おっさん、確かめる(脚本)
〇本棚のある部屋
──前回までのあらすじ
マジメでおカタい三十余歳の会社員、清木正は、JK(のニオイ)になれるセッケンで、リアルJKになってしまった!!
〇本棚のある部屋
清木正「こ、これは・・・」
鏡に映る己の姿を、ためつすがめつ眺める。
清木正「・・・フッ」
思わず皮肉げな笑いが漏れる。
世の中には、TSモノというジャンルがある。
むくつけき男が女の身体になって、男では味わえないめくるめく官能に耽溺するという倒錯的な性癖だ。
性癖に貴賤はない。
節度を持って楽しむ分には誰に否定されるものでもない。
しかし、私にはTSモノの性癖はない。
ゆえに、ひそかに思うことがあった。
清木正「TSしたからと言って──」
清木正「──美少女になるとは限らない!!」
鏡に映る己の姿。
十代らしい明るく張りのある肌艶をしている。
だが、顔の造形はまごうことなく、私だ。
私がもし女に生まれたら、こうなる。
その想像の範疇を超えない顔の造りだ。
そもそも人間は進化の系譜ゆえに、類人猿の呪縛から逃れられない。
顔の造形はどこまで行っても、猿とゴリラの延長線上だ。
肉と骨と遺伝子の限界を脱する試みこそが、化粧であり、整形であり、画像加工であり・・・そして美少女絵なのである。
清木正「ゆえに、TSしたオッサンがリアル美少女になるなどありえない!!」
清木正「ハーッハハハハハハッ!!」
〇本棚のある部屋
清木正「・・・・・・はぁ」
ひとしきり笑った後で、私は正気に返った。
鏡の中で、己によく似た芋顔の十代女子がドヤ顔で高笑いをしているのを見て、気持ちが冷めたとも言う。
清木正「あえりない出来事を前に、少々取り乱したようだ・・・」
ひとまず、状況を整理しよう。
朝起きたら、JKになっていた。
清木正「意味がわからない・・・」
だが、原因には心当たりがある。
清木正「というより、アレしかないだろう・・・」
〇白いバスルーム
JKのニオイになれるセッケン『フェロコ』
清木正「・・・の、ニセモノ」
およそ信じがたいが、コレを使ったために10代の女の子になってしまったのだろう。
昨晩、床に放ったままの包装紙を手に取る。
清木正「・・・とにかく、調べてみるか」
〇本棚のある部屋
手元の包装紙をネットに上がっている本物の画像と見比べたり、似たような体験談を探してみたが──
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やはりお顔の造形は……、そこまで甘い物語ではないですね。理想の容姿のJKになれるのでしたら、世のおっさんは狂喜乱舞しそうですよね、いやおばさんもw そして男性には縁遠いブラ問題、どう対処したのか気になります!
そうなんですね~!
カワイイJKにはならなかったのか…(残念!)
そして、ブラジャー問題。
今はユニクロでスポブラとか、キャミソールにくっついているモノもあるから、下着屋さんに行かなくても手に入りやすいけど、やはり男の人だとどこで手に入れるか、付け方はどうするかとかは悩みどころになりそうですね。
次も楽しみです