エロ漫画異世界転生 vsチャラ男先輩 完結編(脚本)
〇大衆居酒屋
日曜日。漫画によると今日、山谷はこの店で犯される。
前回の下見時に仕込みはしてある。それが機能すれば山谷は犯されずに済むだろう。
俺は注文してあるジンジャエールを飲むと深呼吸する。そして、その時を待った。
21時10分前、俺はスマホを確認するとトイレに行くふりをして席を立つ。そして、走って店員用の休憩室へと走った。
〇店の事務室
店の休憩室の扉を開ける。そこにはアルコールを飲ませて眠らせた山谷を脱がそうとする酒田の姿があった。
佐々木弱太郎「止めろ。酒田!!」
酒田軟斗「なんだてめえ!? 勝手に入ってきやがって」
俺の静止の言葉に激昂したのか酒田はこちらの胸ぐらを掴むと俺を壁に叩きつけた。
瞬間息が詰まる。
────それでも
佐々木弱太郎「お前がやろうとしていたことは全部知ってる。山谷にアルコールを飲ませたことも、山谷に犯そうとしたことも!!」
酒田軟斗「ああ!? なんの証拠があって────」
佐々木弱太郎「証拠なら、ある!!」
俺はスマートフォンを取り出す。そこには酒田が山谷の飲み物に酒瓶を傾けている姿が映っていた。
酒田軟斗「なんでこんな────」
酒田が困惑する。しかし、方法は簡単だ。隠しカメラを仕掛けたに過ぎない。
〇男の子の一人部屋
────前の月曜日、俺は山谷救出作戦を考えていた。そのための資料として、あちらの世界で購入したエロ漫画を読んでいたのだが
佐々木弱太郎「そう言えば、山谷は剛山に犯されそうになってたんだよな・・・・・・」
剛山事件は隠しカメラを回収しただけで済んだが、今回は居酒屋と舞台がアウェーだ。なかなかに難しい。
佐々木弱太郎「そう言えば、回収した隠しカメラ!!」
俺は剛山の隠しカメラを押し入れから取り出す。
佐々木弱太郎「これ、使えるんじゃないか!?」
隠しカメラを居酒屋に仕掛けて決定的な瞬間を撮影すれば、酒田も言い訳出来ないし山谷にバイトを辞めさせることもできる。
佐々木弱太郎「問題は仕掛け方か・・・・・・」
居酒屋はアウェー。間取り等に詳しい訳ではない。それに、隠しカメラを仕掛けた経験もない。
それでも、やはり問題はなかった。店の間取りはエロ漫画を見ればだいたいわかる。経験は漫画を見て剛山の仕掛け方を参考にする。
それに俺は剛山の隠しカメラを実際に回収した経験もある。
未成年が犯されても気づけないような店に隠しカメラを仕掛けるなど造作もない。
佐々木弱太郎「よし。やるぞ!!」
俺はこうして作戦を決めたのだった。
〇大衆居酒屋
前回、ここに訪れた時に俺はトイレに行くふりをして監視カメラを仕掛けた。
店の内装やバレない仕掛け場所は漫画を参考にしてあらかじめ目星をつけていた
店員に見咎められないから緊張していたが、思った以上にスムーズに仕掛けることが出来たのだった。
〇店の事務室
酒田が俺のスマホを睨みつける。胸ぐらを掴む酒田の力が強まり、首が締まって苦しい。
佐々木弱太郎「映像は俺の自宅のパソコンにも送られている。仮にここでこのスマホを破壊しても無駄だ!!」
俺が酒田に畳みかける。酒田はこれからの行動を考えているようだった。
そして、胸ぐらを掴む力が急に弱まった。
酒田軟斗「やー。悪いね彼氏くん。山谷ちゃん、間違ってお酒飲んじゃったみたいでさ」
どうやら酒田はこれ以上のことをすることは止めたようだ。
酒田軟斗「俺が看病してあげてたんだけど、彼氏くんが送ってくれるなら問題ないね」
彼の声と表情がこれで手打ちにしようと言っていた。
佐々木弱太郎「これ以上、山谷に関わらないでください。山谷にもここのバイトは辞めさせます」
酒田軟斗「うん。その方がいいだろうね。事故とは言え、高校生の飲酒は洒落にならないから」
俺は山谷を背負う。
酒田軟斗「じゃあね。彼氏くん」
佐々木弱太郎「まだ、彼氏ではないですけど。さようなら」
俺はそう言って店を後にした。
〇住宅地の坂道
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綱渡りのようにNTRを回避していく様子がスリリングで面白かったです!