〇ゆるやかな坂道
夏子「あれは猫？」
夏子「どうれ、捕まえたっと」
　　抱っこすると嫌がる猫。
　　首輪にはギンタローと書かれている。
夏子「そっか、アンタギンタローっていうんだ」
ザンザロス「猫なんて可愛がってどうした？」
夏子「ギンタローって立派な名前があるんだから」
ザンザロス「こんなに可愛いいきものがこの世に存在したとは」
　　ザンザロスの異様な姿に驚いたのか猫は私の腕から抜け出してしまった
夏子「もう、ザンザロスのせいで逃げ出しちゃったじゃん」
ザンザロス「悪かった。 ２人で探そう」
ルイザ「ふふふ、猫の心配より自分たちの心配をしたらどうかしら」
夏子「きゃあああ、足が.......」
ルイザ「人間共の足をへし折るなんてカンタンよ」
ザンザロス「よくも夏子のことを！ 満足に歩けなくなったらどうする」
ザンザロス「ぐふっ。 お主なかなかやるな」
ルイザ「ちいっ、夏子を亡き者にすれば ザンザロスを捕獲できそうなのに かばいやがって」
夏子「何で私とザンザロスの命を狙う訳？」
ルイザ「セイレン魔団のトップキリサキさまから 指令を受けてるのじゃ 邪魔くさい小娘を始末して ザンザロスを生け捕りにしろとな」
夏子「ザンザロスのこと守りたい。 いいわ、ルイザあなたについていく」
ザンザロス「待て、そんなことしたら.......」
　　私はルイザの後をついて行くことにした

〇海岸の岩場
まみか「ルイザさま、どこに行ったのかな」
ルイザ「待たせたの」
夏子「その子はどういう？」
ルイザ「私の下僕じゃ。 夏子とやら私と仲良くしよ？」
夏子「う〜ん、いいよ」
ルイザ「まみか共々、私たちの星で家畜として生きてもらうがな」
夏子「それはイヤ」
ルイザ「たっぷり気持ちよくしてあげるのに？」
　　ルイザの指が私の耳とうなじと背筋を行ったりきたりする
夏子「少し感じてきた。ルイザさま、テクニシャンなんだね」
まみか「あなたばっかりズルい。 まみかのこと相手にしてよ ルイザさま」
ルイザ「仕方ないのう」
まみか「あんっ、そこぉ」
　　見るとルイザさまはまみかの肩を揉んでいるようだ。
夏子「ルイザさまって何がしたいん？」
ルイザ「地球人の女共をトリコにして 故郷に連れ帰りたい」
まみか「地球にいても退屈だから 家畜だろうと何だろうと ルイザさまに身を任せたい」
ルイザ「嬉しいこと言ってくれるじゃないの」
　　ルイザさまはまみかの唇を奪った。
ルイザ「妾とキスしたの、興奮するか？」
まみか「はぃい、ルイザさま♡♡」
　　ルイザさまがまみかに夢中な隙をついて、
　　ザンザロスの元に戻った私だった。

〇ゆるやかな坂道
夏子「すっかり猫になつかれたんだね、かわいい〜」
ザンザロス「ギンちゃんかわいいよ」
ギンタロー「ニャー（拾ってくれてありがとニャ）」
夏子「にしてもコイツオスなのかな？メスなのかな？」
　　ひっくり返すとタマタマが付いているのでオスなようだ
ギンタロー「ニャー（そんな所見ないでくれニャ）」
夏子「この子、ウチで飼いたいけどいいよね？」
ザンザロス「いいんじゃないかな？ 夏子の猫になりたい」
夏子「ザンザロスはザンザロスのままだから いいんだよ。 猫になっちゃったら冬子なしでは 言ってることわからないじゃん」
ザンザロス「それもそうだな。 ところで人間の女に化けることもできる」
ザンザロス？「どうだ？ かわいいだろ」
夏子「ほ、本当にザンザロス？」
ザンザロス？「うふふ、人間の体の仕組みとかわからないからブラとか着けられないんだがね」
夏子「ってことはノーパンなのかな。やべーやつじゃん」
ザンザロス？「この姿だと夏子殿のそばに居ても怪しまれないよな」
夏子「女の子になった途端、ザンザロスの方にさらに猫が懐いてて寂しくなる」
ギンタロー「ニャー（きれいなお姉さん、僕をかまって〜）」
ザンザロス？「よしよし、ギンちゃんはかわいいな」
夏子「いつまでその姿でいるつもり？」
ザンザロス？「５分しか持たないからもうすぐか」
ザンザロス「ひょっとしてずっと女の姿と思って焦ったか？」
夏子「変身時間が短いから変身してる途中に元に戻ったら大変だね」
ザンザロス「そうだな。怪人でいると撮影しようとする野次馬が群がってくる時もあるからけっこう変身してるんだが」
夏子「でもザンザロスはそのままの姿がベストだよ」
ザンザロス「テンション上がること言ってくれるじゃないか」
夏子「今度ブラの付け方とか教えてあげるよ ん〜パンティ着けられないのけっこう ヤバいよな」
ザンザロス「夏子ちゃんに人間に化けてる時の裸見せることになるの、緊張するな」
夏子「女性用の服どこやった？」
ザンザロス「変身が解ける時に体内にしまわれるようだ」
夏子「なるほど。 何だか気持ち悪い」
　　猫にギンと名付け直し、家で面倒を見ることにしたのだった。