一途な恋(脚本)
〇開けた交差点
ザンザロスなかなか姿現さないな。
またどっかの怪人とバトってるんだろうか?
ザンザロス「お待たせ」
夏子「動物園に行くはずなのにこれじゃパンダの列スゴイことになってるよ」
ザンザロス「悪い悪い。 夏子ちゃんと話する為に もうビール4杯開けた」
ザンザロス「これだからビールはやめらんねえ」
夏子「このアル中へべれけ怪人め」
ザンザロス「事実だけどそんな罵倒はあるかい」
今日の夏子ちゃんは制服にカジュアルな服装で初めて会った時とは違う魅力がある
夏子「さっ、行こうか ビール缶ポイ捨てダメだからね」
ザンザロス「ポイ捨てとか罰が当たりそうだから やらないでおくことにしてるよ」
私たちは動物園へ向かった。
〇動物園の入口
ザンザロス「夏子ちゃんのこと好きだよ」
夏子「ふふふ、ばーか。 言わなくてもわかってるっての」
ザンザロス「ライオンかわいいな」
夏子「象もかわいいよ」
ザンザロス「夏子ちゃんもかわいいよ」
夏子「私、動物扱いなの?」
ザンザロス「来年の7月24日までは祝えないの残念だな」
夏子「何? 何誕生日にくれる訳?」
ザンザロス「ヒーローショーで稼いだお金で 指輪でも買おうと思う」
夏子「いつになくマジだね 私を落とす気?」
ザンザロス「もう付き合って4ヶ月目になるじゃないか オレの気持ち受け取ってくれ」
夏子「あはは ザンザロスくんマジなんだね」
ザンザロス「夏子ちゃんのこと愛してるよ」
夏子「・・・・・・」
ザンザロス「夏子ちゃんのこと 怪人たちに襲われても 守り抜きたいくらい好き」
夏子「ふふ ありがとう」
ザンザロス「夏子ちゃんのこと 愛してる」
夏子「無限ループって怖くね?」
ザンザロス「夏子ちゃんのこと 愛してる」
夏子「ちょっと怖いから それ以上同じセリフ連発するのやめて♡」
ザンザロス「これでオレの気持ちは 伝わったかな?」
夏子「あっなおくんからLINEだ」
なおくん「もしもし ビデオ通話で夏子ちゃんの姿 見れるのうれしいよ」
夏子「なおくん 今友達と動物園行ってるんだ」
なおくん「そうなんだ どうりで楽しそうな声だと思った」
夏子「ちょっと変わった友人で 怪人なんだけど」
なおくん「特撮あまり詳しくないから 分からないけど マジの怪人?」
夏子「マジマジ」
なおくん「もう一度ヨリを戻せないか? ボク夏子のこと好きな気持ち 変えられないんだ」
夏子「今は気になる人いるし ごめんねなおくん」
なおくん「そっか 飲めない酒を飲もうかな 未成年だけど」
夏子「そんなに私とヨリ戻したいの?」
なおくん「夏子ちゃんのことずっと好きだったから」
夏子「ごめんねなおくん あなたの気持ちには応えられない」
スマホの向こうからガタンって音がして
何があったのか私は驚いた
なおくんどうしたんだろう
なおくん「スマホ落としたわ わかった 夏子ちゃんの恋が実ることを祈るよ」
夏子「ごめんね なおくんも友人として大切だよ」
なおくん「聞きたかった言葉はそんなんじゃない!」
夏子「今日はここまでにしとこっか。 そんななおくんは見たくなかった」
なおくん「わかった ByeBye」
ザンザロス「ふははは、このザンザロス様が いるからのう」
夏子「ザンザロスくんのこと 恋人と思ってるよ」
ザンザロス「ありがとう」
動物園の中に入って気を紛らわせようとした
〇ゴリラの飼育エリア
色々と動物を見ていたらいつの間にか夕方。
最後に見逃していたサルを見に来た。
ザンザロス「サルがいっぱいだな」
夏子「人間がサルから進化したって本当なのかな?」
ザンザロス「怪人はどうやって 生まれたかわかってないのだよ 僕らはどこから来たのだろう」
夏子「人間も似たようなものよ」
ザンザロス「夏子ちゃんお茶好きなの知ってるから 持ってきたよ」
夏子「気が利くねー」
ザンザロス「喜んでもらえただろうか?」
夏子「うん、ありがとう」
飼育員「猿の飼育員です おふたりさんはカップルですか?」
夏子「そう。 風変わりなカップルでしょ」
飼育員「よくお似合いですよー サルにエサでも渡してみますか?」
飼育員「まず私がお手本に1本渡してみせるので真似してみてください」
夏子「はい」
飼育員さんは目の前でバナナを突き出すと近寄ってくるサルにエサを渡した。
美味しそうに食べる2匹のサル。
夏子「それじゃ私もやってみます」
ザンザロス「夏子ちゃん上手い。 美味しそうに食べてるね、キクジロー」
夏子「よくサルの名前まで覚えてるな、ザンザロス」
サルにザンザロスもエサを渡そうとしたのだが、怪人の見た目にビビられて上手くいかなかった。
夏子「残念だったね」
ザンザロス「悔しいでござる。 まあいいや、そろそろ帰らないと 門限が危ないのでは?」
夏子「あっ、もうこんな時間か 飼育員さんありがとうございました」
飼育員「はい またのお越しをお待ちしております」
そして私とザンザロスは夕方の動物園を
後にした。
〇繁華な通り
夏子「もう門限まで1時間しかない」
ザンザロス「夏子ちゃん、さよならする前にちょっと 目をつぶってくれないか?」
夏子「うん? 何するつもり?」
ザンザロス「こうするんだよ」
ザンザロスの硬い唇(?)が私の唇をふさいだ
夏子「キスされるとは思わなかったな」
ザンザロス「夏子ちゃんのことずっと好きだ」
夏子「ありがと」
夏子「それじゃまた明日」
ザンザロス「ああ。明日から夏子ちゃんは 学校だから17時からしか 会えないのが残念だけど」
夏子「さよなら」
ザンザロス「さよなら また明日」
私はウキウキした気分で家路を急いだ。
ザンザロスのビジュアルは動物園のどの動物よりも珍しくて目立つのに、なんの騒ぎも起きないでデートできているのがシュールで面白い。二人の会話の独特の間合や雰囲気がいい感じです。
怪人と女子の恋愛ストーリーって珍しいですね。怪人の深い愛と女子の純真な愛が、動物園のデートはよほど楽しかったと思います。
ラブラブでいいですね。
二人の間の甘い雰囲気がたまらなくいいです。
動物園デートって、初々しさが出てて好きです。
好きな人と一緒ならどこでも楽しいですよね。