運命の人はどんな人?(脚本)
〇中庭
雄大「俺の左手をまじまじ見て・・・・・・」
雄大「どうかしたの?」
雄大「えーと・・・・・・一年生の、ひとみちゃん?」
名前で呼ばれた。
たったそれだけのことなのに、胸がキュンとするのはどうしてだろう。
ひとみ「あ、あの、先輩・・・・・・先輩は・・・・・・」
あたしの運命の人ですか?
本当はそうききたいけれど、そんなことを聞いたら変人だと思われてしまう。
ひとみ「か」
雄大「蚊?」
ひとみ「彼女っていますか!?」
あたしの質問に、先輩は目を丸くする。
雄大「彼女って・・・・・・恋人ってことだよね?」
ひとみ「は、はい!突然すみません!」
雄大「今はいないよ」
ひとみ「よかったぁ!」
運命の赤い糸が五本もあるくらいだ。
彼女が五人いてもおかしくない!
ひとみ「あれ?でもそのうちの一本はあたしだから、多くても四人か・・・・・・」
あたしのひとりごとに、先輩は首を傾げた。
雄大「何の話?」
ひとみ「えーっと・・・・・・先輩の彼女の話?」
雄大「多くても四人って、四股かける男だと思われてるの?」
雄大「心外だなぁ」
ひとみ「ち、違うんです!それだけ先輩が魅力的ってことで・・・・・・!」
運命の赤い糸の話はできないので、適当に誤魔化す。
でもどうやら先輩は納得してくれたみたいだ。
雄大「嬉しいこと言ってくれるね」
雄大「ちなみに一応言っておくけど、俺は彼女ができたらその子ひとすじだよ」
ひとみ「わ、素敵・・・・・・!」
雄大「ところでひとみちゃん」
ひとみ「はい、なんですか?」
雄大「さっきからずっと俺の左手を握ってるけど、もしかして俺に気があるの?」
ひとみ「ひゃあ!すみません!離すの忘れてました!」
雄大「俺は別にこのまんまでもいいけど?」
少女漫画みたいなセリフに、胸がドキッとする。
でも待って。
なんか先輩、やけに女慣れしてない!?
ひとみ「えーと先輩?」
雄大「なに?ひとみちゃんからの告白なら大歓迎だよ」
ひとみ「うーんと・・・・・・今までの彼女の人数って・・・・・・?」
雄大「彼女?」
雄大「四人だけど・・・・・・それがどうかした?」
それ運命の糸の本数やないかーーーーい!!!!
あたしの恋は、どうやら前途多難なようです。
好きな人ひと筋の好青年の先輩だと思ってら…女性関係はそうでもなかった(?)みたいですね。