百合怪人

本田すみれ

読切(脚本)

百合怪人

本田すみれ

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〇ネオン街
  退屈な7月24日。
  あれはバイト帰りで酒を3杯飲んだ真夏の
  幻覚だったんだろうか?
  ふぅ、
真理(バイトお疲れ様、私。 16:00〜21:00のコンビニバイト 休憩もないのにホント お疲れ様)
ルイザ「お姉さん、可愛い髪型してるね」
真理「エッチな服装して、肌色もおかしいけれど あなた何者?」
ルイザ「私は怪人ルイザさまじゃ〜。 ルイザと呼ぶがよい」
真理「はい、ルイザさま。 こんな夜遅くに歩いてると 男の人に襲われちゃうよ〜?」
ルイザ「安心せい。そのような輩は 血祭りにあげてきたから」
真理「ルイザさま、怖っ」
通りすがりA「こんにちは〜」
ルイザ「消えるが良い!」
ルイザ「ちなみにこんなこともできるんじゃ」
ルイザ「ほれ、私が分身した者じゃ。 どっちの私が好きじゃ?」
真理「どちらも選べませんよ。 そもそも違いがわからない」
ルイザ「違いがわからぬとな? 残念じゃ。人間の小娘よ、 そちには期待しておったのじゃが」
  表情の違い以外わからないのだから、
  しかたない。
ルイザ「衣装を変えたいくらいだが、 あいにくこれしか着てる服が ないのでのよう」
  約5分くらいかけて近くのウニクロで服を買い換えた。
ルイザ「いきなり私を置いて服を買いにいくでない。 その服も似合っとるよのう。 揉みたいぞ?」
真理「えへへ、着替えちゃった。 申し遅れました、私真理っていいます」
ルイザ「真理か、いい名前だ。 まりのこと好きだよ?」
真理「唐突な告白、ビックリするな。 夜の街、人の声うるさくてルイザさまの声 聞こえにくいからどっか行こっか?」
  私たち3人は別の場所に移動することにしたのだった。

〇公園のベンチ
通りすがりB「すいません、トイレどこですか?」
真理「通りすがりの怪人さん、 公園の南の方にあります」
通りすがりB「ありがとう」
ルイザ「何じゃ? ここは」
真理「公園だよ。 夜の公園ってなんか胸がワクワクしない?」
ルイザ「胸と言うと貴様の胸の方が地味にデカそうだな。 今度揉ませろ」
真理「変態さんだ〜。 怪人ってみんな変態なの?」
  夏の夜の風は蒸し暑くてサウナでロウリュウをかけてるよう。
  と例えると大げさすぎるけれど。
真理「それにしても暑いね。 どうしよっかな、アレ開けるかな」
ルイザ「ずいぶん飲むんじゃな」
真理「ワイン好き? 一緒に飲もうよ。 紙コップとか用意してないから 間接キッスになるけれど」
ルイザ「お主と間接キッスか。 悪くは無いのう」
真理「トクトクトク。 ワインを注ぐ音ってクセになるよね」
ルイザ「ワシは人間界の酒などあまり 口にしたことが無いから わからんがな」
真理「酒をそこそこ飲んだからおかしなものを見ているのかな? 怪人がこの世に存在することをまだ 受け入れられない」
真理「家に帰ったらもっと飲みたい。 もちろんルイザちゃんは付き合ってくれるよね?」
真理「お〜い」
ルイザ「今、酒を飲んでる最中じゃ。 味に集中したかったのに」
真理「7月24日、誕生日なんだ。 祝ってくれる?」
ルイザ「そうなんか。 それはめでたい。 して、何歳になったんじゃ?」
真理「23。 もう私もおばさんだね」
ルイザ「ワシなど101101歳になってしまうぞ。 果たして何百人の女怪人と 百合な関係を結んだかわからん」
真理「私以外に仲良くなった子いるんですね。 嫉妬しちゃうかな」
ルイザ「350年前の話だから許してほしいんじゃ」
真理「そんな大昔の話になるんだ」
ルイザ「私と同い年の怪人はだいたい とっくに天に召されているからな 話が合う子がいなくて寂しかったのじゃよ」
真理「そんな悲しい状況になってしまっているとは。 大変ですね」
ルイザ「同情するでない。 しかし酒を飲んでいると22:42に なってしまったが 門限はないのか?」
真理「一人暮らしだから門限は無いけど ワインも空になったし 私んち来る?」
ルイザ「お言葉に甘えようとしようか」
ルイザ「あっ、ワシとしたことが 魔力の暴走で分身を 再び出してもうた」
ルイザ「ふう、うっかりしておったわ ルイザ2号は車庫に入っている」
真理「じゃあ家に行きましょうか」
  そして私は怪人を家にお持ち帰りしてしまったのだった。

〇明るいリビング
真理「さらに着替えてきちゃった」
ルイザ「忙しい女じゃのう 何で着替えたんじゃ?」
真理「さっきの服に赤ワインこぼしちゃったの」
ルイザ「真理は意外とドジっ子なんじゃな そんなんでコンビニバイトとやらは 務まっているのか?」
真理「袋代を入れ忘れたり、 そこそこやらかしてる」
ルイザ「ダメではないか まあいいひざ枕でもしてもらおうか」
真理「今まで誰もひざ枕したことないから 緊張するなぁ」
  私は怪人ルイザをひざ枕したのだった。
ルイザ「ぬくいのう 冷房を浴びながらされるひざ枕は 最高じゃ」
真理「どうですか? 私のひざ枕は」
ルイザ「真理の体温が伝わってきて興奮する」
真理「言い方ァ!」
真理「まるで一緒にエッチなことをしてるかのような言い回しやめてもろて」
ルイザ「事実をありのままに伝えただけじゃ」
真理「ふひぃぃぃん! それでも恥ずかしいよぉ」
ルイザ「それじゃ代わりにワシのひざ枕でも味わってみるか?」
真理「えっ、いいの? ルイザちゃんのひざ、 気持ちよさそう」
  いつの間にか睡魔が襲ってきて私はルイザちゃんのヒザで眠ってしまったようだ。

〇女の子の一人部屋
ルイザ「よく眠ってるようじゃの。 寝顔もステキじゃぞ?」
ルイザ「しばらくはこの家に滞在させてもらおうかの?」
ルイザ「起きたのか 今は午前3時じゃ まだ寝ておくとよい」
真理「おはよう メイク落とし忘れて眠っちゃった でもメイク落とすのめんどくさい」
ルイザ「人間の女とやらは メイクなどという扮装を 施さないと人前に出られないのが 大変そうじゃの」
真理「そうなの。 コンビニバイトでもナチュラルメイク してる」
ルイザ「寝ている真理をここの部屋のベッドに運ぶのしんどかったじゃよ。 寝言でルイザさま愛してるとか言うし」
真理「そんなこと言ったんですか、私」
ルイザ「ふふふ、すまぬ。ウソじゃ」
真理「もう! 怪人のウソツキ」
ルイザ「ところでそなたの家にしばらく身を置かせてもらいたいのだが、かまわぬか?」
真理「いいわ。ただし家賃は1日5回キスすること」
ルイザ「なんだ。 そんなことなら分身すれば、 余裕じゃ」
真理「えっ、待って」
「待たない」
  私はいきなり2人のルイザに20回もキスされてしまったのでハートが爆発しそうになりました。
真理「も、もう。 恥ずかしいから酒飲んで ごまかそう」
「口移しで飲ませてやろうか? ふふふ」
真理「くすっ、遠慮しとく」
  ルイザさまとはそれからビリヤードしたりボウリングしたり活発的なデートをしたのでした。

コメント

  • 二人の親密さがよく伝わりました。初めて怪人に出会っても驚かないなんてどんなメンタル?酒飲み過ぎか?それにしても怪人の年齢がハンパない!

  • 最後まで楽しく読ませて頂きました。ルイザのキャラが何だかとっても可愛らしくてよかったです。もう少し続きがあれば読んでみたいです。

  • 甘く可愛い空気感がずっと漂う作品ですね!ルイザさまは、達観した部分、可愛らしい部部分、真面目な部分が同居した魅力的なキャラですね!

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