ロボ娘のち少女、ときどきゾンビ

京衛武百十

雨上がり(脚本)

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〇バスの中
  非常ドアが開いていたのは、発症前の人間達を逃がす為にメイトギアが開けたか、発症前の人間が開けた可能性が高い。
  そこから脱出させる為に自らを囮に使ったかもしれない。
  あいつらの行動パターンは単純明快。動くものはだいたい何でも餌と見做して襲い掛かる。
  逆を言えば、動かないものは襲わない。しかも食べる為にだけ動くから、それ以外はただじっとしている。
  一度に食べる量は少ない。二口三口食べればそれで満足する。
  だからよっぽどの数に一度に襲われない限りは、人間が襲われた場合はそれが原因で死ぬことも少ないと思われる。
  ただし、感染と発症はほぼ百パーセント。襲われて死ななくても遠からず発症してやっぱり死ぬ。
  死んで動き出す。このバスの中でもそういうことが起こってた筈だった。
  その時点では発症しなかった人間は非常ドアから逃げ出しただろう。
  もしメイトギアがいたら、<動く死体>の行動パターンに気付いて、
  逃げた人間を追わせないように非常ドアのところに立ち塞がったりしただろうか。
  だけど何体ものあいつらに一度に圧されたら、一般仕様機ではたぶん持ち堪えられない。
  それで圧し切られて結局は外に出してしまったかもしれない。
  もっとも、そこでもし持ち堪えられたとしても、最終的にはこの場を離れてしまっただろうけれど。
  そうでなければ、人間のいるところには殆ど私達メイトギアがいる。
  コンビニやドライブインにも、施設メンテナンス用に配置されてるのが普通だ。
  それなのに、コンビニにもドライブインにも、メイトギアはいなかった。
  それが何を意味するのかは、また語ることもあるかもしれない。でも今は、雨がやんできたからこのくらいにしておこう。

〇美しい草原
  雲が切れ、太陽が覗き始める。ただ、地面は激しい雨のせいでぬかるんでいる。

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