カイジン警備員の非日常

ゆうこくん

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ゆうこくん

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〇海辺の街
  ハハハハハハ!!!!

〇巨大なビル
  ──六角信用銀行──
  私は 良い部下を持ちました

〇豪華な社長室
六角信用銀行 頭取「・・・いやいや 私はあなたのおかげで今日を生きてられるんですよ」
SFS警備保障 社長「身に余るお言葉です」
六角信用銀行 頭取「ご謙遜を・・・」
六角信用銀行 頭取「・・・・・・ところで」
六角信用銀行 頭取「・・・やはり 彼女らは必要なのかな?」
SFS警備保障 社長「必ずや 頭取のお力添えになるかと・・・」
六角信用銀行 頭取「そうか・・・」
SFS警備保障 社長「・・・・・・」
六角信用銀行 頭取「いや・・・心配しているわけではないんだよ」
六角信用銀行 頭取「実は ”外国人”と仕事をしたことがなくてね・・・」
SFS警備保障 社長「ご安堵ください」
六角信用銀行 頭取「頼もしいね!!」
  ハハハハハ!!

〇空
  ・・・ふ・・・ふ

〇開けた景色の屋上
ヒロヤ「ふぁ~~・・・・・・」
ヒロヤ「空 異常なし・・・」
  ヒロヤく~ん!!
アカネ「そろそろ休憩おわりですよ~」
ヒロヤ「・・・了解です 先輩」
アカネ「どうしたの? ・・・もしかして もう疲れちゃった?」
ヒロヤ「いっ・・・いえ!! 全然大丈夫です!!」
アカネ「午後の業務も 午前とあまり変わらないから・・・」
アカネ「リラックス リラックス!!」
アカネ「泰然自若・・・明鏡止すい・・・・・・」
アカネ「・・・・・・」
ヒロヤ「・・・・・・」
アカネ「ほらっ・・・いこっ!!」
ヒロヤ「・・・はい!!」

〇雑居ビルの一室(看板あり)
アカネ「あっ!!」
アカネ「おはようございます!!」
安藤 爾臼 (アンドウ 二ウス)「”おはよう”」
ヒロヤ「お・・・おはようございます・・・」
安藤 爾臼 (アンドウ 二ウス)「”ん? そうか・・・”」
安藤 爾臼 (アンドウ 二ウス)「”君が今日から配属された『ソルジャー』だな”」
ヒロヤ「そ、そるじゃー?」
アカネ「警備員のことよ・・・!!」
安藤 爾臼 (アンドウ 二ウス)「”ウェリテスとしての活躍を期待しているぞ 君は若いのだからな!! ”」
ヒロヤ「ウェリ・・・はあ・・・」
安藤 爾臼 (アンドウ 二ウス)「”では頑張り給え”」
ヒロヤ「ありがとうございます」
  ”負けてもくじけるな!! そして・・・”
  ”負けるな・・・!!!!”
アカネ「ははは・・・」
ヒロヤ「先輩・・・あの人は一体・・・?」
アカネ「うちの社長よ」
ヒロヤ「やはりそうでしたか」
ヒロヤ「この独特な警備服も・・・」
アカネ「社長の趣味ね」
アカネ「でも  ”なりすまし”が簡単に現れない っていう理由もあるのよ」
ヒロヤ「確かにそうですね」
アカネ「じゃっ・・・午後も一緒に頑張ろうね!!」
ヒロヤ「はい!!」

〇橋の上
  ゴゴォ──ン・・・ヴヴ──ン・・・
  やっぱり この道に変更すべきだわ

〇車内
小林 優 (コバヤシ ユウ)「我が社のエキスパートが厳選したルートですが・・・」
マリ「・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「・・・!!」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「・・・あなたも怪人になれるそうですね」
マリ「・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「であれば ぜひ お手合わせ願いたいです」
マリ「小林さん・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「はい?」
マリ「どうして 怪人になれる人とそうでない人がいるのでしょう」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「・・・それは決まっています」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「それは・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「偶然です」
マリ「偶然・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「はい 偶然です」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「私もあなたも たまたま”力”をもって生まれたに違いありません!!」
マリ「・・・そう」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「あなたはどうお考えで?」
マリ「・・・私もそんな感じです」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「・・・・・・」
マリ「小林さん・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「はい?」
マリ「私たちの”本命”を任せます・・・」
マリ「頑張ってください・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「・・・・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「・・・承知しております」

〇オフィスビル前の道
客「警備員さん 本当に助かりました」
アカネ「大丈夫ですよ!! この地図も お持ちください!!」
客「まあ!!」
客「親切にどうも・・・ ありがとうございました・・・」
アカネ「お気をつけて 行ってらっしゃいませ~」
  自分も助かりました・・・
ヒロヤ「ありがとうございます 先輩」
アカネ「いいの いいの!!」
アカネ「少しずつ 慣れていってね!!」
ヒロヤ「・・・頑張ります」
アカネ「頑張れ!!」
ヒロヤ「はい・・・」
アカネ「そういえば ヒロヤくんと最初に会ったときも こんな感じだったね・・・」
ヒロヤ「そうですね・・・ あの時は助けていただき ありがとうございました」
アカネ「また今度 この辺りを案内してあげるねっ!!」
ヒロヤ「えっ・・・!?」
ヒロヤ「それは まさか2人で・・・」
  竹原~~
?「どこだ~竹原~」
アカネ「すみません~ ご用件はなんでしょうか?」
?「ここに竹原いるよな?」
アカネ「恐れ入りますが お約束をいただいておりますでしょうか?」
?「あるよ」
アカネ「お名前を頂戴しても・・・」
アカネ「あ・・・!!」
?「うっ・・・!!」
ヒロヤ「今 確認をとりますので・・・あの~」
?「どぉけぇ!!!!」
ヒロヤ「えっ?」
アカネ「ヒロヤくん!!」

〇雑居ビルの一室
?「竹原・・・やっとあえるな」
?「このビルごと お前を・・・!!」
配達員「・・・!!」
?「じゃまぁ!!!!」
?「・・・おっ?」
?「あぁぁあぁぁああああぁ!!!!」
?「・・・・・・!!!!!!」
ヒロヤ「あの~・・・」
ヒロヤ「一緒に外に出ません・・・か?」
?「・・・うるせぇんだよ・・・ ・・・黙んねぇと・・・」
安藤 爾臼 (アンドウ 二ウス)「”来た!! 見た・・・!!”」
?「ひぇ・・・!!」
安藤 爾臼 (アンドウ 二ウス)「”勝つ!!!!”」
安藤 爾臼 (アンドウ 二ウス)「”では 一緒に来てもらおうか”」
?「く・・・くそぉぉぅ・・・」
?「・・・・・・!!!!」
安藤 爾臼 (アンドウ 二ウス)「なぁッ!!!!」
ヒロヤ「ば・・・爆弾!?」
?「おら!!!!」

〇雑居ビルの入口
アカネ「な・・・なにか落ちてき・・・」
  爆弾だ!!!!
アカネ「ば・・・爆弾!?」
アカネ「・・・!!」

〇雷

〇雑居ビルの入口
アカネ「・・・・・・」
アカネ「・・・か・・・怪人?」
アカネ「ちょっと・・・!!!!」
アカネ「・・・まって・・・」
ヒロヤ「先輩!!」
ヒロヤ「・・・ケガはありませんか?」
アカネ「・・・・・・」
ヒロヤ「あの・・・爆弾が・・・」
アカネ「・・・・・・」
ヒロヤ「先輩・・・?」
アカネ「・・・・・・怪人」
アカネ「・・・・・・」
ヒロヤ「先輩?」

〇オフィスビル前の道
配達員「・・・・・・」
配達員「少し目立ちすぎたか・・・・・・」
  ヴヴゥ──ン・・・

〇車内
マリ「・・・・・・」

〇空
  今日も 天気に異常なし・・・
ヒロヤ(しかし・・・)
ヒロヤ「異常あり・・・!!!!」
ヒロヤ「あの~・・・先輩?」
アカネ「どうしたの?」
ヒロヤ「そろそろ休憩 終わりますが・・・」
アカネ「そうだね・・・ありがとっ!!」
アカネ「じゃっ いこっか」
ヒロヤ「はい・・・・・・」

〇オフィスビル前の道
アカネ「・・・・・・」
ヒロヤ「・・・・・・」
ヒロヤ「・・・いかん!!」
ヒロヤ「仕事に集中しないと・・・・・・」
アカネ「あっ・・・!!」
ヒロヤ「先輩・・・?」
?「いけねぇ・・・!!」
?「このままじゃあ・・・」
通行人「ホジホジ花クソタロウのサイン会に遅れちまう!!!!」
通行人「うおぉぉぉぉおおおお!!!!」
アカネ「・・・・・・」
ヒロヤ「・・・・・・」
アカネ「はぁ・・・」
ヒロヤ「・・・まさか 先輩・・・!?」
ヒロヤ「昨日 先輩を助けたっていう配達員を・・・」
ヒロヤ「心のどこかで探して・・・」
アカネ「・・・・・・」
ヒロヤ「・・・・・・くぅッ・・・!!!!」
ヒロヤ「泰然自若・・・明鏡止水ッ・・・!!!!」
ヒロヤ「・・・配達員!!」
ヒロヤ「当ビルに ご用件でしょうか!?」
配達員「さ・・・三階の竹原株式会社に お荷物です・・・」
ヒロヤ「ご案内します・・・ッ!!!!」
アカネ「・・・・・・」

〇橋の上
  ゴゴォォ──・・・

〇トラックのシート
小林 優 (コバヤシ ユウ)「──こちら小林・・・ 今 高速を降りました・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「・・・異常なし です──」
SFS 警備員「小林さん・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「なんだ?」
SFS 警備員「”彼女”・・・どうなんですか?」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「新人の女 のことか?・・・ さぁな・・・だが・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「ボスが直々にスカウトした奴だ・・・ 無能であるはずがない・・・」
SFS 警備員「”彼女”は怪人化の力を・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「・・・無論だ」
SFS 警備員「・・・怪人には負けてられねぇ・・・ ・・・俺も頑張らねぇと・・・」
SFS 警備員「なッんだぁ・・・!?」

〇オフィスビル前の道
アカネ「な・・・なにっ!?」
アカネ「まさか またっ・・・!!」

〇雑居ビルの一室(看板あり)
ヒロヤ「爆発・・・?」
配達員「一体・・・なんでしょう・・・?」
配達員「表通りの方っぽいですね・・・」
ヒロヤ「・・・・・・」
ヒロヤ「・・・今のは・・・」
配達員「・・・ウチの制服と同じだったけど・・・」
配達員「・・・見たことない奴だな・・・」
ヒロヤ「まさか・・・”なりすまし”?」
ヒロヤ「それに なぜ屋上へ・・・?」

〇オフィスビル前の道

〇トラックのシート
小林 優 (コバヤシ ユウ)「──こちら!!謎の爆発により走行不可!!──」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「──援護を頼む!!!!──」
SFS 警備員「小林さん!! 前から突っ込んでくる車がっ!!」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「くッ・・・!!!!」
  うわあぁあああ!!!!

〇オフィスビル前の道
アカネ「まさかあの車は・・・」
アカネ「現金輸送車!?」
アカネ「ということは・・・」
  キキィィ──!!!!
アカネ「強盗!?!?」

〇トラックのシート
小林 優 (コバヤシ ユウ)「くっ・・・・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「──緊急事態・・・強盗だと思われ・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「・・・至急 応援を・・・──」
SFS 警備員「・・・・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「しっかりしろ!!」
  ドアを開けろ!!
小林 優 (コバヤシ ユウ)「・・・・・・!!」
  ・・・・・・
  三秒で決めろ!!!!
小林 優 (コバヤシ ユウ)「・・・・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「・・・・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「・・・・・・」
小林 優 (コバヤシ ユウ)「あいつら・・・一体なにを・・・!!」

〇オフィスビル前の道
怪人「クソッ・・・!!」
怪人「やっぱり俺の刃じゃ壊せねぇ・・・」
怪人「どうする!? 引き上げるか!?」
怪人「んたこと できるかよ!!!!」
怪人「しかし あの人がこないと・・・」
怪人「強襲班 は何してんだよ!?」
怪人「なんだ・・・?」
怪人「があぁっ!!!!」
怪人「どうした!!」

〇幻想空間

〇オフィスビル前の道
怪人「なんだお前は・・・!!」
怪人「・・・・・・」
怪人「・・・・・・死ねぇぇ!!」
怪人「・・・・・・!!」
怪人「どこへ・・・!?!?」
怪人「おぉえッ・・・!!!!」
怪人「・・・・・・」
アカネ「・・・・・・」
アカネ「・・・・・・怪人・・・」
怪人「危ないから 下がりなさい・・・」
アカネ(女の人・・・・・・!!)
怪人「この衝撃は・・・」
怪人「このビルの屋上から・・・?」
  このままで終われるかよ・・・・・・!!
怪人「全員死ねぇぇ!!!!」
怪人「しまった・・・!!」
アカネ「きゃっ!!!!」
怪人「なっ・・・・・・!?」
怪人「くっ・・・・・・!!」
怪人「どうして あなたが・・・!! 上から落ちてくんだよ・・・!?」
怪人「はあぁぁッ・・・・・・!!」
怪人「うっ・・・・・・」
怪人「・・・・・・」
アカネ「こ・・・・・・この怪人は・・・」
アカネ「私をかばって・・・・・・」
怪人「いや・・・・・・」
怪人(屋上で誰かが この怪人を・・・)

〇開けた景色の屋上
ヒロヤ「はぁあ・・・・・・」
ヒロヤ「警備員はこんなに過酷なのか・・・?」
配達員「・・・なんて力だ・・・ これが・・・怪人・・・」
ヒロヤ「しかし 何が目的だったんでしょうか・・・」
配達員「もしかして さっきの爆発となにか関係が・・・」
ヒロヤ「・・・あっ!!」
ヒロヤ「報告しに はやく戻らないと!!」
配達員「・・・・・・」

〇オフィスビル前の道
ヒロヤ「先輩!! 大丈夫ですか!?」
アカネ「あっ・・・ヒロヤくん!!」
アカネ「キミの方こそ大丈夫なの? 無線に出ないんだから・・・」
ヒロヤ「無線壊れちゃって・・・すみません・・・」
マリ「・・・・・・」
ヒロヤ「あっ・・・・・・」
アカネ「どうしたの?」
ヒロヤ「いやぁ~・・・・・・」
マリ「どうして ここにいるの?」
ヒロヤ「いろいろあって・・・・・・」
アカネ「知り合い?」
マリ「私の弟が大変お世話になっているようで・・・」
アカネ「弟 !?!?」
マリ「どうして ”そっちの”警備会社に入ったのよ・・・?」
マリ「私が選んだ会社は不満だった?」
ヒロヤ「そういうわけじゃないんだけど・・・」
  ──こちら本部!! 応答せよ!!──
マリ「──こちら マリ・・・──」
マリ「──はい・・・”本命”は無事です──」
マリ「──了解・・・これより帰還します──」
マリ「すみません 私は仕事があるのでこれで・・・」
アカネ「はい!! すみません・・・ お礼を申し上げたくて・・・」
マリ「いいんですよ・・・」
マリ「ヒロ・・・またあとでね・・・」
ヒロヤ「じゃあね・・・」
マリ「・・・・・・」
ヒロヤ「いてっ・・・!!!!」
ヒロヤ「・・・なんで はたくんだよ・・・」
アカネ「・・・でもすごいね」
ヒロヤ「なにがです?」
アカネ「SFS警備会社に勤めていらっしゃるなんて・・・」
アカネ「それに 怪人になって・・・」
アカネ「悪い怪人を倒して・・・」
ヒロヤ「・・・・・・!!」

〇空
「・・・怪人・・・すごいですか?」
「うん・・・」
「・・・・・・」
「そういえば 『”そっちの”警備会社に入った』って・・・?」
「・・・・・・実は」
「俺は もともとSFS警備会社に入る予定だったんです・・・」
「・・・なら どうしてこっちに?」
「・・・・・・」
「ごめんなさい!!」
「えっ・・・!?」
「ヤボなこと聞いちゃったね・・・」
「いえいえ!! 全然・・・!!」
「・・・・・・」
「・・・先輩!!」
「なに?」
「これからも頑張りましょう!!」
「うん!! ガンバろ!!」
  ──終

コメント

  • まさか2人が姉弟だったなんて、思いもしませんでした!笑
    きっとお姉さんをお手本にこれから立派な怪人警備員になっていくんだと思います。楽しみですね。

  • キャラクターごとの設定や心情描写が深くて読み応えのある物語で楽しませてもらいました。ヒロヤくんとマリさんが姉弟というのも驚きでした。

  • まさか二人が姉弟だったとは思いませんでした!
    いい怪人さん達が活躍してるおかげで、守られているものも多いんですね。
    会社の制服、私はかわいいと思います。笑

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