【毎週更新】「伝えなきゃいけない」(脚本)
〇幻想空間
天女「決めとかないなんて」
天女「あなた達って変わってるのね」
三木遥「天女様に言われたくないんですけど・・・」
沖田幸樹「僕もです」
三木遥「聞きたいんですが・・・」
三木遥「私は気絶してるってことなんですよね?」
天女「そういうこと」
三木遥「めんどくさい設定作りやがって・・・」
天女「何か言った?」
三木遥「えっと・・・なんでもないで~す」
沖田幸樹「お姉さん、よろしくお願いします」
三木遥「うん・・・」
三木遥「想いを伝えようね」
天女「頑張ってね」
天女「思いが伝わりますように」
〇綺麗なダイニング
幸樹のお母さん「目覚めましたか?」
幸樹のお母さん「ずっと、眠ってたから心配した」
三木遥「ここは・・・お母さん・・・の」
三木遥「部屋?」
三木遥(ちょっと・・・幸樹くん??)
幸樹のお母さん「お母さん?」
三木遥「お母さんだ・・・覚えてる?僕、幸樹だよ!」
三木遥(幸樹くん!?勝手に喋んな・・・!待て待て?)
幸樹のお母さん「えっと・・・」
幸樹のお母さん「勘違いされてるのかしら?」
三木遥「えっと・・・あはは」
三木遥「説明をさせてください。困惑させちゃうと思うので・・・」
三木遥「あなたの息子の幸樹くんは」
三木遥「ずっとあなたに会いたいと言ってました」
三木遥「私の体に幸樹くんの魂?みたいなものを」
三木遥「取り憑かせることが出来ます」
三木遥「今、お母さんとか言ってたのは、幸樹くんの魂自身なんです!」
幸樹のお母さん「ええっと・・・宗教の勧誘は間に合ってます・・・」
幸樹のお母さん「わざと自分の前で倒れて、」
幸樹のお母さん「そういうのが手なのかしら?」
三木遥「えっと・・・」
三木遥「宗教だと思うと思いますが、違います!」
三木遥(むずい!!)
三木遥(こういう時、どう説明すれば??)
遥の言葉を遮るように言う
幸樹のお母さん「それに」
幸樹のお母さん「私、今幸せなんです」
うわぁぁぁん
その時、赤ちゃんの声が聞こえた
三木遥「まさか・・・」
幸樹のお母さん「美優!」
ベビーベッドの中で眠る赤ちゃんがいた。
私の中にいた幸樹くんは驚きを隠せないと言ったような感じで
静かに見ていた。
会いたいと思っていたのに・・・
幸樹のお母さん「この子は美優っていうの」
幸樹のお母さん「私の大切な1人娘」
幸樹のお母さん「シングルだけれど、大変だけれど」
幸樹のお母さん「私はひとりじゃないって思わせてくれるの」
幸樹のお母さん「いつまでも過去に縋ることは出来ない」
幸樹のお母さん「私の人生は悲しいだけのものにはしたくなかったのよ?」
幸樹のお母さん「苦しいものだけに縛られて行きたくない」
幸樹のお母さん「美優を育てるのは大変で疲れて大変での繰り返し」
幸樹のお母さん「嫌になるほど」
幸樹のお母さん「でも楽しい。久しぶりに」
遥は幸樹のお母さんの胸に光るネックレスを見つけた。
肌身離さずに
ネックスレスを見つめながら
美優ちゃんをあやしていた
三木遥「忘れてはないんですよね、、幸樹くんのこと」
幸樹のお母さん「ええ・・・でもどちらも大事」
三木遥「幸樹くん!」
三木遥「見てるんでしょ?」
三木遥「伝えたいことがあるから来たんじゃないの?」
(幸)僕は分からないでいた。
きっとお母さんの幸せを壊しちゃいけないって思う。
でも、許せない気がした。自分を忘れて
生きるなんて・・・
でもこんな自分が惨めで醜く感じた。
幸樹のお母さん「やっぱり勧誘ですか?」
三木遥「めっちゃ勧誘って疑いますね!?」
三木遥「そう見えると思うけど・・・」
三木遥(こういう時に出てきてよ・・・)
三木遥(どうしたらいいんだよ??)
〇幻想空間
藍「遥さん、困ってるみたいですが」
天女「あはは、そうだね~(笑)」
藍「今のまま、知らないままの方が幸せだったんじゃないですか?」
天女「ふふ・・・悲しいけれどそうではないと思うわ」
天女「でも・・・あえて知らせなかったのは」
天女「会いたいって思い、尊重してあげたかったからよ」
天女「人は変わるから、強くも弱くも変われると思うの」
藍「知ってしまったら、幸せは崩れてしまうのかもしれない・・・」
藍「でも会いたいって思いが強くすることもある」
藍「ということですか?」
天女「強くも弱くもなってしまうかも」
天女「それはその人自身が決めること」
天女「幸樹くんにとっては苦しいものになるわ」
天女「でもお母さんにとっては今が最高なことには変わりない」
天女「それを知って欲しい。生きてる時のお母さんとは幸樹くんにとっては」
天女「違う人みたいに感じてしまうだろうけど・・・」
天女「幸樹くんと一緒にいた時間と」
天女「同じくらいに大切だってこと」
天女「まだ未熟なあの子には伝わるかしら?」
天女「伝えられたらいいわね」
天女「自分の思いを」
藍(本当に意地悪だよな、、)
(続)
お母さんは、違う道を確実に歩んでいた
幸樹に、受け入れることが
果たして出来るのか?
次回!
「自分が思っていたものとは違う未来だとしても」
お楽しみに!