きゅぴっ⭐︎(脚本)
〇荒れた倉庫
ハーミット「ハガレッドめ──太陽のシールまで使いこなすとは・・・」
ハーミット「これは懐かしい顔だ」
迄皿 九郎「無駄だ。ここなら光線は撃てないはずだ 建物ごと吹き飛ぶからな」
ハーミット「ほう、よく勉強している、が!」
ハーミット「火炎放射器──!?」
迄皿 九郎「終わりだ」
ハーミット「ブランクシール! 完成していたのか すると私たちの同胞になったわけか」
ハーミット「君は優秀な生徒だったからね 同じになれて嬉しいよ」
迄皿 九郎「シールの封印は、人柱を登録することで完成する──」
迄皿 九郎「父さん 母さん 透子 先生 さようなら」
迄皿 九郎「終わった・・・何もかも」
〇怪しげな部屋
迄皿 九郎「復讐は終わった。だが俺はこれから何をすればいい──虚しいぜ」
緑谷 ヤイバ「ハーミット、倒したんだろ」
迄皿 九郎「ハガグリーン──何をしに来た」
緑谷 ヤイバ「ま、俺の兄貴の仇でもあったから、お礼つーかなんつーか?」
迄皿 九郎「俺はシールの力や”ラタトゥイユ”には興味がない。これを持って消えろ」
緑谷 ヤイバ「せっかく来てやったのに、つれねえな」
〇廃工場
緑谷 ヤイバ「兄貴が生きてたら、あんな感じだったのかな」
第23話 さらばハーミット 執念の日光浴
終
〇西洋の円卓会議
敵組織ラタトゥイユの基地
デビル「やーばいぞ」
ムーン「こ〜れ迄皿? ハーミットの力をグリーンに預けた迄皿九郎がピンチに駆けつけて追加戦士になる感じです?」
チャリオット「あんな第2クールで新登場の奴に取られるものか! 追加戦士の座!」
デビル「いや、あんたは無理。もう8回負けてるし」
チャリオット「えっ!?」
ムーン「こ〜れ一旦整理します? ”追加戦士”の条件」
タワー「説明しよう。追加戦士とは、お話の最初からいるヒーローに後から合流して活躍するヒーローのことである」
ムーン「追加戦士は新アイテムを引っ提げてやってくるため最初からいるヒーローよりも装備が充実、レッド並みに活躍する!」
デビル「はっきり言って一番かっこいい役だよな。専用ロボまであって人気も出まくる」
デビル「そして追加戦士には、 新キャラか【寝返った敵幹部】が変身することが多い!」
チャリオット「わしが組織を抜けて追加戦士になればよかろう」
ムーン「初回から出てて戦闘以外で特に活躍のないパワー系幹部は追加戦士にならないです。なんなら盛り上げのためにもうじき爆発四散」
チャリオット「次回の台本が来ないのは、リストラか」
デビル(制作がケツカッチンなだけだと思うけど)
デビル「問題は封印戦隊ハガレンジャーという番組のアイテムと怪人の扱い方だ」
タワー「ハガレンジャーは、”シール”というアイテムに封印された、敵と同じ力を使って戦う」
デビル「「貼って剥がせる変身アイテム」なんて実質使い捨ての玩具で売り上げを稼ごうだなんて、大量消費社会もここまで来たか」
タワー「悪いことばかりではない。敵味方のアイテムが共通なおかげで、子ども達は敵にも変身できて遊びの幅が広がるし、」
タワー「大きなお友達には敵怪人の専用アイテム流通に大喜びする者もいる。そして──『裏位置シール』システム」
ムーン「こ〜れ凶悪です! タロットカードモチーフのシールは全22種(小アルカナ4種を除く)ですが、裏位置も合わせて48種!」
ムーン「私たち敵幹部は裏位置が強化形態に当たるので、完全再現を目指すと禁断の裏位置にまで手を出さざるを得ない!」
タワー「怪人は全員敵幹部なのでサブレギュラーの地位をもらえ、スーツの数が控えめなので制作コストも若干抑えられている」
デビル「私は──恥ずかしい! シールはカードダスかDX版で購入できるが、ランダムなので欲しいシールを引き当てないといけない!」
デビル「チャリオットのシールが捨てられているのを見るたびに、またがっかりさせてしまったのだと悔しくなる」
デビル「私は──こんな組織を抜ける!」
ムーン「こ〜れアイテム批判にかこつけて組織からの寝返りフラグ建てようとしてますね〜強引〜」
タワー「デビル、変身してみろ」
デビル「どうだかっこいいだろう。追加戦士は人気ナンバーワンの私だ!」
ムーン「お父さん人気を狙ったデザインは不利じゃないですか〜?」
デビル「む。子ども人気もあるし敵にしては人間社会に溶け込みすぎているぞ!」
タワー「それはどうかな」
ムーン「こ〜れ封印を解いた!! タワーは一般人なのに塔のシールに適合して洗脳され敵幹部になってます! 善玉フラグ!!」
ムーン「ま、女性人気ナンバーワンで若手イケメンが演じてて怪人態もクールな私が追加戦士ですが」
デビル「お前エンプレスを謀殺しただろ! 仲間だったのに! そんな悪どい奴はなれない!」
ムーン(ナチュラルな性格の良さ! こういった純真さが追加戦士になったあと、子ども達に受け入れられやすいのは事実・・・)
エンペラー「誰か忘れてはいないかな、クク・・・」
デビル「お前の作戦がいちばん卑怯だからむり」
スター「誰か忘れてないか」
ムーン「イエローが大切に育てた卵に星のシールが貼られたことで敵として孵化してしまったスター! 親元に帰りマスコットに・・・?」
デビル「スターは本編中は喋れないから荷が重いぞ」
ラバーズ「新人俳優の登竜門を兼ねてるから、ワタシなんてアリかもかも?きゅぴっ☆」
ムーン「こ〜れ分かってないですね。人気アイドルはゲスト枠だから追加戦士はないですよ。私の中の人が怒ってる」
迄皿 九郎「やはり悪の研究者としてお前達に協力していたが実は暗躍するハーミットを討つためだった第二クールの柱・この迄皿が相応しいな」
迄皿 九郎「新進気鋭の俳優で特撮ファンでもある中の人も今頑張っている」
デビル「今? まさか──外の世界!」
〇撮影スタジオのセット
俳優トキド キイチロー「梨本せんせ〜い」
脚本「24話第38稿ならあと1日待ってください」
俳優トキド キイチロー「ご飯連れて行ってくださいよ〜」
脚本「八日間寝ていないので服が原始時代まで後退したんです外食なんてできません」
俳優トキド キイチロー「俺が先生を癒してあげましょう 体には自信あるんです」
脚本「枕営業というやつですか」
俳優トキド キイチロー「みなまでいうな 代わりに迄皿をもっと活躍させてくださいよ〜ハガシルバーに〜」
脚本「かつやく〜?」
〇穴の開いた部屋
脚本「トキドくんの枕営業(袈裟コスプレオプション付き)のおかげでグッスリ眠れたよ!」
脚本「腹筋はいい硬さの枕になるなあ。袈裟で今朝はスッキリ♪」
俳優トキド キイチロー「それで、ハガシルバーは僕ですよね??」
脚本「追加戦士はハガレインボーだよ?」
俳優トキド キイチロー「この3年間は金、紫、オレンジで来たからてっきり銀かと・・・シールによって怪人にされてしまった人々を解呪するシール剥がしの」
俳優トキド キイチロー「能力を持ったハガシルバー僕の考えた最強の戦士が追加戦士だと読んでいたのに!!(早口)」
脚本「迄皿は二代目ハーミットになって日光だめになっちゃったもん。太陽の下で戦えないとメンバー入りは無理だよ」
〇西洋の円卓会議
デビル「わはは、失敗してるじゃないか」
デビル「ていうかハガレンジャーって歯に色付いてるみたいでやだなー。ハガシルバーって銀歯だぞ」
ムーン「こ〜れ問題発言。もうハガレンジャーにはなれませんねえ」
タワー「我がVRゴーグルは虹色に発光する。つまりレインボーは我」
デビル「そういえばピンクはおもしろ機械が大好きなので、見せてやりたいな」
ムーン「そういえばあなた最近ハガレンジャーと馴れ合ってますよね」
デビル「な、馴れ合ってなど・・・」
ラバーズ「ワタシもブルーとペア回あったからなるかもかも。きゅぴっ☆」
ムーン「誘惑を振り切られてたじゃないですか。 ウッ!! 中の人がブルー役を狙っていたと怒っている・・・」
デビル(そうか! メンバーとの縁故、これもまた敵幹部から追加戦士への栄転フラグ! 少なくとも、終盤でファンの思い出に残る!!)
ジャッジメント「しんぱんをくだそう」
ジャッジメント「ついかせんし・ハガレインボーは、わたし!」
ムーン「ジャッジメント様、貴殿はラタトゥイユのボスであるからして、なかなか難しいかと」
ジャッジメント「ラスボスはついかせんしになれないの?」
デビル「なれない──とも言い切れない。ラスボスに歴史あり」
デビル「ラタトゥイユってシールと関連もないしださいな・・・お料理のラタトゥイユを嫌いになる子どもがいたらどうするんだ」
チャリオット「そうこう言ってるうちに次回予告ができたようだぞ」
ムーン「こ〜れ追加戦士ダービーコースアウトのチャリオットさん低みの見物ですね」
デビル「追加戦士は誰だ──誰なんだ──!?」
〇荒野
風祭 昭雄「俺は風の子祭りの子、ってね!」
遂に出現する新兵器コピペディア!
しかし使い手は現れない──
赤坂 カナタ「敵になるのか、ブルー!!」
桃んが ミナ「信じてたのに──」
青寄 ヒイロ「敵と協力するような奴らとはおさらばさ」
ムーン「私の魂は不滅ではなかった!!」
次回第24話 時を超えた罠 ムーン爆散
〇西洋の円卓会議
ムーン「こ〜れ死んでる! 私、退場!」
デビル「なんだアイツ! 風祭昭雄! このタイミングで新キャラはダメだろ! 追加される気満々!」
チャリオット「レッドのアフロあんなにでかかったか?」
タワー「ブルーの私服ダサくないか?」
ムーン「キィィィ!! ブルーの私服のダサさを補ってあまりある顔の良さ! 中の人が怒り狂っている!!」
ラバーズ「ブルーこっち側になるかもかも。きゅぴっ☆」
デビル「アイツ! 風祭! ミナのハッピ着てるじゃないか! ミナってピンクだぞ! 私の友達に手を出すな!!」
スター「ピンクの名字も桃んがって無理あるし、別に追加戦士にならなくてもいいかな」
エンペラー「恥ずかしくないか? ヒーローになりたいだなんて」
デビル「全体的に・・・ダサくないか? なんだシールって。そのままじゃないか」
ムーン「デビル、あなたは展開と活躍によっては最終回後のシネマでも追加戦士のチャンスがある。滅多なことは言うな」
デビル「お前・・・肩の荷が下りて優しくなったな・・・」
ムーン「こ〜れ滅びた悪役は、もう善意を封印しなくていいんですよね」
(追加戦士に選ばれるには、次回が勝負!!)
〇住宅展示場
「きゃ〜〜〜!!」
フォーチュン「住宅展示場に入った者をシールの力でドールハウスに閉じ込める。ここに貴様らの運命は決した」
桃んが ミナ「ここから出しなさーい!!」
フォーチュン「ピンクの命は私が預かっている」
赤坂 カナタ「手が出せない!」
桃んが ミナ「ドールハウスが壊れて、出られたわ!」
フォーチュン「誰だ!」
風祭 昭雄「俺は風の子祭りの子──」
デビル「ピンクを助けるのは私だ!」
フォーチュン「デビル、裏切るのか!?」
デビル(さすが雑談に参加しないまともな敵役、いいリアクションだ)
青寄 ヒイロ「敵と協力するような奴らとはおさらばさ」
ラバーズ「だったらワタシ、ハガレンジャーの補充戦力かもかも、きゅぴっ⭐︎」
タワー「急に洗脳が解けた!! まさか我を呼ぶのは、」
ムーン「新兵器コピペディア!!!! こ〜れ私を呼んでますね!!」
ラバーズ「ワタシかもかも」
チャリオット「わしが挽回するには、自爆特攻しかない!!」
エンペラー「大御所演じる私に使わせないなら燃えろコピペディア!!」
ムーン「え? え?」
ムーン「私の魂は不滅ではなかった!!」
ムーン「皆さん、年末の復活怪人回か劇場版か10年後ぐらいにお会いしましょう 嫌いでは、なかったですよ・・・」
デビル「誰かわからないままアイテムが爆散した」
〇撮影スタジオのセット
P「スポンサーがカンカンだよ。全ボツ」
脚本「キャラが動き出したもので じゃあこれを42稿に」
脚本「ムーンがハガレインボーになります!!」
〇西洋の円卓会議
ムーン「シャアァアァァァァ!!!!!!」
ムーン「ラタトゥイユは滅ぼしてやるぜッ!! 正義! 正義!」
デビル「なんなんだ、人が変わったみたいにいい奴になったと思ったら人が変わったみたいに・・・」
〇撮影スタジオのセット
P「ボツ・・・」
実はスターやラバーズが出てくるあたりまで真剣に読んでしまいました。メタフィクションなどという生易しいものじゃないメタメタフィクションのカオスでした。風祭・・コピペディア・・夢に出てきそう。
登場人物のそれぞれの想いを描いたとても楽しい作品でした!
みんなそりゃあ目立ちたいですよねえ。
それに作者がどう考えるかによって結果も変わりますしね笑