⑧第5ステージ・フラグ質問集(脚本)
〇おしゃれな教室
山里先生「それじゃ、第5ステージの質問役は仙石にやってもらおうかな。 フラグ質問クジ引き、やってみるかい?」
仙石「やりまーっす!」
山里先生「じゃ、いくぞー。 好きなとこでストップかけてくれよな」
先生はポケットから取り出した単語帳を素早くめくり始めた。
仙石「ストーップ!」
山里先生「オッケー。じゃあこれを、第5ステージのフラグ質問にします!」
ノーベル賞の受賞スピーチに出てきそうなフレーズは?
山里先生「さすが仙石、いい質問を引いてくれたなー。 これ、先生がこの「フラグフレーズ」ってゲームを知った記事にも出てきた質問だよ」
仙石「あ、フラグフレーズって名前なんすか。 知らなかったー」
山里先生「言ってなかったっけ? フラグとフレーズで遊ぶから、フラグフレーズなんだ。 「読書会ゲーム」ってのは一般化した呼び方だよ」
仙石「まあとにかく、ノーベル賞をとったつもりになって、フレーズをいっこ選べばいいんすね?」
山里先生「そうそう。ついでに、ノーベル賞の何賞かも考えてみてくれよ」
山里先生「きっと物理学賞と文学賞じゃスピーチの雰囲気も違うだろうし、勝手な賞を想定してもいいよ。ノーベル音楽賞とか、主演俳優賞とか」
また投票が行われた。
今度は(イ)が最多得票となった。
(イ)
やってもいないのに、無理って言うな
小板橋「やっぱり、受賞スピーチだったらこれだよねー。無理って言うな、やってみろって言われて頑張ったから受賞できました、みたいな?」
山里先生「ほー。ちなみに小板橋のイメージの中では、ノーベル何賞だと思う?」
小板橋「うーん、物理学かなあ・・・医学とか化学とか、理系っぽい気がします。 「やってもいないのに」って、実験の話みたいにとれるし」
島津「それならノーベル平和賞ってのもありじゃないかな。反戦運動で、やる前から無理って言わずに声を上げよう、ってスローガンとかさ」
山田「あー、「Yes,we can!」ってやつだな」
島津「それは・・・反戦じゃなくて選挙のキャッチコピーじゃなかったっけ?」
山田「あ、そっか・・・そうかも」
山里先生「じゃあ少数意見も聞いとこうか。 崎本、たしか(ア)にパーで1票入れてたよね?」
めぐる「はい・・・自分で考えた賞でもいいってことだったので・・・ノーベル・ファンタジー賞なんてどうかなー、って思いまして」
山里先生「ほほー、ファンタジー賞ってのはやっぱり、文学賞みたいな感じかな?」
めぐる「文学に限らなくても、漫画とかゲームとかアニメとか・・・とにかくファンタジー作品ならOKって賞、あるといいなと思って」
めぐる「さっきの第4ステージみたいに・・・歌でもファンタジーな歌ってあるし、詩でもフレーズでも、ファンタジーなのっていいですよね」
めぐる「これを最初に読んだ時、ファンタジーでいいなーって思ったんです。 戸橋くんがぱっと指さしたのを見た途端に異世界って感じで!」
山里先生「そっかー。それじゃ、異世界に行けたお礼に、崎本からこのフレーズに贈るファンタジー賞って感じだな」
森「で、このフレーズを見つけた戸橋の方は、そのまま異世界に行っちゃってて帰ってこれない感じ?」
山里先生「いや・・・異世界じゃなくて、病院に行ってるって話だったぞ。 今朝、親父さんから連絡もらったんだ」
森「病院!?」
山里先生「なんか、怪我したらしくてさ。 いつまでかかるか分かんないから、遅刻よりも欠席扱いにしといてください、って話だったんだ」
森「じゃあ・・・怪我って、大怪我なんですか?」
山里先生「詳しいことは先生も知らないんだ。 気になるけど、病院に行けてるなら心配ないだろう。混んでて時間かかるだけかもしれないしな」
岩原「でも、そういえば・・・ 昨日の夜、戸橋の家から、なんかすげー物音してましたよ。 男同士で喧嘩でもしてたみたいな・・・」
山里先生「そうか・・・岩原は戸橋と近所同士なんだっけ?」
岩原「はい。だから塾の帰り、あいつんちの前を通って。 戸橋と親父さんの二人暮らしだし、親子喧嘩で怪我したってことなら・・・」
森「じゃあ・・・虐待とか、家庭内暴力とかってこと?」
山里先生「おいおい、ちょっと待った! 詳しいことは分かんないって言っただろ。勝手な憶測で変な噂が広まっちゃうのはよくないぞ!」
山里先生「心配していろいろ考えちゃう気持ちも分かるけど、今はその想像力をゲームに向けといてくれ。 とりあえず、ステージのまとめ!」
山里先生「第5ステージ、「ノーベル賞の受賞スピーチに出てきそうなフレーズは?」ってフラグ質問には・・・」
山里先生「(イ)の「やってもいないのに、無理って言うな」ってフレーズで答えたいと思います!」
先生は手を叩き、ステージの終わりのしるしみたいに拍手を募った。
だけどみんなの反応は鈍い。少々元気のない拍手となった。