にサインしちまったのさ俺は」
篠懸翔子「まぁ、なんて事を・・・お相手の女性はなんで中絶しようと思ったんですか」
吉田寛「仕事のプレゼンの邪魔になるからだってさ・・・やってられない」
篠懸翔子「そうですわね、吉田課長が好きではなかったのでは?」
吉田寛「篠懸君はズバッと言うねぇ」
篠懸翔子「す、すみません・・・でも好きな人の子供なら中絶なんて考えませんわ・・・私なら」
吉田寛「そうだよなぁ・・・やはり言葉では好きって言ってくれたけど・・・都合のいい年下の男に過ぎ無かったわけだ」
篠懸翔子「兎に角、店はもう閉店ですから出ましょう課長」
吉田寛「よし、今夜はとことん飲むぞ・・・付き合えよ篠懸君」
篠懸翔子「ハイハイ、大丈夫ですか?私の肩に捕まってください」

〇女の子の一人部屋
吉田寛「ウゥン、頭がムムニャ・・・ハッ、ここは」
篠懸翔子「おはようございます吉田企画課長・・・すみませんがシーツ取り替えますので起きてくれませんか?」
吉田寛「あっ、俺は篠懸君になんて事を・・・申し訳ない、酔っていた事とはいえ」
篠懸翔子「いいんです・・・私、吉田さんとこうなる事を望んでましたし」
吉田寛「そうはいかないよ篠懸君・・・責任は取るつもりだ」
篠懸翔子「それじゃぁ二人の時は「篠懸君」でなく「翔子」って呼んで下さいますか?」
吉田寛「ウゥン、分かった篠・・・翔子さん」
篠懸翔子「嬉しい・・・何だか新婚さんみたいで・・・でも寛って呼ぶのは少し恥ずかしいな」

〇屋敷の書斎
  ようやく社運をかけたプロジェクトのプレゼンも成功裏に終わって未歩は上機嫌で重役室に俺を呼んだ
吉田寛「お呼びでしょうか?」
川尻未歩「イヤァ大成功だったわ、今回のプレゼンこれで私は晴れて副社長に昇格ね・・・これも吉田企画課長の補佐の賜物だと感謝しているわ」
吉田寛「お褒めにあずかり恐縮です」
川尻未歩「ついては家で細やかな打ち上げパーティをしようと思うんだが・・・二人だけで」
吉田寛「済みません、今日は生憎と予定がありまして」
川尻未歩「最近は多忙を理由に家に来ないけど・・・」
吉田寛「済みません今後は川尻専務とのプライベートなお付き合いはしないと決めましたから」
川尻未歩「えぇ!?・・・なんで寛?」
吉田寛「社内ですので吉田で十分です」
川尻未歩「そ、そりゃこの前の吉田君との結婚については色々とあれから考えてるわ」
吉田寛「ご心配をおかけしましたが専務との結婚は諦めました・・・どうか忘れてください」
川尻未歩「ど、どうして私は今度の副社長昇格が決まったら婚約発表するつもりでいたのよ・・・何が不満?」
吉田寛「実は、今度篠懸さんと結婚しようと思いまして」
川尻未歩「えぇ、篠懸って誰なの?」
吉田寛「部下の篠懸翔子さんです・・・既に私の子供を身ごもってます」
川尻未歩「そんなの中絶させればいいじゃない・・・第一私は専務だけど篠懸とやらは一社員じゃない・・・人生どっちが得かしら?」
吉田寛「私の人生の優先順位は子供と家庭ですが専務は地位とお金ですよね」
川尻未歩「そうよ、何が悪いの?」
吉田寛「仕事優先で折角授かった子供の命をないがしろにする人とは一緒に暮らせませんから俺」
川尻未歩「な、何よ要は寛は浮気をしたと言うことじゃない・・・分かった、その女を取るなら吉田は関連子会社に出てもらうわいいわね」
吉田寛「分かりました・・・失礼します」
川尻未歩(散々面倒を見てやったのに私の顔に泥を塗るなんて憎らしいわ・・・どうしてくれよう)
  未歩は社内電話をとると篠懸翔子を呼び出した
篠懸翔子「篠懸です・・・何か御用でしょうか?専務」
川尻未歩「貴方が寛をたぶらかせた女狐ね・・・今すぐ寛と別れなさい」
篠懸翔子「私、寛さんをたぶらかしてません」
川尻未歩「タダでとは言わないわ、寛と別れたら貴方の望む地位に就かせてあげてもいいわ」
篠懸翔子「私、寛さんの子を既に身籠ってますし、寛さんからプロポーズされたんです・・・だから別れる理由がありません」
川尻未歩「よくもぬけぬけと・・・そうそれなら寛を一生飼い殺しにしてやるわ、覚悟しなさい」
篠懸翔子「私寛さんについてゆきます・・・結婚式には出てくれますよね、失礼します」
川尻未歩「クソ、あの女狐、寛と私が何もなかったと皆の前で私の口から言わせる気ね・・・かと言ってバラせば専務としての私の立場が・・・」

〇アパートの前
  3年後、未歩は五幸物産の副社緒に就任した、そして偶然吉田親子の幸せそうな姿を目撃する
吉田龍平「お父さん早く早く」
吉田寛「ママが美味しい夕飯を作ってくれてるぞ龍平」
吉田龍平「ウン、ただいまママ・・・今日のおかずな~に」
川尻未歩「悔しい・・・翔子と幸せな家庭を築くなんて・・・寛は私のものなのよ・・・それを・・・壊してやるわ」
  未歩はガソリン一斗缶を手にして寛の家の前に戻って来たがその時久保常務が川尻副社長に駆け寄ってきた
久保奨「お、お待ち下さい川尻副社長・・・別れさせ屋を使って必ずあの夫婦を不幸にさせて見せますから」
川尻未歩「分かったわ・・・」
川尻未歩(翔子と別れれば寛は必ず私の元に戻ってくるわ、そうしたらキッチリとお灸を据えてやるの、そして寛と元の生活が再び始まるのよ)

次のエピソード:第二話 スキャンダル

コメント

  • こんにちは!結婚についてのタイミング、あと少し違えば全てうまくいっていたかもしれないのに…
    歯車が1つ狂って次々と人生設計が崩れていく、怖いけどこれからどうなるか気になりました!

  • 家庭を選ぶか、出世を選ぶか。人の人生は生まれた時からの歩みで方向性が決まるものだと教えられました。未来の目標がその人生を決めると。

  • 自身の人生の優先順位は自分で決めるべき、でも他人への押し付けは後々問題になるだけですね。美歩は自分の愛し方も、好きな男性の愛し方もまだ知らないようで気の毒です。

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