怪人のつくりかた

にゃぴょう

怪人のつくりかた(脚本)

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怪人のつくりかた
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〇崩壊した道
「キャー!!助けてー!!」
敵「キシャーッ!!」
「待て・・・・・・!」
シャッツェン「我が名はシャッツェン」
シャッツェン「雑魚は下がっていろ」
敵「キシャーッ!!」
敵「お、お許しくださ・・・・・・」
シャッツェン「俺様の邪魔をするな・・・・・・」

〇大きな箪笥のある和室
村上ナオ「おれさまの、じゃまを、するな!」
村上ナオ「かっこいい・・・・・・!」
村上ナオ「あんなふうに強くなりたいなぁ」
村上ナオ「あれ?」
村上ナオ「おばあちゃん・・・・・・!」
おばあちゃん「ナオ、またこんな野蛮なもの見て!」
おばあちゃん「女の子らしくない!」
村上ナオ「ごめんなさい・・・・・・」
おばあちゃん「今日の朝ごはんは抜きです」
村上ナオ「そんな・・・・・・」
おばあちゃん「おばあちゃんはナオのために言ってるのよ」
おばあちゃん「わかった?」
村上ナオ「はい・・・・・・」

〇魔界
  『怪人のつくりかた』

〇団地
  10年後

〇大きな箪笥のある和室
おばあちゃん「ナオー」
おばあちゃん「おばあちゃん仕事に行ってくるから」
おばあちゃん「お留守番よろしくね」
村上ナオ「うん」
おばあちゃん「夏休みの宿題、ちゃんとやるのよ」
村上ナオ「うん」
村上ナオ「宿題・・・・・・」
村上ナオ「・・・・・・」
村上ナオ「・・・・・・」
村上ナオ「だれ・・・・・・?」
???「すいませーん!」
村上ナオ「女のひとだ・・・・・・」
天城ミカ「はじめまして」
天城ミカ「私、天城(あまぎ)ミカと申します」
天城ミカ「ちょっとお話しよろしいかしら?」
村上ナオ「すみません、祖母はでかけてて」
天城ミカ「あら、私あなたとお話ししたくて来たのよ」
天城ミカ「村上ナオさん」
村上ナオ「え・・・・・・」
天城ミカ「あなた、ずーっと何かを我慢して 生きてきたんじゃない?」
天城ミカ「そんな顔してる」
村上ナオ「それは・・・・・・」
天城ミカ「きっと、大変な経験をたくさんしてきたのね」
村上ナオ「・・・・・・」
天城ミカ「だからかしら?」
天城ミカ「あなたからは、強さを感じる」
村上ナオ「え・・・・・・」
天城ミカ「なんかこう、内側からにじみ出る強さって いうのかしら」
天城ミカ「それがとってもカッコよくて、素敵よ」
村上ナオ「そんなこと・・・・・・」
村上ナオ「あれ?なんでわたし・・・・・・」
天城ミカ「ナオちゃん・・・・・・!」
天城ミカ「辛かったわね、わかるわ」
天城ミカ「ねえ、気晴らしにちょっとお出かけしない?」
村上ナオ「でも、おばあちゃんが」
天城ミカ「大丈夫、おばあちゃんが帰ってくるまでに 戻ればいいのよ!」
天城ミカ「おねえさんとつかの間の逃避行よ、どう?」
村上ナオ「・・・・・・」

〇商店街
天城ミカ「ふぅー、暑いわねー!」
天城ミカ「ナオちゃん、アイス食べようよ!」
天城ミカ「すいませーん、ソフトクリーム2つ!」
天城ミカ「はい、どうぞ!」
村上ナオ「あ、ありがとう」
天城ミカ「ふふ、いいのよ」
天城ミカ「そうだナオちゃん、 よかったら家に寄っていかない?」
村上ナオ「え・・・・・・」
天城ミカ「すぐ近くなの、ちょっと涼んでいきましょう」
村上ナオ「う、うん」

〇怪しい研究所

〇実験ルーム
天城ミカ「さ、どうぞ入ってー!」
村上ナオ「わあ・・・・・・!」
天城ミカ「私の研究所なの!案内するわ」
村上ナオ「たくさんいる・・・・・・ これはなに・・・・・・?」
天城ミカ「私が研究開発している子たちよ」
天城ミカ「みーんな、私の子供みたいなものかな」
村上ナオ「ごめんなさい・・・・・・ 「これ」って呼んじゃって」
天城ミカ「ナオちゃんったら、優しいのね」
天城ミカ「個性的な見た目の子ばかりだから」
天城ミカ「ちょっと怖がらせちゃったかな?」
村上ナオ「そんなことない」
村上ナオ「かっこいいです・・・・・・」
天城ミカ「まぁ、ありがとう!」
天城ミカ「やっぱり、ナオちゃんとは気が合いそう!」
村上ナオ「・・・・・・!!」
村上ナオ「シャッツェン・・・・・・!!」
村上ナオ「ミ、ミカさん、この子は・・・・・・」
天城ミカ「ふふ、一番新しく生まれた子よ」
村上ナオ「へぇ・・・・・・」
天城ミカ「よっぽど気に入ったみたいね」
天城ミカ「ねぇ、ナオちゃん・・・・・・」
天城ミカ「私は、この子たちと一緒に世界を変えたいの」
村上ナオ「え・・・・・・」
天城ミカ「もっと誰もが住みやすい世界」
天城ミカ「辛い思いをしなくて済む世界・・・・・・」
天城ミカ「ねぇナオちゃん、 世界を変えるためには何が必要だと思う?」
村上ナオ「えっと・・・・・・」
天城ミカ「強さよ」
天城ミカ「誰にも負けない、強いチカラ」
天城ミカ「私はそれを手に入れたいの」
村上ナオ「ミカさん・・・・・・!」
村上ナオ「わ、わたしもつよくなりたい」
村上ナオ「どうしたら、つよくなれますか?」
天城ミカ「強さはチカラ、チカラはパワーよ」
天城ミカ「パワーを生み出すには、強靭な肉体が必要」
天城ミカ「そう、この子のようなね」
村上ナオ「・・・・・・わたし、筋肉ぜんぜんない」
天城ミカ「ふふ、身体は鍛えれば強くなるわ!」
天城ミカ「私も、こう見えて格闘技をやってるのよ」
天城ミカ「フッ!ハッ!」
天城ミカ「なんてね」
天城ミカ「あら、そろそろ帰らなきゃいけない時間ね」
村上ナオ「・・・・・・帰りたくない」
天城ミカ「ナオちゃん、私もさみしいわ」
天城ミカ「いつでも遊びに来ていいから」
村上ナオ「うん・・・・・・」
天城ミカ「今日のことは、2人だけのヒミツね」
村上ナオ「うん!」

〇団地
  翌日

〇大きな箪笥のある和室
おばあちゃん「ナオ、おばあちゃん仕事に行ってくるね」
村上ナオ「いってらっしゃい」
おばあちゃん「ナオ、なんだか楽しそうね」
おばあちゃん「・・・・・・おばあちゃんに何か隠してる?」
村上ナオ「え、な、なにも」
おばあちゃん「そう」
おばあちゃん「じゃあ、宿題ちゃんとやりなさいね」
村上ナオ「ふう・・・・・・あぶなかった」
村上ナオ「よし、わたしも行くぞ・・・・・・!」

〇商店街
村上ナオ「あれ・・・・・・?」
村上ナオ「この辺りだったはずなのに」
村上ナオ「ミカさん、もう会えないのかな」
村上ナオ「何・・・・・・?」
村上ナオ「これは、格闘技・・・・・・?」
村上ナオ「すごい・・・・・・」
おにいさん「こんにちは」
村上ナオ「わっ!」
おにいさん「はは、ずっと覗いてるから気になっちゃって」
おにいさん「空手、興味あるの?」
村上ナオ「からて・・・・・・」
村上ナオ「・・・・・・」
おにいさん「よかったら、やってみる?」
村上ナオ「え、いいの?」
おにいさん「体験入会、大歓迎だよ!」
村上ナオ「じ、じゃあ・・・・・・」

〇商店街
おにいさん「ふー、おつかれさまー!」
おにいさん「どうだった?」
村上ナオ「すごくつかれた」
村上ナオ「でも、楽しかった」
おにいさん「それはよかった」
おにいさん「なかなか上手かったよ!才能あるんじゃない」
村上ナオ「そうかな」
おにいさん「あ!もし次も来るなら、道着が必要だね」
おにいさん「ちょうど小さめの道着が1着余ってたはずだ」
おにいさん「よかったら君にあげるよ!」
村上ナオ「ほんと!?」
おにいさん「ちょっと着いて来て」

〇ラブホテル

〇ラブホテルの部屋
村上ナオ「おじゃまします・・・・・・」
おにいさん「はは、君おもしろいね」
おにいさん「早速だけどさ」
おにいさん「服、脱いでよ」
村上ナオ「え・・・・・・」
おにいさん「道着、試着してみなよ」
村上ナオ「え、あ、」
村上ナオ「でも・・・・・・」
おにいさん「なんで?早くしなよ」
おにいさん「タダであげると思った?」
村上ナオ「きゃ・・・・・・」
村上ナオ「や、やめて・・・・・・!」

〇商店街
村上ナオ「うっ・・・・・・うっ・・・・・・」

〇ラブホテルの部屋
村上ナオ「うぅ・・・・・・」
おにいさん「はー、おつかれさま」
おにいさん「もう帰っていいよ」
おにいさん「あ、道着だったね」
おにいさん「はいよ」
おにいさん「いいじゃん、これ着て帰りなよー」
村上ナオ「うっ・・・・・・」

〇商店街
村上ナオ「うっ・・・・・・」
村上ナオ「うわああああ!!!」

〇団地

〇大きな箪笥のある和室
村上ナオ「お、おばあちゃ・・・・・・」
おばあちゃん「ナオ・・・・・・!」
村上ナオ「・・・・・・!」
おばあちゃん「ナオ!!こんな遅くまでどこ行ってたの!!」
おばあちゃん「その服はなに?はした無い!」
村上ナオ「うっ・・・・・・」
おばあちゃん「泣きたいのはこっちよ」
おばあちゃん「こんな子、もう面倒みきれないわ!!」
おばあちゃん「出て行きなさい!!」
村上ナオ「う、うわあああ!!」

〇商店街
村上ナオ「はぁ、はぁ・・・・・・」

〇怪しい研究所
村上ナオ「はぁ、はぁ・・・・・・」
村上ナオ「ミカさん・・・・・・」

〇実験ルーム
村上ナオ「はぁ、はぁ・・・・・・」
天城ミカ「あら、ナオちゃん!!」
天城ミカ「あなた・・・・・・!!」
村上ナオ「うぅ・・・・・・」
村上ナオ「ミカさん・・・・・・ わ、わたし・・・・・・」
村上ナオ「うぅ・・・・・・」
天城ミカ「いいのよ・・・・・・無理しないで」
天城ミカ「さ・・・・・・こっちで休みましょ」

〇地下実験室
村上ナオ「シャッツェン・・・・・・!」
村上ナオ「うぅっ・・・・・・」
天城ミカ「ナオちゃん」
天城ミカ「いいのよ、泣きなさい」
天城ミカ「その悲しみと怒りを爆発させるのよ」
村上ナオ「うっ、うっ・・・・・・」
天城ミカ「ナオちゃん、強くなりたい?」
村上ナオ「ミ、ミカさ・・・・・・」
村上ナオ「わ、わたし、つよ・・・・・・く」
村上ナオ「つよくなりた・・・・・・うっ」
天城ミカ「いいわ、いいわよ・・・・・・」
天城ミカ「ねぇ、こんなに辛くて悲しい世界、 一緒にブチ壊してやりましょう」
天城ミカ「私たちで、世界を変えるのよ! ナオちゃん!」
村上ナオ「うっ・・・・・・うっ・・・・・・」
村上ナオ「うわああああああ!!!!!!」
シャッツェン「・・・・・・」
シャッツェン「ウッ・・・・・・ウッ・・・・・・」

〇マンション群

〇高級マンションの一室
おにいさん「ふーんふふーん♪」
おにいさん「カンパーイ♪っと・・・・・・」
おにいさん「ん?」
おにいさん「うわあっ!!」

〇高級マンションの一室
シャッツェン「・・・・・・」
おにいさん「ひっ、ひいぃ!」
おにいさん「な、なんだお前・・・・・・」
シャッツェン「・・・・・・」
おにいさん「うへぇっ!!」
おにいさん「ぐ・・・・・・な、なに・・・・・・」
シャッツェン「ワタシ・・・・・・」
シャッツェン「ワタシ・・・・・・ハ・・・・・・!」
おにいさん「ひいいいぃ!!!!」
おにいさん「た、たすけ・・・・・・」
シャッツェン「オ・・・・・・ セカイヲ、カエル・・・・・・」
シャッツェン「ワタシ、ノ、ジャマヲ・・・・・・」
シャッツェン「スルナアアァ!!!!」
おにいさん「ぎゃああああああぁ!!!!!!」
シャッツェン「・・・・・・」
シャッツェン「ワ、ワタシハ・・・・・・」
シャッツェン「ツヨイ・・・・・・」
シャッツェン「フ・・・・・・フフ・・・・・・」
シャッツェン「ハハハハハ!!!!」
シャッツェン「ハハハハハハハハ!!!!」

〇黒背景
  こうして、シャッツェンは誕生した
  シャッツェンは怪人となり、
  人々を脅やかす存在になるのか?
  それともダークヒーローとして、
  世界を変えるのだろうか?
  答えはまだ、出ていない────

コメント

  • マーベル映画を見ているとヒーローとヴィランって、共通のものがありますね。似たような苦しみを抱えてたりして…
    正義に行くか、悪に行くかは、その人次第な気がします。
    生き辛い日本では、ヒーローを目指しても屈折した気持ちから怪人化してしまう人が多いかもしれません。続きがあれば、その辺も描いていたのかなぁ…と妄想しました🤔

  • いくつか疑問に思うことは、ミカはどうやって怪人の素質があるナオを発見できたのか、ナオは怒りを爆発させることで怪人と一体化できたんだろうか、それとも変身するためのトリガーは他にあるのか、などです。女性の怪人は珍しいので、続編があるならば見たこともないような新時代の怪人像を期待しています。

  • 怪人作品としてストレートな良さを感じ、とても好きでした!
    ここがスタート地点として、これから開発者の女性にフォーカスしたり、主人公が純粋で素直な女の子であることも含めて、長編化がしやすい内容だと思います!

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