ロボ娘のち少女、ときどきゾンビ

京衛武百十

説明(脚本)

ロボ娘のち少女、ときどきゾンビ

京衛武百十

今すぐ読む

ロボ娘のち少女、ときどきゾンビ
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇コンビニの店内
  それから私はコンビニに併設された充電スタンドに行き、自らの充電を行う。
  私達メイトギアは、通常ならフル充電で一ヶ月は問題なく活動することができる。
  そして、ここのようにアミダ・リアクターを備えた店舗などなら無料で好きなだけ充電が可能だった。
  アミダ・リアクターとは、人類の発明品でも最も新しいものの部類に入る、
  まだ数百年前(正確な時期は資料によってまちまちなので曖昧)に実用化されたばかりの、当時は画期的ともてはやされた電源だ。
  放射性同位体の放射線崩壊そのものから電気を得るというもので、一見すると<原子力電池>と呼ばれるものと似ているけれど、
  それらとは効率も発電能力も全く桁違いの、十分な量で半減期の長い放射性同位体を用いれば、
  理論上は数万年に亘って電気を得られるというものだった。
  最初期のものは一般的な住宅を上回る大きさの装置だったそうだけれど、現在では小型化効率化低コスト化が進み、
  自動車くらいの大きさがあるものなら十分に搭載できて、店舗や住宅にも当たり前のように備え付けられるようになっていた。
  このコンビニの照明が点きっぱなし冷蔵庫もそのままというのはそのおかげだ。
  リアクター自体が百年単位でメンテナンスフリーだし。
  なのでもう、普及が進んで発明当時のようなありがたみは薄れてるようだ。
  今後数百年以内にはさらに改良が進んで私達のようなロボットにさえ搭載されて充電が不要になるとも言われていた。
  まあ、さすがにそれまでは私も稼働していないと思う。
  私自身、一号機がロールアウトしたのは百二十八年前(記録が正確ならば)だし。
  十二歳程度の人間の少女の平均的な外見を与えられた私は、
  販売当初はニッチなニーズに合致して経営不振にあえいでいたメーカーを再浮上させる程度には人気も出たらしいけど、
  二匹目のどじょうを狙った競合他社が次々と同様のコンセプトのメイトギアを発売したことで供給過剰となり市場が崩壊。

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:バックヤード

成分キーワード

ページTOPへ