怪人の気持ち

敵当人間

読切(脚本)

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〇散らかった部屋
敵当人間「ふふ・・・」
敵当人間「こんな需要のないエッセイに手を付けられるとは・・・」
敵当人間「お主、暇人であるな?」
敵当人間「多くの一般人は、先程の3タップで 離脱する筈だ」
敵当人間「私には分かる」
敵当人間「何故、怪人コンテストでエッセイを 書き出したのか気になる輩も居るだろう」
敵当人間「答えは簡単だ」
敵当人間「怪人コンテストでエッセイを書いた人間は 誰一人居ないからだ」
敵当人間「ともすれば、正しく一般人に理解されない 思考の持ち主である私が」
敵当人間「怪人としてエッセイを書くのが相応しい」
敵当人間「知っている人もいるかと思うが、 私はADHDという発達障害の持ち主だ」
敵当人間「ファッション発達障害ではない」
敵当人間「小学校高学年で同級生を刺したこともある 超、超、問題児だ」
敵当人間「こういう事を言うと、やれ不幸自慢だの、 わざわざ話さなくてもいい事をだの、」
敵当人間「見下してきたり、偉そうに諭す輩にも 沢山会ってきたが」
敵当人間「隠していれば、バレない訳ではない」
敵当人間「最近はSNS警察が、方々を巡回し、 ひた隠しにしてきたイジメや不倫情報を」
敵当人間「惜しげもなく晒す時代である」
敵当人間「一度でも悪い事をした人間は人権がない」
敵当人間「幸せになる権利がない」
敵当人間「成功するチャンスも与えられぬのだろう?」
敵当人間「それが、美しくて正しいことなのだろう?」
敵当人間「いや、責めている訳ではない」
敵当人間「そういう時代になったのだ」
敵当人間「私も淘汰される側の人間として 覚悟しているつもりだが、」
敵当人間「偉そうに振る舞う人間やいけ好かない人間は 攻撃しても良い対象になってしまった」
敵当人間「それだけのことだ」
敵当人間「多分ここまで読んで反論したい輩も 多く居るだろう」
敵当人間「否定しない」
敵当人間「私は敢えて攻撃的な文章表現をしている」
敵当人間「そうしないと自分の身を守ってこれなかった からだ」
敵当人間「この文章を読んで怒れる貴方は、 貴方を守ろうとしてくれる素敵な人が 身近に居たのだな」
敵当人間「どうか思い浮かんだ人を誇りに思ってくれ」
敵当人間「さて、最近タップノベルで一話から読まずに 適当な最新話でいいねだけ付けて」
敵当人間「とりあえず自分の作品に呼び込み、 閲覧数を稼ごうとする輩が居るが」
敵当人間「その行為に関しては賛否両論ある」
敵当人間「とりあえず、タップ数といいねの数が 増えたんだからいいじゃない派と」
敵当人間「私の様にいけ好かない派である」
敵当人間「では何故、私がその行為に腹を立てるか と言うと」
敵当人間「性行為で例えれば、一回ヤッただけで 彼氏・彼女面される感覚にとても似ている」
敵当人間「そのたった一回で、私の身体の何を 理解したと言うのか?」
敵当人間「演技の可能性は考えないのか?」
敵当人間「その相手から異性として意識されたんだから 良かったじゃない」
敵当人間「と言われると言うことは、」
敵当人間「その相手以外からは見向きもされない残念な 人間ですね」
敵当人間「と等しく同義語に感じる」
敵当人間「つまり、とりあえずいいねされたんだから 良かったじゃない」
敵当人間「ということは、」
敵当人間「どうせいいねされることが少ないんだから 良いじゃない」
敵当人間「と言われている様に錯覚する」
敵当人間「もちろんあくまでも個人の意見である」
敵当人間「私は、多くの人から理解されない境遇で 必死にもがいていた」
敵当人間「どうして相手の気持ちを思いやれないの?」
敵当人間「どうして同じ間違いばかり繰り返すの?」
敵当人間「どうしてそんなに自分勝手なの?」
敵当人間「アンタみたいな奴とは付き合ってらんない」
敵当人間「皆から嫌われてるよ」
敵当人間「まぁ、そんな様なことを聞き飽きるほど 言われ続け、」
敵当人間「心理学を必死に勉強した結果、」
敵当人間「全てがどうでも良くなった」
敵当人間「頑張って好かれる努力をしても、 ADHDは脳の器質変性なので治らない」
敵当人間「断言しよう」
敵当人間「どんな薬を飲んだとしても、100% "治ることはない"」
敵当人間「これを読んでいるコンサータやストラテラを 飲んでいる読者に謝罪する」
敵当人間「しかし、下手な希望は禁物だ」
敵当人間「一般人が私たちのことを100%理解出来ぬ ように」
敵当人間「我々もまた、彼らのことを100% 理解することは不可能なのだ」
敵当人間「だが、ここでまた一つ新たな見解に辿り着く」
敵当人間「人間は100%理解しなくとも なんとかなるということだ」
敵当人間「今、君達が触っているスマートフォンを 100%理解していると断言出来る人が」
敵当人間「一体どれほど居るだろうか?」
敵当人間「私は、殆ど分かってないだろう」
敵当人間「多分、20%も理解出来て居ないと思う」
敵当人間「それでも偉そうに、こうして文章を 書き綴っている」
敵当人間「私は文章を書くことが好きだ」
敵当人間「物語を書くことも好きだ」
敵当人間「そして勿論、読んでもらって反応を 貰うことも好きだ」
敵当人間「けれど、それはあくまで私が書きたい話に 共感してくれた人が居た喜びのためであり」
敵当人間「無意味ないいねや無難なコメントは 読まれていないに等しい」
敵当人間「それならいっそ、意味が分かりませんでしたと言われる方が」
敵当人間「よっぽどありがたい」
敵当人間「最近の親は叱らない人が増えているが、 叱ると怒るは別物である」
敵当人間「叱るとは、相手をより良い方向に導こうとするために注意やアドバイスをすることであり」
敵当人間「同じ間違いを繰り返さないために 注意することである」
敵当人間「最近、発達障害が増えてきた、などという 訳の分からないニュースを鵜呑みにする 輩もいるが、」
敵当人間「発達障害は遺伝子の問題であるため、 この人口減少傾向の中なら共に減少する はずである」
敵当人間「では、何故問題行動を起こす子どもが 増えているかと言えば、」
敵当人間「"子どもに嫌われたくない親"が 子どもを叱らない為、平気で悪いことを 出来るようになっているだけである」
敵当人間「子どもが大人になった時、貴方に感謝出来る ように、臆せず叱ってあげて欲しい」
敵当人間「例え、子どもが癇癪を起こして、貴方を嫌いだとなじっても、3日もすれば機嫌が直る」
敵当人間「どうせ貴方と生活せねばならぬのだから、 恨むほど憎んだりもしないだろう」
敵当人間「けれど、必要最低限のストレス耐性を 付けてあげなければ、集団生活で 痛い目を見る」
敵当人間「その時に、思いがけない行動を子どもが 起こしてからでは、一生取り返しがつかない」
敵当人間「現に私は、一生取り返しがつかないことを してしまった」
敵当人間「どうか私を反面教師として、貴方の子どもは正しい道に進めるように導いてあげて欲しい」
敵当人間「さて、長々と私の意見を聞くのも骨が 折れることだろう」
敵当人間「物語について語らせてもらおう」
敵当人間「私の書く物語は、決して万人ウケする ものではない」
敵当人間「それは私が純文学を好むところから 来ていると考える」
敵当人間「書きたい物を書く」
敵当人間「この考え方は現代では、廃れているのかも 知れない」
敵当人間「昔は今の様にスマートフォンがなかったため 二万、三万と文字を綴るのは根気が要った」
敵当人間「全て手書きだったからだ」
敵当人間「だからこそ作家は敬われ、大切にされた」
敵当人間「だが今は、思い付くのは誰でも出来るし、 読者に好かれるために作家があれこれと 気を揉まねばならない」
敵当人間「とある漫画アプリのレビューでは「貴方の作品は意味が分からないので☆1にしました。本当は☆1も付けたくありません」」
敵当人間「と読者が自分で選んで読んだ癖に こんな風に書き込まれる始末である」
敵当人間「私がもしも、読者の需要とやらを考えて、 こんなコメントを貰った日には発狂する」
敵当人間「だが、そのぐらい、作家に対して 現代は非道になっているのも事実だ」
敵当人間「それならば、自分のために、自分の人生を 彩るために物語を書いても良いではないか」
敵当人間「どうせ否定されるなら、どうせ承認されないのなら、」
敵当人間「貴方が納得するものを貴方が納得出来るまで 描けば良いではないか」
敵当人間「どうせどんな話を書いたとしても ⚪︎だとも×だとも言われる時代なのだ」
敵当人間「型になど嵌めて個性のない文章を連ねて いつの間にか忘れ去られるより」
敵当人間「まるで図書館の隅で埃を被って眠っていた 誰も知らない物語と出会った時の様に」
敵当人間「貴方と読者だけの運命の出会いとやらも 作り上げれば良いではないか」
敵当人間「私の様な前科持ちには難しいが、」
敵当人間「ここまでこの小難しい文章を読んだ君なら」
敵当人間「私が君と呼べる様な立場の方ではないかも 知れぬが敢えて親しみを込めて君と呼ぼう」
敵当人間「ここまで一つの作品と向き合えた君になら 出来る」
敵当人間「私はそう確信している」
敵当人間「誰に何を言われても書けば良い」
敵当人間「面白いの感じ方は人それぞれ」
敵当人間「100人全員にガッツリ刺さる物語は少ない」
敵当人間「自分の感性を信じるのだ」
敵当人間「そして、私は自分の作品が面白いと自負しているからこそ、」
敵当人間「今、新たなステップとして作品を非公開に していっている」
敵当人間「逃げだと後ろ指を指すものも居るだろうが、」
敵当人間「私の作品を大切にしない人たちに 私の作品を安売りする意味もあるまい」
敵当人間「私は自分の作品を愛している」
敵当人間「例えば貴方が鼻で笑う様なこのエッセイすら 愛している」
敵当人間「作家たるもの、 このぐらいネジが外れた方が良い」
敵当人間「5年後に、君が嗤うか私が笑うか、 一勝負、賭けようではないか」

コメント

  • 怪人をこう使う発想はなかったので、衝撃が斜め後ろから襲ってきました。まさに不意打ちです。怪人コンにこんな大胆な作品があったことに驚きました。
    実は私もSNSで丸く振る舞っているだけの尖った人間なので、このように尖っている作品は大好きです!
    読みやすい語りで物事の本質をグサグサと突いていく様が痛快でした! 敵当人間様のエッセイをまた読みたいです!

  • 単調なBGM、立ち絵、背景でも最後まで退屈しない見事な随筆でございました。
    案外お部屋が片付いていらっしゃいますねw
    怪人とは、人間とそうではない何かの境界線に生きる存在だと思いますが、そうした地点にいる者の視点からでしか語れない物語が、確かにある。と、信じさせてくれる名文でした。
    私などは全くの凡人ですから、手前勝手ながら、むしろそのような才能に嫉妬してしまうのですが。

  • 大変勉強になりました。やからというのは多分私です。先月TapNovelを始めたばかりで、まずは読みまくろうと思ったのと飛ばし飛ばし読んでいたのも事実です。最新話読んで1から読んだり、読まなかったり、右上のオレンジチェックをつけて作品コンプしたいなとかしていましたが、まさか不快な思いをさせていたとは思いませんでした。作者様のイイネ増えた方がいいと勝手に思っておりました。申し訳ございませんでした。

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