エピソード1(脚本)
〇街中の道路
これはある物がきっかけで別の道を辿る事となった男の序章の物語・・・
〇リサイクルショップの中
ヤス「よお」
〇リサイクルショップの中
そいや「どうしたんだ?ヤスがうちの店に来るなんて珍しいじゃん」
そいや「確かハグロトンボとか言ってたっけ? 結構胡散臭い仕事をしているそうじゃないか。今日はあの綺麗な人は一緒じゃないの?」
ヤス「お前、彗花が来るのを期待していたのか・・・」
ヤス「まあ俺達は会社ではいわば使い捨てみたいなもんだが・・・真面目にやってるぞ それはそうと今日はある噂を聞いて来た」
ヤス「この店にあれを入荷したんだろ」
そいや「そうなんだ!見てみるかい?」
〇リサイクルショップの中
そいや「やっと手に入ったんだ。 これたよ!」
〇リサイクルショップの中
そいや「今までに見たこともない装飾、模造品とかが出回ったり高値で引き取られてるっていうけどこれは間違いなく本物」
そいやが向こうから持ってきた物とは
〇リサイクルショップの中
アンティークの時計だった。裏にはクロスの紋様が刻まれてれている。だが俺は素直に喜ぶ事は出来なかった
ヤス「この時計には悪い噂も出回っている。これを持っている物は不幸な目に会うと聞いてるぜ」
ミナ「そんな事無いわ。いらっしゃいヤスさん」
ミナ「あれについては色々迷信があるけど、そんなの気にしてたらキリが無いわ!」
ヤス「そうか。気にしすぎなのか・・・」
ミナ「そうですよ。お安くしときますよ」
ヤス「じゃあ買おうか。 と言いたい所だが、生憎持ち合わせが無くてな」
ミナ「それじゃしばらくの間、取っといてあげますよ」
そいや「お前の給料日まで俺が持っといてやるぜ。 なぁに、そんなの迷信だって証明してやるからさ」
ヤス「悪いな」
その時は気にもしなかったが、この古ぼけた時計が不幸の始まりだという事にまだ誰も気付いていなかった
〇リサイクルショップの中
「だっ、誰?」
客1「やあ・・・」
客1「この店に例の時計があるって聞いたンだけど ちょっと見せて貰えない?」
ミナ「こんな時間に来ても困ります。明日また来て下さい」
ゴーキョ「ちょっとー、このままだと大変な目にあうよ。死にたくなかったらさっさと教えろょ!」
ミナ「守秘義務です。貴方には教えません!」
ゴーキョ「ならば仕方ないなぁー」
ゴーキョ「力ずくで調べさせて貰う!」
ミナ「きゃぁああーーー!!」
〇街中の道路
翌朝、荒らされた店には傷付いたミナの姿があり周囲は警察等で騒然としていた。
そいや「くそっ・・・ミナちゃんがこんな事になるなんて」
そいや「きっと俺のせいだ。俺があんな時計を店に置いたせいで・・・」
ヤス「そいや・・・すまない」
ヤス「彼女には悪い事をした・・・」
そいや「ヤス。お前あの時計の事を調べていたけどあれは一体何なんだ!?」
ヤス「・・・・・・・・・・・・」
そいや「ちゃんと答えろ!!」
彗花「そいや君・・・私が説明するわ」
ヤス「彗花、来たのか・・・」
彗花「実はあの時計の周辺で同じような事が頻繁に起こってて、あれを持っていると」
彗花「物の怪が現れる事が解ってる」
そいや「も、物の怪・・・!?」
彗花「あの時計は物の怪を引き寄せる何かがある。私達はそれを調べてるの」
ヤス「そいや。あの時計はどうした?」
そいや「あんなもの、ここに来る前にさっさと他の店に売ったよ!」
彗花「えっ大変!このままだと大変な事になるわ。一刻も早く見つけなきゃ」
ヤス「そいや。時計を売った店を教えてくれないか」
そいや「あ、ああ」
ヤス「心配するな。後は俺たちに任せろ」
彗花「ヤス、行きましょう!」
という訳で俺と彗花は時計の足取りを探す事となった
〇雑貨売り場
取り敢えず俺はそいやが売りに行ったという店を訪れ時計の在りかを聞き出した
ディスカウントショップの店員「すみませんねーお客さん。あれはここにはもう置いて無いんですわー」
ヤス「ウソつくな。ネットで高額転売してたのを俺は見たぞ」
ディスカウントショップの店員「といってもねー既に売約済みですからね。諦めて下さいよ」
客1「ヘヘヘ。その通りだ。俺が落札したンだからな」
ディスカウントショップの店員「いらっしゃい!お待ちしておりました」
客1「例の物を貰いに来た。どこだ?」
ディスカウントショップの店員「ちゃーんと奥に保管してあります。少々お待ち下さい」
客1「くくっ・・・そうか。早くしな」
ディスカウントショップの店員「た・・・助けて!」
ヤス「逃げろ!」
ゴーキョ「そんなもん効かねぇよ!」
俺は襲いかかってくる物の怪から逃れる為、銃を撃ちながら必死で店の中を逃げ回った
ヤス「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
ゴーキョ「逃げても貴様らに助かる道は無いなあ!大人しく俺に殺られろ!」
彗花「待ちなさい!」
彗花「お目あての時計はこれ?店の中から探して来たわ!」
ゴーキョ「ぐふふ・・・それをさっさと寄越せ」
彗花「私、貴方がどうしてこれを探してるのか解ったの」
ゴーキョ「何だと!?」
彗花「いわばこれは物の怪の弱点」
彗花「これ自身が物の怪であり物の怪自身を倒すことが出来るから!!!」
ゴーキョ「貴様!!」
彗花「ほら、こっちにあるからさっさとヤスから離れて取りに来てみなさいよ!」
ヤス「彗花、辞めろ!」
彗花「あぁーーーっ!!!」
ヤス「彗花・・・」
彗花「私・・・ヤスの死に目になんか会いたくないから」
ヤス「それは俺も同じだ!」
そう言いながら倒れる彗花は俺に向けて時計を投げつけた。
そして受け取った時計を握りしめた時、俺の感情と共に何かが弾け飛んだ!!!
ゴーキョ「な、何っ?」
〇雑貨売り場
ソウカ「これでやっと貴様を倒すことが出来るぜ」
ゴーキョ「けっけっけっ。新米がこの業叫様に勝てると思ってるのか?あぁ?」
ゴーキョ「行くぜ、怪の皮を被った人間!!!」
ゴーキョ「ぎょわぁぅ!!」
ゴーキョ「くそぅ小賢しい!」
ゴーキョ「ぐぅっ!何故殺られねぇんだ!」
ソウカ「ミナちゃんと彗花の敵はしっかり取らせて貰うぜ」
ゴーキョ「ま・・・待て、俺達は仲間じゃ無いか。仲良くしようよ」
ゴーキョ「けっけっけっ、その姿になったお前はもう人じゃ無い。もう戻れないんだ。 だから一緒になって破壊を楽しもうぜ!」
ソウカ「うるせぇ!!」
「ぎゃおああぁあーーー!!!!」
ソウカ「・・・・・・・・・」
ソウカ「彗花・・・・・・ お前は俺を助けるために怪人にしたのか?」
〇街中の道路
時計を売ったあの店には瀕死の彗花さんがただ一人居た。
しかし時計とヤスの姿は忽然と消え、何処に行ったかも解らない
そいや「ヤス・・・一体どうしちまったんだ。教えてくれ」
そいや「教えてくれないと俺は・・・お前を・・・・・・」
一人取り残された俺は、謎に包まれたまま彼に対する憎しみの感情を抱くのだった・・・
一つのオブジェを巡って争奪戦が繰り広げられるストーリーは盛り上がりますね。あの時計は怪人から人、人から怪人へと渡り歩いて最後にどのような結末へと導いてくれるのか、楽しみです。
なんだか周囲の人たちを不幸にしてしまう時計のようですね。
最後、ヤスが持って行ったのは、そのことをわかっていたからでしょうか。
消えてしまった彼はどこにいったんでしょうね。
ヤスは怪人と化したことであの謎の時計の存在を追い、大事な人がこれ以上傷つくことがないように守っていってくれるような気がしました。