朝起きたら怪人になっていた!?(脚本)
〇東京全景
ある日の朝────
〇一人部屋
目覚めると俺は────
〇白いバスルーム
「なんっじゃこりゃあああああああ!!!!」
怪人になっていた────
〇一人部屋
マキシ「お、落ち着いて考えよう。 たしか、昨日はサークル仲間と 飲みに行って・・・」
マキシ「・・・・・・」
マキシ「そこからの記憶がない!」
なんとなく、酔っ払ってニワトリと
話していたような気もするが・・・
ニワトリ・・・
マキシ「って、ええーーっ!?!? ニワトリ!?!?」
ニワトリ「すみません、マキシさん・・・」
マキシ「ニワトリが喋った!?」
ニワトリ「私の契約ミスで、 あなたが怪人となってしまいました」
マキシ「てめーのせいかよ!」
マキシ「早く元に戻してくれ」
ニワトリ「このまま怪人として生活して いただくというのはダメですか?」
マキシ「ダメに決まってんだろ」
マキシ「つーか、おまえのミスなんだろ、 早く責任取ってくれ」
ニワトリ「責任・・・」
ニワトリ「てへっ⭐︎」
マキシ「てへっ⭐︎ じゃねえよおおおお! 唐揚げにして食っちまうぞ!!」
ニワトリ「すみませんすみません それだけは勘弁してください」
マキシ「俺は4時からデートなんだよ! 早く戻してくれ!」
ニワトリ「デートですか、いいですねぇ、 青春ですねぇ」
マキシ「か ら あ げ」
ニワトリ「ひぇっ!? わ、わかりました。 元に戻る方法をお伝えします」
ニワトリ「怪人から人間に戻る方法は・・・ ヒーローに負ける事です!」
マキシ「・・・へ?」
ニワトリ「これから数々のヒーローが、 あなたに立ちはだかるでしょう。 その人たちに負ければいいんです!」
マキシ「なんだ、そんなことでいいのか?」
ニワトリ「はい!」
マキシ「よし、じゃあ早速外に出てみるか!」
〇通学路
マキシ「・・・とは言ったものの、 なかなか現れないな」
ニワトリ「怪人が悪さを働かないと、 ヒーローは現れませんよ」
マキシ「マジか・・・。 しかし、人を襲うのは気がひけるな」
壁にラクガキとかしてみたら
どうだろうか?
キュッキュッ
「こらーーーーーーーーっ!!」
警察「キサマ、 壁にラクガキしちゃいかーん!!」
マキシ「げっ、警察!? 逃げろ!!」
〇川に架かる橋
マキシ「おい、ニワトリ。 負けるのは警察でもいいのか!?」
ニワトリ「ダメです、 ちゃんとしたヒーローでないと!」
マキシ「ちゃんとしたヒーローってなんだよ!?」
「そこまでよ、怪人!」
戦隊レッド「壁にラクガキをした罪、 きちんと償ってもらうわ!」
戦隊ホワイト「さっさと俺たちに倒されな!」
ほ、本当に出たー!
よし、こいつらに負ければいいんだな?
かかって来い!
マキシ「よ、弱い・・・ 弱すぎるじゃねーか!」
マキシ「なんでヒーローがあんなに弱いんだよ!?」
ニワトリ「ヒーローが最初から強いとは 限らないですよ。 あと、怪人になると元の人間の 10倍くらいのパワーになるんで」
マキシ「それを早く言え!?」
今は昼12時。
腹が減ったがそれどころではない。
まだ4時間ある。
早くヒーローに倒されないと・・・
デートに間に合わない!!︎
マキシ「今の悲鳴は!?」
ニワトリ「他の怪人かもしれません、 行ってみましょう!」
〇渋谷のスクランブル交差点
見ると、他の怪人が暴れていた。
ヒーローが来るチャンスだ!
怪人「なんだ貴様? 貴様も仲間か・・・?」
マキシ「お、おう。 仲間仲間〜、よろしくな」
怪人「俺は人間共に復讐してやるのだ。 どいつもこいつも、 俺を見下しやがって・・・!」
マキシ(あちゃー。 典型的タイプの怪人だねぇ、こりゃ)
マキシ(俺がヒーローだったら ぶちのめしてやるんだが、 今はそうも言っていられない)
マキシ(人間に戻って、 4時のデートに間に合わせる!!)
「そこまでだ、怪人共!」
「我ら三人・・・」
「サムライソルジャー!!」
きたーっ!
今度は違うヒーローが来たぞ!
ヒーローたちは、
暴れていた怪人を颯爽とやっつける。
こ、これは期待できる・・・!
俺も、なるべく手加減、手加減・・・
マキシ「なんっでやねん!!」
マキシ「なんで、ヒーローが弱すぎるんだよ!」
ニワトリ「う〜ん、もしかしてマキシさん・・・ あなた、スポーツ何かやっていました?」
マキシ「やってたよ・・・。 やってたけど、別にタイトル 持ってるとか、そんなんじゃねーぞ?」
ニワトリ「スポーツをやっていた方は、 怪人化によって眠っていた筋力を 呼び覚ます事があるんですよ」
ニワトリ「マキシさんは、 そのタイプだったんですね」
・・・今は嬉しくねえー。
マキシ「って、もう3時じゃねーか!」
マキシ「仕方がない、 スマホで連絡を入れておこう・・・」
マキシ「・・・・・・・・・・・・」
マキシ「おおーーーーーーい!!」
ニワトリ「握力も10倍になってますから!!」
マキシ「スマホ以外、なんも持ってきてねーぞ!? この格好で彼女に会いに行けと!?」
〇モヤイ像
ユミカ「マー君、遅いな・・・」
ユミカ「スマホに既読もつかないし、 どうしたんだろう・・・?」
マキシ「ぜーはーぜーはー」
ユミカ「きゃっ!? か、怪人!?」
マキシ「ゆ、ユミカちゃん・・・・・・」
ユミカ「え・・・」
ユミカ「その声、ひょっとしてマー君?」
マキシ「そ、そうだよ、俺、マキシだよ! わかってくれる!?」
ユミカ「どうしたの、その格好・・・ コスプレ?」
マキシ「コスプレじゃないんだよ・・・ 朝起きたら、怪人になってて、 人間に戻れなくて・・・」
マキシ「なんとか人間に戻ろうと 画策したんだけど、全然ダメでさ・・・。 スマホも壊れるし・・・」
ユミカ「良かった、何かあったんじゃないかって、 心配してたんだ」
マキシ「俺、こんな格好だから、 悪いけど今日のデートは・・・」
ユミカ「・・・・・・」
ユミカ「素敵」
マキシ「・・・え?」
ユミカ「人間のマー君もカッコいいけど、 怪人のマー君もカッコいい!」
マキシ「え? そ、そう? 俺、カッコいい?」
ユミカ「うん、超イケメン! だから、今日は外じゃなくて おうちデートにしよ?」
ユミカ「それなら、人目も気にならないでしょ♪」
マキシ「ユ、ユミカ・・・!」
あー俺はなんて果報者なんだ!
〇綺麗な一人部屋
ユミカ「今日は、私が料理を作りました〜 ジャーン♪」
マキシ「ニ、ニワトリーーーーーー!!!!」
ニワトリ「私なら、ここにいますが?」
マキシ「うわあああああ、び、びっくりしたー」
ユミカ「いやだなぁ、マー君。 いくら私でも、 ニワトリを捌くのはできないよー」
マキシ「そ、そうだよな。 あー、びっくりした」
ユミカ「ところで、マー君。 怪人の時は、なんて名乗ってるの?」
マキシ「え? 名乗らなきゃダメかな・・・?」
ユミカ「テレビでも、名乗ってるよー。 そうだ!」
ユミカ「怪人・マキシミリオン なんてどうかな?」
〇東京全景
数ヶ月後────
〇通学路
俺は怪人マキシミリオン。
今日も警察に追われながら、
ヒーローが来るのを待つ。
警察「こらー!! 待てーーーー!!」
〇渋谷のスクランブル交差点
というかヒーロー、
早くレベルアップして俺を倒してくれ!!
おしまい
鶏・・・結局、鶏ってなに?
お前を唐揚げにしてやろうか!(デーモン小○閣下風)
彼女、人間の時より好印象って…隠れ特撮オタだったのか(わからない人は『トクサツ○ガガ』見てねー)
もうお巡りさんに捕まって、ヒーロー呼んでもらうか、広告とかでアピールしてヒーロー全員集合!してもらうかしかないんじゃ…
軽快でテンポ良くて楽しかったです!
マー君の試行錯誤はまだまだ続きそうですね😆
ヒーローのバリエーションも面白かったです。
負けたいのに、彼女がカッコいい必殺技とか考えてくれちゃいそうなのがまた良きですw
わたしはからあげは逆に食べられないかも💦
からあげを前に笑ってるニワトリさんの狂気は好きですw