とある学校の秘密の彼ら

クソゴミ製造機 ─INPO─

エピソード2(脚本)

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〇学校の校舎
  花守 智恵理 ─ 合法ノンケ ─
  学校に着くと校舎の前に人が集まっていた、智恵理達と同じ、今日からこの学校の生徒になる人達だ、
  玄関口前にクラス分け表が貼られたボードが設置されており、彼らはそれを見て自分の教室へと向かう。
  生徒の他に教師らしき人もおり、
教師「一年生の教室は一階、自分のクラスが分かったら素早くそちらへ向かってください、」
教師「ここに長く留まると通行の邪魔になる!教室の方にもクラス分け表は貼られているからここだけじゃなくそちらも見てください!」
  と生徒に向かって叫んでいる。
花守 智恵理(はなもり ちえり)(私達は何組だろう・・・?)
  とボードを見ようとするが前に人が多く集まっておりよく見えない、
朝桐 楓(あさぎり かえで)「・・・・・・・・・」
  楓の身長ではそもそもボードすら見えない、見えるのは前にいる人の背中だけだ。
朝桐 椛(あさぎり なぎ)「・・・・・・・・・」
朝桐 椛(あさぎり なぎ)「ねーちゃん、智恵理さん、ここじゃよく見えないから教室へ向かおう、そっちにもクラス分け表は貼られているみたいだし」
花守 智恵理(はなもり ちえり)「そうだね、何人かはそうしてるみたいだし、行こうか」
  生徒の何人かはボードを見ずに、もしくは見ても前の人達が邪魔でよく見えない事を悟り、
  叫んでいる教師の言葉を聞いて教師へと向かう。
  智恵理達も教室へと向かおうとするが椛がその場から動かずにいる楓に気付き声をかける。
朝桐 楓(あさぎり かえで)「・・・・・・・・・」
朝桐 椛(あさぎり なぎ)「?・・・ねーちゃん、行こう」
花守 智恵理(はなもり ちえり)(ん?・・・あ、)
  椛の声に振り返り楓の顔を見て気付く、「またか・・・」と、
  楓は椛の言葉を聞いていなかった、そしてボードではなく周りにいる生徒達、特に男子生徒達だけに熱く真剣な眼差しを向けていた、
  無表情で。
  そんな楓に向けて智恵理はまた能力を使う。
朝桐 楓(あさぎり かえで)(いやー、良い男がいっぱいいますなー!良き哉!!)
朝桐 楓(あさぎり かえで)(右にも左にも、そこらかしこに良い男!!)
朝桐 楓(あさぎり かえで)(今日からこんな素敵な男⦅ひと⦆達と学校生活を送れるのか!楽園⦅パラダイス⦆かよ!!)
朝桐 楓(あさぎり かえで)(いけない太陽始まっちゃうなー?オイ!?)
朝桐 楓(あさぎり かえで)(心⦅なかみ⦆は男でも体は女だから世間的にノンケ扱いだし合法的にキャッキャウフフできる!)
朝桐 楓(あさぎり かえで)(まさに〝合法ノンケ〟!!!)
朝桐 楓(あさぎり かえで)(真・・・良き哉!!)
  朝桐楓は体は女で中身は男、そして同姓愛者(男好き)という、
  「トランスジェンダー」の一部で「FtMゲイ」と呼ばれるものであった、
  楓は自分がFtMゲイである事を隠していた、家族等周りの人達はその事を知らないが、
  他人の秘密を知れる能力を持つ智恵理だけは知っていた。
花守 智恵理(はなもり ちえり)(いけない太陽・・・?また意味不明な事を・・・、)
花守 智恵理(はなもり ちえり)(〝さっき〟といい、なんだか意味不明さが中学の時よりも増してる気がする・・・、)
花守 智恵理(はなもり ちえり)(面白い⦅ネタになりそうだ⦆からいいけど)

〇電車の中
  さっきとは楓の遅刻のせいで人の混んだ電車に乗っていた時の事だ、
  智恵理達は入って来たドアとは反対側のドア付近にいた、
  駅に着く度に車内に人が乗ってくる、混雑は増しきゅうくつになっていく、
  そしてまた駅に到着しさらに人が乗ってきたその時、
朝桐 椛(あさぎり なぎ)「っ!?」
花守 智恵理(はなもり ちえり)「!?」
  後ろから体を押された椛がバランスを崩し、智恵理の方へと倒れ掛かってきた、が─
朝桐 椛(あさぎり なぎ)「!!」
  ─ドン
  と椛はすかさず手を伸ばし、智恵理が背にしている反対側のドアに手をやり
  なんとか体を支える、おかげでぶつからずに済んだが、
花守 智恵理(はなもり ちえり)(・・・・・・あれ、これって)
  二人の今の状況を説明すると二人は互いに向かい合っていて距離もかなり近い、息が顔に掛かる程だ、
  そして智恵理の顔の左側からすぐそばに椛の右手があった、
  この様な状態は俗に言う─
花守 智恵理(はなもり ちえり)(「壁ドン」ってやつだよね・・・)
  椛の右手を見る、
  マンガとかでよく見るあの行為をまさか自分が体験する事になるとは(しかも入学式の日に)、
  と初めての経験にドキドキしていると
朝桐 椛(あさぎり なぎ)「(大丈夫ですか)」
  と椛が小さく心配そうな声で話しかけてきた、
  ハッとして椛の顔を見る(椛の方が少し背が高いので智恵理が顔を見上げる形である)、
花守 智恵理(はなもり ちえり)(うぉお・・・顔が近い)
  あまりの距離の近さにドキりとするも何とか冷静を装い返事をする。
花守 智恵理(はなもり ちえり)「(あー、大丈夫だよ、うん・・・平気・・・・・・)」
朝桐 椛(あさぎり なぎ)「(そ、そうですか・・・)」
花守 智恵理(はなもり ちえり)「(う、うん・・・)」
朝桐 椛(あさぎり なぎ)「・・・・・・・・・」
花守 智恵理(はなもり ちえり)「・・・・・・・・・」
朝桐 椛(あさぎり なぎ)「・・・・・・・・・」
花守 智恵理(はなもり ちえり)「・・・・・・・・・」
朝桐 椛(あさぎり なぎ)「(・・・・・・・・・すいません)」
  壁ドン⦅そのまま⦆の状態で数秒程互いに見つめ合う、
  だが段々と気まずくなりついには目を逸らし何故か謝罪する椛。
花守 智恵理(はなもり ちえり)「(え?あ、いや、うん・・・大丈夫・・・だよ?)」
  何が大丈夫なのか自分でもよく分からない返事をし、
  智恵理も気まずくなり椛とは反対の方向に目を逸らす、そして、
花守 智恵理(はなもり ちえり)「・・・・・・!」
  そして目にしてしまう、
  視線の先にいる楓の姿を。
  ドア付近には智恵理達の他にもう二人の男性がいた、
  その二人の男性の間に挟まるように楓はいた、体はドアの方に向いていて、
  挟まれてるせいで頬が少し潰れた顔だけをこちらに向けていた。
花守 智恵理(はなもり ちえり)(!・・・無表情!!)
  そして無表情だった、それを見た智恵理は
  「あぁ、そうだったな」と〝ある事〟を思い出し楓に向けて能力を使う
朝桐 楓(あさぎり かえで)(良い男というパンの間に俺という具が挟まれている、・・・合法ノンケサンドゥイッチィ・・・)
花守 智恵理(はなもり ちえり)(いや、何言ってるの!?)
  ある事、それは楓が急に無表情になる時は大体この様な思考をしている時である(そうでない時もある)、
  そしてその思考は秘密と認識しているのか、智恵理の能力の対象内であり読めてしまう
  (恐らく秘密であるFtMゲイと関連する思考だからであろう)。
朝桐 楓(あさぎり かえで)(ん?あ、椛が智恵理に壁ドンしてる、はえ~初めて見た、生壁ドンだ、)
朝桐 楓(あさぎり かえで)(・・・・・・・・・)
朝桐 楓(あさぎり かえで)(椛くんちえりん壁ドンドン♪椛壁ちえ壁生壁ドン太郎・・・♪)
花守 智恵理(はなもり ちえり)(はあ?)
  そしてこの様な思考も秘密と認識しているのか読めるのであった。

〇学校の校舎
花守 智恵理(はなもり ちえり)「楓ちゃん行こう、教室にも・・・」
  声を掛けるが途中で言葉が止まる
朝桐 楓(あさぎり かえで)(でも中学の時は男子と仲良くなりすぎて一部の女子達から嫌がらせを受けたっけ、)
朝桐 楓(あさぎり かえで)「この学校では気を付けないとなー」
花守 智恵理(はなもり ちえり)「・・・・・・・・・」
  だが智恵理はもう一度声を掛け肩をたたく
花守 智恵理(はなもり ちえり)「楓ちゃん行こう、教室にもクラス分け表が貼られてるって」
朝桐 楓(あさぎり かえで)「んぅおん?」
  楓が思考をやめ、その拍子に変な声を出す、そして三人で教室の方へと向かった。

〇まっすぐの廊下
  教室のドアに貼られているクラス分け表を見ると智恵理達三人共同じクラスであった、
  1年3組である、その時また楓が本日三回目の無表情になり
朝桐 楓(あさぎり かえで)(1年3組・・・・・・、2組と4組の間に挟まれている、つまり良い男と良い男の間に挟まれている!?)
朝桐 楓(あさぎり かえで)(・・・・・・最高かよ)
  と思考し
花守 智恵理(はなもり ちえり)(いやあんたさっき電車の中で挟まれておったやないかーい!)
  と智恵理は心の中でツッコミを入れた。

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