第4話 ロマン(脚本)
〇研究装置
ユウ「ふーん、もうシステムに気付き始めてる」
ユウ「この子は期待できそうだなあ・・・・・・」
サオリ「うっわ、また独り言ですか?博士」
ユウ「あ、サオリ」
ユウ「見てよこれ、新しいプレイヤーだ」
サオリ「ほんとーですね。何年振りでしたっけ」
ユウ「5年ぶり、9人目かな」
サオリ「こーしえんみたいな言い方ですね」
サオリ「それで、この子の何がそんなに気にいったんです?」
サオリ「フツーの子供に見えますけど」
ユウ「・・・・・・」
ユウ「サオリはゲームをクリアするために、何が一番重要だと思う?」
サオリ「そーですねー」
サオリ「・・・・・・」
サオリ「・・・・・・」
サオリ「分かりません!!」
ユウ「ええ、ちょっとは考えてよ」
サオリ「えー、じゃあ・・・・・・頭の良さとか」
ユウ「それも間違ってはないんだけどね」
ユウ「僕は、一番重要なのはそのゲームへの愛だと思うんだ」
サオリ「それっぽいこと言って、せーしんろんですか?」
ユウ「そう言うなよ、ちゃんと理にかなった話だ」
ユウ「好きでもないゲームに大量の時間を費やすヤツはいないし、好きでもないゲームの攻略サイトにかじりつくヤツもいない」
ユウ「好きなゲームだからこそ必死で上達しようとするし、好きなゲームだからこそ先に進めるよう必死に考える」
ユウ「すべて、そのゲームへの愛が原動力なんだ」
サオリ「・・・・・・」
サオリ「・・・・・・」
サオリ「ふふ」
ユウ「何かしら言ってよ!!」
ユウ「無言の笑顔が一番傷つくんだけど!!」
サオリ「語るなあーって思ってました」
ユウ「俯瞰しないでよ!!」
サオリ「まーでも言ってることは分かんなくもないですよ」
サオリ「過程の苦労を厭わないならば、目的の達成は自然と付随してくるってことですよね」
ユウ「急に賢くなるなよびっくりするから」
ユウ「まあでもそういうこと」
サオリ「それで、この子にはこのゲームへの愛があるって言うんですか?」
サオリ「こんなに理不尽に溢れたゲームに巻き込まれたっていうのに」
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