愛の破滅の女魔王やねん!(脚本)
〇荒廃した教会
イグナシオ「魔の女王パージナー! 貴様の狼藉千万もこれまでだ!!」
パージナー「じゃかしいわ!! いてこましたろか!?われぇ!!!!」
イグナシオ「我が剣にて引導を渡してくれる! いざ尋常に勝負!!」
パージナー「上等やないか! やれるもんならやってみいや!!おぉ!!?」
イグナシオ「参るぞ!!」
パージナー「いてまうぞ!!」
〇ハート
・Chapter 1
── 8ケタの女魔王や! ──
〇荒廃した教会
パージナー「あだーだだだでで 痛いやんか〜」
イグナシオ「フン・・・! 先程までの活きの良さはどこへ行った!?」
イグナシオ「自称究極たる魔の女王とは名ばかりか?」
パージナー「慢性ヘルニアぶっ叩くなや 相当重いねん」
イグナシオ「何・・・!?? よくそれで勝負を受けたな!?」
パージナー「うぅ・・・さすがは究極の勇者を謳うもんってか」
パージナー「ドストライクであかんトコどつくとは」
パージナー「ウチの完全敗北やしぃ〜・・・」
イグナシオ「それなら覚悟を決めてもらおう!」
パージナー「わかったぁ~・・・」
パージナー「せやけど兄さん、 ウチの最後に一言だけ言わして〜や」
イグナシオ「ほう、最期に遺す言葉か・・・よかろう 言ってみろ!!」
パージナー「兄さん・・・ウチな」
イグナシオ「うむ・・・・・・!」
パージナー「ウチな・・・・・・・・・」
イグナシオ「うん・・・!」
パージナー「ウチと・・・・・・・・・」
イグナシオ「うん!」
パージナー「ウチと・・・・・・・・・」
パージナー「結婚してーや!!!!」
イグナシオ「・・・・・・・・・・・・」
パージナー「何でソコで黙る〜〜!!? 恥ずいやんけ!!」
イグナシオ「黙る以外にすべきリアクションあれば教えて欲しいんだが」
イグナシオ「というか言ってる時点で恥ずかしく無いのか!?」
パージナー「女の恥はかなぐり捨ててなんぼやねん!!」
イグナシオ「いきなり変な方面に究極になるな!」
パージナー「とにかくこの盗まれた切ないハートをどないしてくれんねん!?」
イグナシオ「知るかぁーーー!!!! 一度脳波測定してもらえ!!」
パージナー「・・・・・・ひどい 兄さん、あんまりや・・・」
パージナー「これまでウチに囁いてきた甘い言葉は嘘やったん・・・?」
イグナシオ「いやまだ会って5分も経ってないが」
イグナシオ「貴様自身ほんの2,3分前までじゃかしいわ いてこましたろか~とか言ってたろうが!!」
パージナー「嫌いは好きの裏返しや!」
イグナシオ「物は言い様だな!なら本気で引っ掻くな!! 先刻の一撃で ここもうミミズ腫れだぞ!!」
パージナー「・・・・・・」
パージナー「あ゛ぁ゛あああーーーん! お゛ね゛があ゛ぁ゛あ~~~ーーい゛!!」
パージナー「抱きしめとくれやーー~~!! 囁いとくれやーーー~~~~!!」
イグナシオ「んなっ!こら引っ付くな!! なんだそのアヒルぐちは!?」
パージナー「兄さんに全て捧ぐ為にウチはあるんねや!!」
イグナシオ「なぜ討伐しに来たのにこれほどまで愛されねばならんのだ!!!」
イグナシオ「生まれて初めて受けた告白がこんなとは! 人生この先、厄しか見えて来んわ!」
パージナー「も゛う゛あ゛がんね゛ん゛ンーー〜!! 兄さん無しじゃぁ生きてけへん゛〜〜!!!」
イグナシオ「だから離れろ・・・!逆セクだっ・・・・・・・・・ての!!!」
パージナー「あぅ・・・・・・っ!!」
イグナシオ「!・・・・・・あ・・・」
パージナー「・・・・・・」
パージナー「・・・・・・・・・」
パージナー「う・・・」
パージナー「うぅ〜・・・」
イグナシオ「あ、う・・・その・・・・・・ す、すま・・・」
パージナー「ええんや・・・もうえぇ・・・・・・ 結局いつも最後はこうなるんやし」
イグナシオ「何でいつの間にオレが乙女を弄ぶ悪い男な空気になってんだ・・・」
パージナー「兄さんに愛されへんならもう何も望まへん」
パージナー「さいなら・・・アンタとのあの日々は永遠に忘れへんわ」
イグナシオ「・・・・・・」
パージナー「さぁて・・・・・・どないしよ・・・」
パージナー「樹海ダイブと洒落込むか、サグラダの上から身ィ投げるか・・・・・・」
イグナシオ「う、んと・・・・・・ちょ、ちょっと待て!!」
パージナー「・・・!」
イグナシオ「あ・・・ とりあえずサグラダはやめよう」
イグナシオ「完成前に自殺スポットにされちゃ大迷惑なんてもんじゃない」
パージナー「ほっといてんか! 兄さん・・・ウチの事キライなんやろぉ!!?」
イグナシオ「え・・・・・・いや、う・・・ そ、その・・・・・・・・・」
パージナー「・・・・・・・・・」
イグナシオ「あ、ちょ・・・そ・・・そんな顔されても」
パージナー「兄さん・・・・・・」
イグナシオ「うぅ〜・・・・・・ぐ・・・!」
パージナー「兄さん・・・ウチ・・・・・・」
イグナシオ(く・・・クソぉお・・・・・・・・・!!)
イグナシオ(か・・・かわいい・・・・・・〜・・・)
パージナー「ウチの事・・・・・・愛してくれはるの?」
イグナシオ「う・・・・・・う〜〜・・・」
パージナー「ウチの思い・・・受け取ってくれはるの?」
イグナシオ「う、うむ・・・・・・」
パージナー「ほなら、ちょいここに名前書いてんか?」
イグナシオ「う、む・・・」
パージナー「後ここ住所・・・・・・フリガナも・・・ ここ親御さんのお名前な」
イグナシオ「うむ・・・」
パージナー「ほんで最後ここに印押して・・・」
イグナシオ「む・・・ これでよろしいか?」
パージナー「ん・・・」
パージナー「うんっ!!オッケ〜〜ッ!!♪」
パージナー「おぅオメーら!! 新しいオトンやぁー〜〜ッッ!!!!」
一同:
いえぇエエーーーー〜〜イィ!!!!
息子タラン「オト〜ン!!」
娘オーク「オトンや!オトンや!!」
息子ダイノ「オトンやぁ!」
イグナシオ「あ・・・」
パージナー「ほれ!婚姻届記入済みやでぇ!! 早よ役所持って行きィ〜〜!!!」
息子セイレーン「ガッテン承知のすき〜やのカレー飯やが!!」
娘スラ「勇者の月収なんぼやねん!?」
息子インセク「いやぁ、何にしても珍しくシュッとしたオトンでおますなあ!」
双子妹カブラ「”オトン”なんて最近言わへんで~」
双子兄カブラ「じゃ ニュ~オヤージや!」
娘水龍「おフランスかぶれでかえってやらしいわ~」
イグナシオ「は・・・はは」
イグナシオ「連れ子さんが沢山いられるようで・・・」
パージナー「ま~な~♪ 相当頑張ったんやさかい」
息子スラ「んな~オカ~ン はらへった~ 冷蔵庫スッカラカンやねん」
パージナー「なんや こないだ植木鉢ぶっ刺した細ねぎの先っちょ どしたんや?」
パージナー「そろそろあらかた伸びてきたんちゃうんかいな?」
息子スラ「んなもんダイノのヤツがとっくに全部引っこ抜いて食うてもうたわ」
パージナー「ったくダボが~~!」
息子ダイノ「すんまっせぇ~~ん・・・・・・」
パージナー「まあええ、これからは大分ひもじい思いしないで済みそうやしな!」
パージナー「究極勇者のオトンが一杯食わしてくれるでぇ~~~~っ!!」
一同:
いえぇエエーーーー〜〜イィ!!!!
イグナシオ「はは、は・・・・・・」
息子シャーク「いや~あんさんオワタなぁ!」
イグナシオ「え・・・?」
息子シャーク「うちのオカンなぁ・・・」
息子シャーク「トシもバツも3ケタやで!!」
娘オーク(ちな借金は8ケタや!)
〇ハート
・Chapter 2
── ラブはマネーのハリケ~ンや! ──
〇荒廃した教会
ピンポ~ン♪(玄関のチャイム音)
イグナシオ「あ・・・」
パージナー「あ~出んでええ出んでええ!」
パージナー「こういうのはダイノの出番や! おら行け!」
息子ダイノ「う~~い・・・・・・」
〇巨大な城門
取り立て屋「こんちはぁ~・・・!!!」
取り立て屋「ええ加減滞納し過ぎで利子が総額超えますよ~!!?」
取り立て屋「一月分でも雀の涙ですが何とかしてくれはりませんかね~!?」
息子ダイノ「うい!」
取り立て屋「でえぇっ・・・!!?!?」
息子ダイノ「はい、あのぅ~・・・」
取り立て屋「い・・・あ・・・」
取り立て屋「ひ、一月分・・・・・・」
息子ダイノ「すんまっせん・・・ちょいとまだ、そのぅ・・・・・・」
取り立て屋「え・・・」
息子ダイノ「もうちょい、待ってくれへんやろかとの事なのですが・・・・・・」
取り立て屋「い、いやでもね・・・正直悪いこと言わへんからホンマそろそろ・・・」
息子ダイノ「ダメすかね・・・?」
取り立て屋「い・・・・・・や! すんませんしたあああああ!!!」
息子ダイノ「あ~・・・」
〇荒廃した教会
息子ダイノ「帰られました~」
パージナー「おう!お疲れ!」
息子ダイノ「でもこれでええんやろかホンマ?」
パージナー「かまへんでー! 法外の要求には法外の対応に尽きるわ!」
息子ダイノ「でも実際とんでもなく借りてるやろ」
ピンポ~ン♪(玄関のチャイム音)
イグナシオ「あれ?また・・・」
息子ダイノ「あ~今度のはボク苦手やねん」
息子ダイノ「オトン出たってや~」
〇巨大な城門
元旦那「邪魔するで~!」
イグナシオ「あ、はい・・・ どちらさまで?」
元旦那「見りゃわかるやろ!? アイツの元旦那や!」
イグナシオ「は、はぁ・・・・・・」
元旦那「あんなぁ~・・・離婚後のけじめくらいしっかりして欲しいんやが」
元旦那「こっちに支払う計1億2千万円どないしとんねん!?」
イグナシオ「え、負債は全部で8ケタって聞いて・・・」
元旦那「そりゃ各消費者金融の合計額や!」
元旦那「慰謝料やらその他賠償額云々カウントしとらんねんでアイツ・・・・・・」
イグナシオ「あ~・・・」
元旦那「結婚前の貯金1億1千9百万全部つこうたんやであのアマ!」
元旦那「その上微々たる慰謝料上乗せして、月々10万の1000年払いで手打ちして!!!」
元旦那「こちとらどんだけ情けかけてやってると思うてるんや!」
元旦那「初回の10万でピッタリ滞りよってからに」
イグナシオ「お察しします・・・・・・」
元旦那「兄ちゃんアイツの現旦那やろ?」
元旦那「ここは一つ嫁はんの責任取ってこれまでの止まってる分まで出してくれへんかいな?」
イグナシオ「無理です・・・」
イグナシオ「婚姻届け出してわずか3日で俺も貯金全部やられました・・・・・・」
元旦那「・・・」
元旦那「お察しします~・・・」
〇空
3ヶ月後・・・
〇暖炉のある小屋
香津子「うぃ~~っ・・・ つっかれたぁ~~~~・・・・・・」
香津子「ラプター大群の進路反らし、今月何件目やねん・・・・・・腰痛いわ~~~」
イグナシオ「ふ~・・・、ふ~・・・」
香津子「あ~おつかれ~~~っす! イグっちょ先輩!」
香津子「ここんとこ、いつにも増して点数稼いでますね~」
香津子「やっぱいきなりお子さん数十人単位で増えたんじゃ幾倍稼がなくちゃですもんね~」
イグナシオ「他人事だと思って・・・・・・」
香津子「あ~そう言えばさっきまた小学校から呼び出しの電話掛かって来ましたけど~」
イグナシオ「またかよ・・・あの悪餓鬼オーク・・・」
〇小さい会議室
娘オーク「だ~からさっきから言うとるやんか!!」
娘オーク「濡れ衣や!! 何回言わせんねん!」
クラスメ~ト「はあ~ざけんなや!!」
クラスメ~ト「ま~たネットにさらしたんオメ~やろ!」
クラスメ~ト「トイレで大してるってクラス中の男子に言いふらしてとんだ男子便ショータイムにしてくれた上に・・・・・・」
クラスメ~ト「皆に晒されて半べそになってる写真撮って思い切りネットに拡散してくれよって!」
クラスメ~ト「いつの間にカメラまで用意してたんや!!?」
校長「まあまあ二人とも落ち着いて~な」
クラスメ~ト母「こちらとしましては弁護士と話し合ってプロバイダに開示請求通そうかという所なんですが・・・いかが致しますか?」
イグナシオ「な なぁ、ホントにやってないんだよな?」
イグナシオ「やましい事あるならもうここで謝っちゃいなよホラ・・・!」
娘オーク「アホぬかせ!うちなんかとっくに回線止められてネットなんかできるかいな!?」
イグナシオ「だってあの手この手で繋げてでも見ようとしてたでしょ・・・?」
娘オーク「なんや!オトンまでウチの事疑うんか!?」
娘オーク「あんのなぁ!ウチは流石にいじめなんて下衆なマネするほど腐っちゃおらんねや!」
イグナシオ(ごめ~ん全然説得力感じれない)
クラスメ~ト父「今なら本当に話し合いだけに留めてあげると言ってるんだよ?」
娘オーク「だから ちゃいますってば んな事する様なタマじゃありませんわ!」
娘オーク「むしろなあぁ・・・・・・あらん疑い掛けられて貶められようもんなら覚えときぃ・・・」
娘オーク「それこそあの手この手でこっちから追い込んで一家総出で夜逃げするほどにトラウマ植え付けたるからなぁ・・・」
校長「あの、オークちゃん?」
娘オーク「こっちにイチャモンつけるんやったら、帰った後遺書くらい書いときィ〜・・・」
娘オーク「なんせウチら ホンマもんの”モンスター”やからのぅ・・・・・・」
イグナシオ(あ〜それなら納得)
クラスメ~ト父「・・・・・・」
クラスメ~ト「・・・!」
クラスメ~ト母「ぐぬ・・・・・・」
パージナー「どないします〜・・・? 結論・・・・・・」
クラスメ~ト母「もぅ・・・結構です・・・・・・」
〇空
9ヶ月後・・・
〇総合病院
「おぎゃあ〜!・・・おぎゃあ〜・・・!」
〇綺麗な病室
パージナー「お〜お〜!何とかわええ赤んぼや! 食っちまいたいくらいやがな」
イグナシオ「・・・・・・」
パージナー「ほぅれ見てみぃや!イグっちょ!! ようやく生まれて来てくれたでぇ!」
パージナー「ウチとアンタの愛の結晶や!!」
息子うわん「ほぎゃあ〜! ほっぎゃあ〜!!」
イグナシオ「・・・・・・」
娘オーク「ほれ見ぃオトン!DNAの鑑定結果や!!」
イグナシオ「・・・・・・」
娘オーク「言うとくけどなぁ、オカンは”今回の”婚姻生活ではまだ浮気してへんねんで!」
イグナシオ「・・・・・・」
娘オーク「しっかし〜勇者と女魔王合わしたら うわん産まれるんかいな!傑作やなぁ〜!!」
パージナー「ほれ!呼んでみぃや!! オト〜ン!って」
息子うわん「お・・・と・・・・・・ンん・・・ー・・・〜〜」
イグナシオ(誰か夢だと言ってくれ)
〇ハート
・Chapter 3
── 緒が切れたんなら
結び直しゃええやんか! ──
〇巨大な城門
アイヴァン「・・・・・・」
アイヴァン「フ・・・・・・ここがそうか」
アイヴァン「あのイグっちょ先輩があっさり丸め込まれるようなヘタレだったとはな・・・」
アイヴァン「しかしオレはそんな簡単にはいかんぞ ・・・覚悟しておけ!」
〇魔王城の部屋
アイヴァン「たのもぉーーーーー!!!!」
アイヴァン「・・・・・・って んん!!?」
一同:
おめでとさーーーーーーーん!!!!!
パンパパパパパーーーーーーーン!!!
(クラッカー一斉発射)
双子妹カブラ「ってオトン違うやん!?」
双子妹カブラ「だれやねん!??このおっさん」
娘スラ「いつの間にオトン肥満になってストレスで髪全部抜けたんか~~~!?」
息子セイレーン「んなわけないやん! オカンとて未だかつてここまでムサイおっさん目ぇつけた事無いで」
アイヴァン「来て早々なんつ~言われようだ」
アイヴァン「一体何の騒ぎなんだこれは??」
息子インセク「借金9ケタ突破記念パーリィでおます~~」
息子スラ「オトンやのうて なんかボリューミィなおっちゃん帰ってきおったで~」
娘水龍「何か御用でっか?」
アイヴァン「取り立て屋の方々から依頼を受けてな」
アイヴァン「うちらじゃ手に負えないから勇者のオレに滞納分取り立てて来てくれと・・・」
アイヴァン「上半期分の賞与がうちのギルドでも出てるから、先輩が数カ月分出せるように用意してるかと思ったんだが・・・まさか・・・」
アイヴァン「このパーティーは・・・」
双子兄カブラ「せやで~!オトンのボーナス出たから今日は大奮発や!!」
息子シャーク「希望潰えちゃってどうもすんまっせん~」
息子タラン「あと2日,3日早く来てくれりゃ良かったんですが・・・」
アイヴァン「なら仕方あるまい・・・ 君らの母親を呼んでもらおうか?」
娘水龍「はあ~?それまた なして?」
アイヴァン「直接話をつける!」
アイヴァン「ここは勇者として悪の女魔王を成敗してでも滞納分を取り立ててくれるわ!」
娘水龍「はあ~・・・さいですか・・・・・・」
娘水龍「オカ~ン!! なんか変なおっちゃんがクレームつけに来おったで~!」
パージナー「なんやねんうっさいなあ~・・・ キューバーイーツ違うなら帰ってもらえや」
アイヴァン「出たな!自称究極たる魔の女王!! 勇者の名において貴様の借金を取り立ててくれよう!!」
パージナー「お、おう・・・ とりあえず帰っておくんなましや」
パージナー「おたくの匂い蓄膿症再発したかと思うたわ」
アイヴァン「全くどいつもこいつも失礼極まりない言い様だな!!」
アイヴァン「どうしても滞納分払えないというなら、我が剣にものを言わせてでも貴様を取り立て屋の前に這わせてくれる!!」
パージナー「マジで言うとんの?」
アイヴァン「ああ!マジだ!!!!」
パージナー「・・・・・・」
パージナー「ア゛っーーーーーーーーーーーーーー!!」
アイヴァン「!!?!!??」
パージナー「い゛ぃ゛いいたたたタタタ~~~ッ!!」
パージナー「また来おった~~~!! 慢性ヘルニアの激痛やがな~~!!」
パージナー「一度これ起きたら胸骨の痛風に持病の癪と太もものリウマチが一斉併発の大コーラス奏でるんやあぁあーー!!」
アイヴァン「どうなっとんじゃおたくの体は!!?」
パージナー「あかんー!!こうなったらあれしかあらへん!!」
パージナー「二丁目リラクゼーションサロンの4種セット180分コース受ける他あらへんわ!!」
アイヴァン「いやあそこの店は中の上の高級店だろ?」
パージナー「たのむう!!そこのだんな! スマホで出張マッサージ頼んどくれや!」
アイヴァン「はあ!!?なんでオレが!??」
パージナー「このままだとあかん! 体中バキバキなって残りの人生1万5千年ずっと要介護認定食らってまう~~!!」
アイヴァン「なんのこっちゃ!!」
娘オーク「うちら かけたら、向こう声聞いた時点で ガチャ切りするねん」
娘オーク「たのむわ~おっちゃん」
アイヴァン「バカ言え! オレはホームヘルパーじゃねえ!!」
娘オーク「・・・・・・」
娘オーク「びぃいいええええ~~えん~~!! 勇者のおっちゃんのい゛じわ゛る゛ぅ!」
アイヴァン「ふんっ!」
娘オーク「おっちゃんのギルドのレビューに星1つけたるぅ゛う゛~~~!!」
アイヴァン「・・・・・・」
娘オーク「客の求めた小さな親切すら一蹴する何かハゲ散らかして感じの悪い変なおっちゃんおるってコメント書いたるぅ゛う゛!」
アイヴァン「んぐぅう~~~・・・!」
アイヴァン「たっくう~! しゃあねえなあ~~!!」
〇魔王城の部屋
パージナー「う゛ぅ゛~~~~い゛ぃ゛い~~~ え゛ぇ~~でぇ~~~~」
セラピスト(結局この家か!!)
パージナー「ん゛ん~~~ん~~ うぅ゛~い~・・・い~・・・・・・」
パージナー「あぁん~~・・・」
セラピスト「やめてもらえます!? その声!!」
アイヴァン「ったくう~~・・・あ~バカらしい 相手してられっか こんなお年寄り!」
アイヴァン「出直しとこ!」
パージナー「おつか~~れい!!」
アイヴァン「あんだけ借金抱えた上にこんなマッサージフルセットコース頼んで散財しちまって」
アイヴァン「知らねえぞ~~・・・」
〇魔王城の部屋
パージナー「うぃ゛~~~え゛がったあ!! スッキリしたぁ!!」
息子ダイノ「あのぅ・・・」
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これはよくいる「魔性の女」なんて生やさしいもんじゃなくて正真正銘の「魔の」女王ですね。パージナーのパワーもさることながら、異界だろうが魔界だろうがあらゆる次元で全てをねじ伏せる関西弁の破壊力も改めて思い知らされました。
彼女のメンタル最高!どこまでも自分中心の生活で借金なんて気にしない。しかも、子供が沢山。旦那の子供がモンスターで人間の要素ゼロ!面白い!
めちゃパンチ効いたギャグですね。笑
奥さんもここまでブラックになると、返って開き直るしかないですよね。
二人がいいならそれでいい気もしますが、なんだか旦那さんが気の毒です。笑